CoinPostで今最も読まれています

Tether社が約275億円相当のUSDTを発行|BTC上昇相場に影響の可能性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDTの新規発行
5月18日にTether Limited(テザー社)が約2億5千万ドル(約275億円)分のUSDTを新規発行したと報じられました。
過去の疑惑
今年の3月にも、USDTの大量発行が行われ、裏付けとなる米ドルが実際に保有されているのか、懐疑的であることからもテザー社に対し批判が殺到しました。その当時も価格操作への影響が指摘されており、今回も価格への影響があった可能性があります。
Tetherとは
Tether(テザー)とは、米ドル(USD)や日本円(JPY)等の法定通貨とほぼ連動した価値を持つ仮想通貨です。 よく扱われているのがUSDT(USD Tether)で、殆どの場合1USDT≒1USDというほぼ等価の図式が崩れることはありません。その性質上、仮想通貨売買における基軸通貨の一つとして扱われていることもあります。

新規発行

5/18、約2億5千万米ドル分のUSDTを発行したと報じられました。

これにより、総流通量が25億枚にも達し、再びそのドル準備金の信憑性が問題視されました

今回の新規発行が問題視される理由を理解するために、過去の疑惑と今回の価格上昇への影響の可能性、最後にテザーの仕組みについても触れていきたいと思います。

過去の疑惑と今回の価格高騰への影響

昨年4月に、アメリカ合衆国で最も支店数が多い金融機関ウェルズ・ファーゴはBitfinexの送金処理を中止し、同取引所を利用する顧客は特別な手続きを踏まなければ口座からドルを引き出せなくなりました。

当時の銀行による停止処分の後、取引所の流動性の問題を解決する主な手段となっていたのがTether(テザー)だと言われていました。

しかし、今年の3月、テザー社が一日で3億ドル分のUSDTを発行したと判明しました。

それにより、監査法人との関係性が切れ、USDTの裏付けとなる米ドルが実在するのか怪しまれており、事実上の姉妹会社である大手仮想通貨取引所Bitfinexとテザー社の不透明さに対し多くのユーザーが批判しました。

この当時のビットコイン価格の高騰はこのUSDT大量発行により釣り上げられている疑惑が浮上していたため、疑惑が晴れた場合ビットコイン価格の崩壊につながる可能性があったこともテザー社に批判された理由でもあります 。

価格操作の疑惑の理由に関しては、昨年のビットコインの高騰の約50%が91回のUSDTの新規発行直後2時間以内かつBitfinexのウォレットに着金した2時間後に起こっているとの報告があります。

さらには、テザー社がBitfinexにUSDTを送金し、BitfinexはこのUSDTを証拠金にレバレッジ取引でビットコインを売買していたという推測もされています。

今回の価格への影響は

今回テザー社が約2億5千万米ドル分(約275億円相当)のUSDTを発行したのは5月18日です。

また大きな下落相場が続いていたビットコイン相場が8000ドルを切ったのち反発しましたが同日である18日、反発後bitfinexのチャートでは大きな取引量の増加が2回確認されています。

確実にUSDTの発行がこの価格反発へ影響しているかは定かではありませんが、取引量の増加と価格上昇の時期が再度一致したことになります。

テザーの仕組み

運営母体であるTether Limited(テザー社)が法定通貨の管理、そしてProof of Reserves(PoR)というシステムによって新規のTether(テザー)を発行しています。

簡単に説明すると、テザー社に法定通貨を預けると同額のTether(テザー)が発行され、テザー社から法定通貨を引き出す時にはTether(テザー)を入金すると引き出すことが出来て、その入金したTether(テザー)は消失する、という仕組みです。

これによりデジタル版のペッグ通貨(他の通貨と価値を連動させている通貨)を実現しているため、ビットコインの価格が下落した時の逃避先や利確として用いる投資家もいます。

しかし、仮想通貨の中でも特に中央集権的であることから、中央集権者であるテザー社が破綻、もしくは不正をする可能性、または法定通貨を預けている銀行が破綻、ハッキングされる等の危険性があります。

また、注意点としては法定通貨と完全に値段が連動している訳ではないため、仮想通貨全体の急落の影響等により一時的に価格差が大きくなることもあります。

Coinpost関連記事:

テザー(Tether・USDT)とは/米ドルと同価値を維持する仮想通貨
時価総額上位の人気仮想通貨であるTether(テザー)の特徴と将来性について、投資初心者にもわかりやすく解説。日本円(JPY)等の法定通貨とほぼ連動した価値を持つ仮想通貨です。USDTもTetherの一種で、米ドル(USD)とほぼ同価になるよう調整されています。

USDTの代わりとなる通貨が続々と

様々なTether(テザー)に関する不安要素が見られる一方、今までテザーが独占してきた安定通貨マーケットにおいて、Circle社は先週のConsensus 2018にて、自社開発のCENTREというデジタルウォレットを通じて、法定通貨に裏付けられ、法的に規制される、相互運用性を持つ「US dollar coin」、また安定コインのプロジェクトを開始すると発表しました。

この発表についてCircle社CEOは、USDTテザーの問題を解決する目的も明かしました。

Coinpost関連記事:

Bitmain等から約120億円出資されたCircle社:米ドルと価格が連動する仮想通貨を発表
大手仮想通貨取引所Poloniexの買収や、仮想通貨投資アプリ”Circle Invest”の公開で話題になったCircle社が、Bitmain等から約110億円出資された事、また米ドルとのペッグ通貨「US dollar coin(USD-C)」を発表しました。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10:10
フィリピンSEC、バイナンスの規制違反を指摘
フィリピンSECは、仮想通貨取引所バイナンスは同国で認可を取得せずに有価証券を販売していると国民に注意を促した。現地メディアはSECがバイナンスへのアクセスを遮断するなどと報じている。
08:15
FTX遺産、8.7億ドルの仮想通貨投資信託売却可能に
米デラウェア裁判所は29日、破綻した仮想通貨取引所FTXの債務者側が提出したグレースケールとBitwiseの仮想通貨投資信託の株式に関する売却提案を許可した。
07:45
米3Q実質GDP+5.2% 来年5月までのFRB利下げ観測高まる
米国株は月末で小幅安。第3四半期の米実質国内総生産改定値は前期比で年率5.2%増に速報値の4.9%から上方修正され、21年10─12月期以来の高い伸びとなった。
07:25
C・ロナウド選手、バイナンスとの契約巡り集団訴訟に直面
サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手は、仮想通貨取引所バイナンスのプロモーションに関わったとして、米国で集団訴訟に直面。原告は、同社の有価証券販売に関与したなどと主張している。
06:45
米SoFi、仮想通貨取引サービスを停止へ Blockchain.comへ移行
米オンライン融資仲介サービス大手SoFiは29日、仮想通貨取引サービスの閉鎖および移行計画を発表した。Blockchain.comへの移行が必要となる。
06:05
ブラックロックとInvesco、ビットコインETFの上場申請でSECと再び面談
米SECは現物型ビットコインETFの上場申請について、今週28日に申請側のブラックロック(2度目)・Invescoと会議を行ったことが判明した。ゲンスラー委員長は別のイベントでETF申請についてコメントをした。
05:30
米で13番目のビットコインETF上場申請に、スイスPando
スイスの資産管理会社Pando Assetは米国で、現物型仮想通貨ビットコイン(BTC)ETFの上場申請を行っていることが判明。
11/29 水曜日
21:01
IOTA財団がUAEアブダビ当局と提携、エコシステム成長を促進
仮想通貨IOTAの研究・開発を行うIOTA財団は、UAEアブダビで、金融センターADGMと協力し、プロジェクトを成長させていくと発表した。
18:00
預けるだけで仮想通貨が増える?|CoinTradeのステーキングを解説
出典元:CoinTrade 2023年11月、ビットコイン(BTC)が年初来高値を更新したことをうけ、仮想通貨(暗号資産)業界は盛り上がりを見せています。 一方で「仮想通貨には…
16:28
米財務省 仮想通貨業界への調査権限拡大を議会に要請
米財務省がハマス制裁の一環として仮想通貨業界への調査権限を拡大へ。過激派組織のデジタル資産利用に対抗するための新たな法案を議会に要請し、アンチマネーロンダリング規制を強化する動きを加速。テロ資金の流れを追跡し、国際的な安全保障を高める目指す。
15:33
Coinbase顧客にBybit関連の「召喚状」通知、CFTCの動きに焦点
仮想通貨取引所Coinbaseが規制当局の召喚状について顧客に通知。Bybitの利用歴のあるCoinbase顧客に関する情報提供をCFTCが求める。Bybitは米国サービスを否定もVPNアクセスの可能性あり。Bybitは仮想通貨取引量トップ3で2,000万ユーザーを達成。
14:54
「中国の信用拡大はビットコインへの資本流入を促す可能性がある」ヘイズ氏
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、中国における信用拡大が世界市場に波及し、結果的にビットコインなどのリスク資産全般への資本流入を促進するとの見解を披露した。
14:00
SNS連携のWeb3ウォレット「TIPWAVE」公開
NextmergeがX(旧Twitter)やDiscordユーザーに便利なWeb3ウォレット「TIPWAVE」を発表。SNSとの連携で暗号資産(仮想通貨)とNFTの利用が簡単に。ソーシャルメディアアカウントに対するNFT配布も可能になる。
12:40
ビットコイン投資商品9週連続の純流入、21年11月の「強気相場」以来最大規模に
暗号資産(仮想通貨)市場では、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物OIがバイナンスを上回る規模を拡大。CoinSharesのデータではビットコインETPなどの投資商品に21年11月以来最大の資金流入を観測した。
11:30
Jドーシー氏、ビットコイン採掘分散化推進の「OCEAN」に投資
ムーモリン社のビットコインマイニングプロジェクト「OCEAN」が620万ドル調達。ジャック・ドーシーも支援し、ブロック報酬をマイナーに直接分配する革新的なアプローチを採用。暗号資産(仮想通貨)ビットコインの分散化と発展に寄与。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア