- ビットコインと市場全体の相関関係はまもなく終わる
- Ripple社CEOのGarlinghouse氏が、ビットコインの価格とその他の通貨の価格が強い相関関係にある現状は、人々が各通貨の差異に気づくに連れて、間も無く終わりを迎えるだろうと話しました。
- 政府機関の介入の必要性とRippleの立場
- Garlinghouse氏は、市場には未だ詐欺と呼ぶべきプロジェクトが横行しており、政府機関の介入は必要だと話す一方で、Rippleはまっとうで有益なプロジェクトであると強調しました。
ビットコインと市場全体の相関関係はまもなく終わる
仮想通貨の価格はこれまでほとんどの場合において、最大の通貨であるビットコインの価格と連動して動いてきました。
しかし、Ripple社CEOのBrad Garlinghouse氏によれば、今後各通貨の違いが市場で認められていくようになるにつれ、間も無くビットコインの価格に連動した市場の変動は終わりを告げるだろうとのことです。
Garlinghouse氏はCNBCに対し以下のように話しました。
リップル(XRP)とビットコイン(BTC)の価格にも、強い相関があります。しかし、究極的にはそれらは各々が独立したオープンソースの技術であるはずです。それぞれの差異を反映し、より理にかなった市場となる日は遠くないでしょう。
混同されがちですが、同じ「リップル」でも、Ripple社は高速決済システムをグローバルに提供する会社であり、XRPはそのRipple社の決済プラットフォームで発行される仮想通貨のことをさします。
Ripple社は、今年に入ってから20もの提携を新たな機関と結んでいるとGarlinghouse氏は話します。
同社は30日、すでにXRPでの国際送金を実験しているマネーバンク社などの会社に続いて、クウェートで最大の銀行との提携を発表しています。
その一方で、同時期にXRPの価格は70%も落ち込み、時価総額上位の通貨の中でも最もパフォーマンスの悪い通貨となっています。
仮想通貨市場全体としても今年に入ってから下落続きで、CoinMarketCapによれば仮想通貨全体の時価総額は50%以上の低下を見せているとのことです。
ビットコインも例に漏れず、この3ヶ月でおよそ50%下落しています。
Garlinghouse氏は以下のように話します。
仮想通貨市場はまだ産業としては初期の段階にあり、トレードも投機目的のものがほとんどの状況です。しかし、人々が各通貨の違いを理解して動くようになるのは時間の問題だと私は考えています。
政府機関の介入の必要性とRippleの立場
CoinMarketCapによれば、現在市場には1500以上の通貨が溢れていますが、Garlinghouse氏は、10年以内にそれらの99%が淘汰されると予想しています。
同氏は以下のように続けました。
実際に現実の問題を解決していないプロジェクトが淘汰されれば、市場はもう少し正しい方向へ向かうでしょう。
なんの課題解決にもなっていないプロジェクトがあるだけでなく、これまでそういったプロジェクトは、ICOで資金調達をする過程で、悪質に金を巻き上げているとして告発されることも少なくありませんでした。
証券取引委員会はこれまで、パンプアンドダンプ(風説の流布による価格操作)を警告したり、危険なプロジェクトを停止したりしてきました。
最近では、世界的ボクサーのメイウェザー氏や、有名DJのカリード氏が後援していたプロジェクトについてもそれぞれ詐欺として処分を下すといった事例もありました。
Garlinghouse氏はこういった状況に関してもコメントしました。
市場には実際に詐欺プロジェクトが存在しているため、証券取引委員会は関わるべくして関わっているといえます。政府機関は仮想通貨市場に介入すべきであり、それによって市場の投資家、企業が守られるべきであると私たちは主張してきました。とはいえ実際に有益なプロジェクトも存在しています。
仮想通貨が有価証券に含まれるかどうかというテーマは、金融業界を統制する者からしてみれば、かなり重要な焦点となってきました。
証券取引委員会のトップである Jay Clayton氏は3月、全てのICOは有価証券に当たるという見解をはっきりさせています。
しかし一方で、Ripple社はXRPは有価証券には分類されないという立場を貫いています。
Garlinghouse氏は、XRPと株式のような既存の有価証券との相違点を指摘しています。
XRPを所有しても、利益や配当を得る権利をRipple社から得るわけではありません。XRPは、それそのものとして実益を生む存在なのです。
仮想通貨市場の変化
Ripple社CEOが話す様に、現在の仮想通貨市場はBTCの値動きに他の通貨が左右される状況下にあることは間違いありません。
これにはBTCを中心に取引を行うBinanceやOkex、Huobiのようなボーダーレス取引所が取引量のメインを占めており、アルトコインの通貨価格がBTC建で計算されることが多くあることも一つの理由となります。
しかし、実際にはビットコインが下落したからといって他の通貨が上がるわけではなく、同様に下落している現状があり、今後それぞれの通貨がより個別に評価される状況が出来上がれば、市場の発展の仕方にも大きな違いが現れることになるかもしれません。
現在では、ビットコインを基軸とする取引所だけでなく、複数の取引ペアも出てきており、その様な動きも状況の脱却の第一歩となるかもしれません。
Brad Garlinghouse氏が語る様に、実際に”問題解決”を可能とする通貨が実際の生活に実需としての需要を伴うことで、仮想通貨の中で淘汰が進むと共に、より個別に評価される通貨が輝く時代がくると、イノベーションの観点でより仮想通貨が注目される、技術面や生活面と良い関係性の構築につながるでしょう。
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31 May 2018 by Kate Rooney
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