はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ストラテジー社が大量保有するビットコインの売却リスク懸念について分析=beincrypto

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン売却リスクの懸念について

米ナスダック上場企業のストラテジー(旧マイクロストラテジー)が、再び投資家の注目を集めている。この点について、beincryptoのジャーナリストであるLandon Manning氏が分析内容を報じた

背景にあるのは、同社がSEC(米証券取引委員会)に提出した報告書の一文だ。報告書に記載されたリスク要因について、一部では経営破綻リスクやビットコインの売却を迫られる可能性と解釈され、市場に波紋を広げている。

報告書には「資金調達が困難になれば、保有するビットコイン(BTC)を売却しなければならない可能性がある」といった文言が明記された。ただし、これは同社が過去の四半期報告でも繰り返し記載している『一般的なリスク開示』であり、今回特別に追加されたものではない。

とはいえ、現在のように市場が不安定な局面では、このような文言が過敏に受け取られやすい。特にストラテジーは世界最大級のビットコイン保有企業であり、その動きが市場全体に与える影響は小さくない。仮に一部売却という判断が下されれば、相場に与えるインパクトは避けられないだろう。

同社の保有BTCは現時点で52万8,000BTC超、評価額で6.3兆円以上に達するが、基本的には転換社債(総額:1兆円)を発行して取得している。この膨大な資産が財務体質を支える一方で、相場の変動に強く影響される脆さも併せ持つ。

しかし、ストラテジー社が発行している2029年返済期限の約30億ドル(4,400億円)規模の転換社債については無担保の債券で、マージンコール(追証)の条件がない。最近の発行分では金利も0%と非常に低いとされる。

そのため、株価が一定の水準に達した場合に株式へ転換される設計となっており、一般的にビットコインの市場価格の変動によって追証を余儀なくされるような契約にはなっていないと見られる。

関連:セイラー会長のストラテジー社、1Qに約8800億円のビットコイン含み損を計上

市場が懸念するのは、ストラテジー社が大量保有するビットコインの強制清算の可能性だろう。

しかし、この点においてオンチェーン分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは昨年12月、「マイクロストラテジーが清算に追い込まれる可能性は極めて低い」と分析している。

ストラテジー社のビットコインの平均取得価格は1BTCあたり67,458ドルとされる。現在の市場価格(約82,500ドル)はこれを上回っているが、仮に建値を割り込んで含み損を抱えたとしても、即座に売却が必要になるわけではなく、本業としていたソフトウェア事業収益もある。

Ki氏は昨年12月、同社の債務7億ドルに対しBTC資産価値が46億ドルであるため、清算が起こり得る価格水準は1BTC=16,500ドル以下と試算した。同社の債務が無担保転換社債であり、BTCを担保にしていない点を強調。即時清算リスクは低いと結論づけていた。

関連:マイクロストラテジーの破綻は非現実的か、CryptoquantのCEOがビットコイン清算価格帯を分析

ただし、継続的な株式希薄化による資金調達や、ソフトウェア事業の本業収益が不振のまま長期化した場合には、財務圧迫が強まる可能性は否定できず、マクロ経済環境が著しく悪化した場合、理論上の経営悪化リスクが現実味を帯びる可能性もあるだろう。

10日現在、ビットコイン価格およびストラテジー社の株価は、トランプ大統領の関税一時停止発言をきっかけに急反発している。マクロ経済の先行き次第で再び同様の懸念が浮上する可能性は考えられる。

関連:ビットコイン・アルトコイン・仮想通貨関連株が大幅反発、トランプ関税90日間停止を受け

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
11:10
「BTCが74000ドルまで下落しても転換社債に対する価値は5.9倍」ストラテジー
ストラテジー社は、仮想通貨ビットコインの価格が同社の平均購入価格である74,000ドルまで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになると投稿。債務の安全性を強調した。
10:30
韓国最大級仮想通貨取引所Upbit、ネイバーと合併 約1.5兆円規模の株式交換で傘下に
韓国IT大手ネイバーが仮想通貨取引所Upbit運営のドゥナムを1.5兆円規模で買収。韓国国内シェア7割超のUpbitとネイバーペイを統合し総合デジタル金融エコシステムを構築。2025年6月の合併発効を目指す。
10:15
BTCマイナーのクリーンスパーク決算発表、売上高が過去最高に AIインフラを拡大中
ナスダック上場のビットコインマイナー、クリーンスパークが決算報告。過去最高の売上高を記録した。AIとビットコインの両ワークロード対応の包括的プラットフォームへ進化中だ。
09:55
ソラナ特化型ウペクシが最大35億円調達、SOL財務戦略などに利用
ナスダック上場のウペクシが普通株式とワラントの私募により最大2300万ドルを調達すると発表した。調達資金は仮想通貨ソラナ財務戦略と運転資本に充てられる予定だ。
08:45
セキュリタイズがEU取引決済システム認可を取得、アバランチで展開へ
セキュリタイズがスペイン国家証券市場委員会からEU全域での取引決済システム運営認可を取得した。同社は米国とEUの両方でライセンスを持つ唯一の企業となり、欧州システムはアバランチ上に展開される。
08:00
S&P、USDTのドルペッグ能力を最低評価に引き下げ
S&Pは、テザー社の米ドルステーブルコインUSDTに対する評価を最も低い「5」に引き下げた。仮想通貨ビットコインを準備資産として保有する割合などに触れ、判断の根拠を説明している。
07:02
大口投資家の売りが加速、ビットコイン平均入金額が1年ぶりの高水準に=クリプトクアント
クリプトクアントが報告したデータによると、ビットコイン価格が8万ドルまで下落した後、大口トレーダーによる取引所への送金が増加している。最近では9000BTCが送金され、その45%が100BTC以上の大口入金だった。
06:25
ビットワイズのドージコインETFも取引開始、グレースケールに続く
ビットワイズがドージコインETFの取引を米ニューヨーク証券取引所で開始した。管理手数料は0.34%で最初の1カ月間は資産5億ドルまで免除され、グレースケールとREX-オスプレイに続く3番目のドージコインETFとなる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧