- 仮想通貨は「消える」訳ではない
- 仮想通貨は「仮想」上のもので、あくまでもデータであるため、突然無くなってしまうと考える人がいるかもしれませんが、決してそうではありません。
- 仮想通貨は現金と同じく財布(ウォレット)にしまう
- 仮想通貨はネット上に漂っているわけではなく、いわゆるお財布というものがあり、そこに保管することで仮想通貨を持ち歩いたり、決済を行なったりすることができます。
- 仮想通貨が消える・盗まれる理由
- 取引所上で作られたお財布は、自分自身の振り分けこそあるものの、あくまでも取引所に仮想通貨を預けて保管、取引を行うことになります。ハッキングは、取引所の財布からハッカーの財布に移動させられる「盗難」であり、仮想通貨を支えるネットワークである「ブロックチェーン」の改ざんや通貨の消滅が発生した訳ではありません。
仮想通貨は「消える」訳ではない
仮想通貨という名前から、この通貨は「仮想」上のものであくまでもデータであるため、突然無くなってしまうのではないか?と疑問に持つ方も多いかもしれません。
また、私たちが住む日本では大きな仮想通貨取引所のハッキングによる仮想通貨流出の事件が、マウントゴックス事件、コインチェック事件と2度起きており、この疑問が確かな不安となる要因となっています。
ここで順を追って不安を解消していこうと思います。
仮想通貨は現金と同じく財布(ウォレット)にしまう
まず、仮想通貨が電子データであるために起こる不安です。
実は私たちが生活している中で、お金や資産というものの多くは既に電子データとして取り扱われています。
銀行間を移動やクレジット決済などで使われる法定通貨も、実物がそこにあるわけではなく、電子データ(電子マネー)として存在しています。
例えば電車に乗る駅などで、お金をSUICA(JR東日本が提供する電子決済カード)などにチャージして持ち歩き、駅やコンビニなどで決済として利用している人が多いと思います。
これもある意味でお金を電子マネーに変えて利用していることになります。
仮想通貨と電子マネーは同一ではありませんが、この仕組みに類似点があります。
仮想通貨にも電子データの要素があるために、それを利用するための媒体、いわゆるお財布というものがあり、そこに保管することで仮想通貨を持ち歩いたり決済を行なったりすることができます。
逆に仮想通貨の取引を行う場合には、「仮想通貨取引所」というネット上の取引所に自分のお財布(口座)を開設し送信すれば、法定通貨同様自分の仮想通貨が反映されます。
要するに仮想通貨のお財布というものは、携帯のアプリで作ることもできれば送受信の権利を完全にオフライン上(似ているのはUSBメモリ)などに保管できるもの、また上記で述べたように取引所上で作るものなど多種多様となります。
つまり、電子データだからといってネット上を漂っているわけではなく、きちんとお金としてお財布で管理されているということになります。
仮想通貨が消える・盗まれる理由
では、なぜ取引所のハッキング事件が起きて仮想通貨が盗まれてしまうの?という疑問に行き着くと思います。
ここでは「盗まれる」という言葉の対象先が重要となります。
先述したように、仮想通貨のお財布は多種多様であるとお話ししましたが、通常のお財布は自分が送受信の権利、仮想通貨を送ったり受け取ったりする権利があり、Suicaのように自分自身での管理の元使うことができます。
一方で取引所上で作られたお財布は、自分自身の振り分けこそあるものの、あくまでも取引所に仮想通貨を預けて保管、取引を行うことになります。
このように保管先が取引所であるため、多くの顧客を抱える取引所では、それだけの資金が1つの取引所に集まることで悪いハッカーの「盗む」対象となり、コインチェックの事件などへと発展した、ということになります。
よってこれらの事件は仮想通貨が消えてなくなったわけではなく、「取引所自体のセキュリティの脆弱性を突く攻撃」が行われたことで、取引所の財布からハッカーの財布に移動させられる「盗難」が起こった、という事件です。
つまりハッキングは、仮想通貨を支えるネットワークである「ブロックチェーン」の改ざんや通貨の消滅が発生した訳ではありません。
日に日に盗まれづらくなっている
現在では金融庁主導のもと、取引所の管理体制の厳格化や、株式市場で一般的な外部管理などのサービスが続々と発表されており、この「盗まれる」状況は、日に日に改善しています。
市場と業界共に発展途上と言える仮想通貨ですが、その業界の成長も著しく、多くの投資家を魅了しています。
仮想通貨を保有、取引する上で、これら財布に違いがあると理解することが手元からなくなるリスクを的確に捉え、ブロックチェーンの可能性を理解することに繋がるでしょう。