- 仮想通貨市場
- ビットコインの価格は本日も2%以上高騰を記録し、堅調に推移しています。90万円を切る相場から反発した要因として、USDTの発行とBTCマイニングの収益分岐点が影響している可能性が見えてきました。今後も重要となる内容を解説します。
- 日米株価市場
- 先週末のNY市場は長期金利の上昇や、米中における貿易に関する交渉を見極めたい投資家の動きから方向性に欠ける相場展開に。東京市場はドル高円安を追い風に、輸出関連などが買われ、主要三指数揃っての上昇となりました。
仮想通貨市場
仮想通貨全体の価格はコンセンサス2018での大きな価格上昇もなく、Mt.GOXの売り圧力が重なったことなどが要因となり、18日には再度ビットコインが90万円を切ったことで、ここ1ヶ月の最低価格まで下落。
多くの仮想通貨トークンもBTCと同様に大幅に下落し、4月から5月にかけて勢いのあったONT、ICON、0xも市場全体の下落の流れに影響を受けました。
状況の転換時となったのは、仮想通貨市場の指標となるBTC価格が88万円台の価格をつけた後半時点となり、本日21日にかけてBTCの価格は堅調に推移しています。
BTC/JPYは21日20時現在、前日比で2%価格を伸ばし、アルトコインでは時価総額9位のTORNが10%弱、33位のBytomが約17%価格を伸ばしています。
BTC価格の状況
BTC/JPYが88万円で反発した18日、以前より価格操作の疑惑が噂されるテザー社によるUSDT発行が行われており、その額は約2億5千万ドル(約275億円)相当であることが報告されています。
Mt.GOXの相場への影響は、BTCとBCHの売却が売り圧力となるのに対し、USDTはUSDT新規発行を利用した買いが、買い支えとして上昇へ影響している可能性があります。
昨年のビットコインの高騰の約50%が、91回のUSDTの新規発行直後、かつBitfinexのウォレットに着金した2時間後に発生しているなど、架空のUSDを担保に発行したUSDTを利用し、レバレッジ取引でビットコインを売買している可能性が指摘されています。
実際に今回の相場変動時期も一致しており、18日時点で2度の取引量増加が確認できることから、USDTの状況は未だ懐疑的でありつつも、今回の上昇を後押ししている要因となっているかもしれません。
また、BTC価格の反発を引き起こした要因として、1つの指標となっているのが、BTCのマイニング収益問題です。
新規マイナーの参入が盛んに行われていることで、デフィカルティ(マイニング難易度)とハッシュレートは上昇の一途を辿っています。
2017年末に相場が盛り上がりを見せた時点を皮切りに、相場下落が続く状況の中でもハッシュレートは異常な上昇率を見せており、1月時点で2.28EであったBTCハッシュレートは、本日時点で32.2Eと14.12倍まで増加しています。
この状況に反してBTCの価格下落が起こったことで、BTCのマイニング収益は、BTCが88万円台を記録した21日に過去最安値を記録しました。
BTCブロックチェーンを支えるハッシュレートは、他の通貨と比較し圧倒的に巨大で、確固たるセキュリティを誇示していますが、マイニングコストがマイニング収益を上回ることでのマイナーのインセンティブの損失を決める「収益分岐点」が近づいている可能性が指摘されています。
マイニングのコストの中で、開発部門での競争の激化によって新たなマシンが続々と発表されることで高騰する”マイニングマシンコスト”や、規制などでマイニングができる地域が変わりつつあることで、変化する電力コストの問題も、この収益分岐点を上に押し上げる要因にもなっています。
大手マイニング企業がこの分岐点を境に買い支える動きも予測されている状況では、このマイニングの収益に関する動き(特にハッシュレート増加が顕著なBTC)の動向は価格へ影響した可能性もあるでしょう。
アルトコインのファンダメンタルズ要因
価格上昇をTRONは、再度時価総額9位まで浮上しました。
今回の価格要因と考えられるのは、以下の3点です。
- 公式ツイッターによる誇大広告ともとれる、Tronメインネットの発表
- イーサリアムブロックチェーンからの離脱の公表
- イーサリアムのDappsと相互の互換性を持たせるための機能発表
また 同様に価格を上昇させたBytomは、BITMAINがBYTOM用のASICマイナーを発表しています。
恐ろしいほど月利が高いが高いことで話題となり、現在は購入できない状況が続いています。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株では、仮想通貨の最大手取引所コインチェックを子会社化した「マネックスグループ(8698)」が強く、3.53%高。
先日の下落要因となった「日々公表指定」の解除を意識しつつも、再び700円台に乗せたことで、年初来高値の更新も射程圏に収めています。
また、21日の日本経済新聞で、独自通貨である”MUFGコイン”の開発を進める「三菱UFJフィナンシャル・グループ」が、ブロックチェーン技術を使い、処理量を従来のカード決済システムの10倍超まで高めた。」と報じられたことで、キャッシュレス社会が加速するとの思惑が強まり、金融機関向けシステム会社が急動意。
「クロスキャット(2307)」が17.98%高、「IXナレッジ(9753)」が、4.34%高となりました。
そのほかの仮想通貨銘柄では、「グローバルウェイ(3936)」が、ストップ高に。
同社は、個人の空き時間を売買できるサービス「TimeTicket(タイムチケット)」を展開しており、タイムチケット上で個人の時間の価値を定量評価するトークン「タイムコイン」、およびタイムコインプラットフォームの開発にあたり、スイスの現地法人によるICOの実施に向けたFINMA(スイス金融市場監査局)への申請を行っていることを4月16日に発表しています。
有望視されている仮想通貨(ブロックチェーン)関連株の最新情報は、以下の記事でまとめているので参考にどうぞ。
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NY市場
- NYダウ 24,715.09(+1.11)
- NASDAQ 7,354.34(-28.13)
- S&P500 2,712.97(-7.16)
先週末18日に引けたNY株式市場は主要三指数高安まちまちとなりました。
米国と中国における貿易に関する交渉の結果を見極めたい投資家の動きなどもあり、方向感に欠ける展開であった他、金利も3%以上で高止まりし、WTI原油先物の動きも小動きのものとなりました。
イラン核合意から米国は抜けた事などもあり、地政学リスクの高まりによる供給懸念から原油の上昇が続いていましたが、米国シェールオイルの増産の動き等もあり、WTI原油先物価格の上昇一服の相場となりました。
東京市場
- 日経平均23,041.33(+110.97)
- TOPIX 1,818.12(+2.87)
- マザーズ 1,168.47(+14.06)
21日の東京株式市場は主要三指数揃って上昇。
111円30銭台までドル高円安が進行した事で、輸出関連銘柄を中心に上昇し、約3ヶ月半ぶりの2万3000円台を回復し、日経平均は110円高となりました。
ファナック、ファストリ、TDK、トレンドマイクロ、日東電工5銘柄だけで日経平均の押し上げは約56円に。
ただ、戻り売り等も意識された事で、東証一部売買代金は2兆1000億円と低調になりました。米中貿易問題の行方をもう少し見たいという投資家の手控え等もあったようです。