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ビットコインをDeFiで運用 WBTCのメリット・買い方、運用法まで徹底解説

近年、ビットコイン(BTC)投資家の間では、単に「資産を保有する」だけでなく、「資産を運用・活用する」ことへの関心が高まっています。そうした動きを支える存在として注目されているのが、WBTC(Wrapped Bitcoin)です。

WBTCはビットコインを担保に発行されるトークンで、BTC保有者がイーサリアム上のDeFi(分散型金融)サービスを利用しながら、金利や報酬を得ることを可能にします。

この記事では、WBTCの基本的な仕組みや運用方法、そのメリットについて初心者の方にも分かりやすく解説します。

目次

  1. WBTCの基本情報
  2. WBTCのメリット
  3. WBTCの買い方
  4. WBTCの運用方法
  5. DeFi運用リスクと対策
  6. まとめ:初心者向けステップ
  7. FAQ(よくある質問)

WBTCの基本情報

項目 詳細
通貨コード WBTC
公開日 2019年1月31日
発行チェーン Ethereum (ERC-20トークン)
発行上限 なし(BTC担保に応じて発行)
時価総額 約108億ドル($10,877,814,810)
資産管理体制 Proof of Assets + Proof of Reserve
主な運用方法 レンディング、流動性提供、イールドファーミング、担保利用
*データ元:CoinmarketCap、2025年3月30日時点

WBTCの発行・管理は、WBTC DAOのガバナンスルールに基づいて行われます。認定パートナー(例:Galaxy、Wintermuteなど)とカストディアン(BitGo)が連携し、BTCの預け入れやKYC/AMLを経て新たなWBTCをミント(発行)します。

反対に、WBTCをバーン(焼却)してBTCに交換することで、供給量が調整される仕組みです。

常にWBTCと裏付けとなるBTC残高が一致していることが担保されている 出典:BitGo

Chainlinkによるオンチェーン検証(Proof of Reserve)が行われており、約10分ごとにウォレット残高が自動チェックされ、1%以上の乖離があればオンチェーンの情報が更新されます。

BitGoは、2013年に設立されたビットコインの大手保管企業であり、WBTCの唯一のカストディアン。1,500以上の機関投資家と取引しており、プラットフォーム上で1000億ドル以上の資産を管理しています(公式サイトより)。同社は四半期毎に公開監査を発行しています。

WBTCのメリット:イーサリアムエコシステムの活用

WBTCの利点は、ビットコインを「眠らせておく」だけでなく、積極的に運用して新たな収益機会を得られることです。以下は、代表的なプロトコルとWBTCの運用例です。

プロトコル 典型的なWBTCレンディングAPY
Aave 約0.5%~1.0%~1.5%
Compound 約0.5%~1.0%
Uniswap / Sushiswap(流動性提供) 報酬(取引手数料+インセンティブ)に応じて変動
MakerDAO(担保運用) 金利はレンディング市場とは直接比較しにくい
*実際の利回り(APY)は市場の需要と供給、各プロトコルのパラメーター変更等により変動するため、公式情報をご確認ください。

レンディングプロトコルでは、WBTCを担保にすることで別の資産を借り入れたり、WBTCを直接貸し出して利子を得ることが可能です。また、分散型取引所(DEX)では、WBTCを流動性プールに預け入れることで取引手数料の一部や追加のトークン報酬(インセンティブ)を受け取れる場合もあります。

WBTCの買い方

日本国内でWBTCを入手する方法は主に2つあります。

  1. コインチェックなどの国内取引所で直接購入
  2. イーサリアムウォレットを使ってDEX(Uniswapなど)で購入

コインチェックの場合、取引所形式だと流動性が低く、販売所だと希望価格とのズレ(スリッページ)が起きやすい点に注意が必要です。 一方、DEXではウォレット準備やガス代がかかるものの、より安定した価格や流動性を利用できることが多く、運用益を狙うならこちらが推奨されます。

WBTCを運用したい方に

1. 国内取引所で直接WBTCを購入する方法

現在、日本国内では「コインチェック」でWBTCを直接購入できます。 コインチェックの口座を開設し、WBTCの購入画面から簡単に取引を行うだけで入手可能です。 ウォレットの管理をすべて取引所に任せたい方や、手間をかけずにWBTCを入手したい場合は、この方法があります。

2. イーサリアムネットワーク上でWBTCを取得する方法

続いて、自分のウォレット(例:MetaMask)でWBTCを管理しながら、DeFiなどで活用したい人向けの方法です。大まかな手順は以下のとおりです。

  1. イーサリアム(ETH)に対応したウォレットを準備する(例:MetaMask)
  2. 国内取引所でETHを購入し、MetaMaskへ送金する
  3. UniswapなどのDEXとMetaMaskを接続する
  4. ETHをWBTCにスワップ(交換)する

以下では、手順ごとに詳しく見ていきましょう。


▼ 手順1:ウォレットの準備

まず、イーサリアム(ETH)ネットワークに対応したウォレットを用意します。代表的なウォレットとしては、MetaMaskがあります。 MetaMaskをインストールし、新しいウォレットを作成したら、表示されるシードフレーズを安全な場所に保管してください。

▼ 手順2:ETHを国内取引所からMetamaskへ送金

次に、国内取引所で購入したETHをMetaMaskのアドレスへ送金します。 ここでは、例として「SBIVCトレード」からMetaMaskへの送金手順を簡単に紹介します。

  1. 公式アプリを開き、「資産 / 入出金」から「ETHを送る」を選択
  2. 「アドレスを登録する」をタップし、MetaMaskでコピーしたETHの受信アドレスを登録
  3. 登録したアドレスを選び、送金数量を入力
  4. 送金を実行すると確認メールが届くので、メール記載のリンクをタップ
  5. 「出庫予約が完了しました」等のメッセージが表示されれば完了

出典:SBI VCトレード

国内取引所からMetaMaskへの出庫が完了すると、数分~数十分でETHがウォレットに反映されます。送金ステータスは随時、取引所の画面で確認可能です。 MetaMaskの使い方や、国内取引所からのETH送金方法は、以下の記事が参考になります。

関連:メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換:スワップ、便利機能を図解で簡単に


▼ 手順3:Uniswapに接続

ウォレットにETHを用意できたら、UniswapなどのDEXを利用してWBTCを購入します。 まずはUniswapの公式サイトを開き、「Walletを接続」をクリックしてMetaMaskを選択し、ウォレットを接続します。

▼ 手順4:ETHをWBTCにスワップ

Uniswapでスワップ画面を開き、次のように操作します。

  1. 売却したい通貨を「ETH」に設定
  2. 購入したい通貨を「WBTC」に設定
  3. スワップしたい数量を入力し、「スワップ」ボタンを押す
  4. トランザクションの内容を確認し、ウォレットで承認

出典:Uniswap

WBTCを運用したい方に


WBTCの運用方法

ここでは、WBTCを使った運用方法として代表的な「レンディング(貸し出し)」と「流動性提供(LP)」を紹介します。

レンディング(貸し出し)

WBTCをDeFiプラットフォームに預けて金利収入を得る方法です。 比較的リスクが低く、安定収益を狙いやすいのが特徴で、代表的なプラットフォームには、AaveCompoundがあります。

手順(Compoundの例):

  1. 右上の「App」タブをクリックし、「Connect Wallet」からMetaMaskなどのウォレットを接続
  2. 「Supply WBTC」タブよりWBTCをCompoundにデポジット(預け入れ)

出典:Compound Finance

1. 預けたWBTCに応じて金利が発生。 2. ダッシュボードで報酬を確認し、引き出し可能。

出典:Compound Finance


流動性提供(LP)

WBTCと他の通貨(例:ETH)をペアとしてプールに預け、取引手数料から報酬を得る方法です。代表的なプラットフォームは、Uniswap、Curve Financeです。

手順(Uniswapの例):

  1. ウォレットを接続(MetaMaskなど)
  2. 「Pool」画面で「WBTC/ETH」などの通貨ペアを選択
  3. 手数料や価格範囲(資産が取引される価格帯)を設定
  4. 指定したトークン量を提供後、「プレビュー」ボタンをクリックし、内容を確認
  5. 確認画面で「追加」をクリック
  6. ウォレット(MetaMask)で承認操作を行い、流動性提供が完了
  7. 報酬はLPトークンとして付与され、定期的に回収可能

出典:Uniswap

WBTCを運用したい方に

DeFi運用リスクと対策

WBTCをはじめとするDeFi運用には、銀行預金や証券投資とは異なるリスクも伴います。主なリスクと、その対策を一覧表にまとめました。

リスク 内容 対策例
スマートコントラクトの脆弱性 プロトコルにバグがあると資産が失われる可能性がある 実績のあるプロトコルを選ぶ。分散投資を行う。
プラットフォームの破綻 DeFiプロジェクトの運営停止・資金流出など トークンの分散、運営実績や監査状況をチェック。
インパーマネントロス LP提供時の価格変動による損失 安定した通貨ペアを選ぶ、短期提供を検討。
利回り変動 年利が一定ではなく、変動する 頻繁にチェックし、利回りの低いプールからは撤退。
ハッキングや詐欺サイト 偽サイトにアクセスすると資産を失う危険性 公式サイトURLからアクセス、ウォレット接続前に確認。

これらのリスクを把握し、運用手法やプラットフォームを選ぶことが重要です。

まとめ:初心者向けステップ

ここまで解説してきたWBTCの購入方法やDeFi運用について、要点を簡単に振り返ります。 初心者の方は、まずは0.01BTC~0.1BTC程度を目安に、少額でスタートしてみましょう。

ステップ 内容 要点
1 ウォレットの準備
  • MetaMaskなど、イーサリアム対応ウォレットを導入
  • シードフレーズを安全に保管
2 WBTCの購入
  • 国内取引所(例:コインチェック)で直接購入
  • またはETHをDEXでWBTCにスワップ
3 運用先の選択
  • レンディング(Aave / Compound)で金利収入
  • 流動性提供(Uniswap / Curve)で手数料収入
4 ウォレット接続
  • 各プロトコルの公式サイトから「Connect Wallet」
  • イーサリアムメインネットを選択
5 資産を預け入れ
  • WBTCを貸出・プールに供給
  • ガス代、スリッページを都度確認
6 報酬の確認
  • ダッシュボードで金利や手数料報酬をチェック
  • インパーマネントロスなどのリスクも考慮
7 運用の継続・引き出し
  • 相場状況や利回りを定期的に確認
  • 利回りが低下したら移動や撤退も検討

覚えておくべきこと

  • 銀行預金よりも利回りは高めでも、常に10%以上のリターンが得られるわけではない
  • 少額でテストしてウォレット操作やガス代の仕組みに慣れるのが安心
  • 公式サイト以外のURLや不審なDAppには絶対にウォレットを接続しない
  • 運用先を分散し、定期的に利回りやリスクを見直す

リスクを理解したうえで、まずは少額から始めて試し、成功体験を積んでいくのがポイントです。 WBTCを通じてBTCを「活用する」楽しさを、ぜひ体験してみてください。

WBTCを運用したい方に

FAQ(よくある質問)

Q1:WBTCを使ったDeFi運用は安全ですか?

リスクはゼロではありません。スマートコントラクトのバグや運営停止、ハッキングなどの可能性があります。
対策:実績・監査済みプロトコルの利用、少額からの分散投資、仕組みをよく理解したうえでの運用

Q2:ウォレットのセキュリティを強化するには?

シードフレーズを他人に教えない、クラウドに保存しない、フィッシング詐欺に注意するといった基本を徹底しましょう。
LedgerやTrezorなどのハードウェアウォレットを併用すれば、さらに安全性が高まります。

Q3:日本ではDeFi運用に税金がかかるの?

はい。DeFiで得た収益は雑所得として課税対象です。
例:レンディング報酬、トークンスワップ時の差益、LPトークン解消時の価格変動益など

Q4:DeFiの収益を申告するには?

取引履歴の管理と収益計算が必要です。日本語対応の税務ツール(Gtax、Cryptactなど)を活用したり、不安な場合は暗号資産に詳しい税理士に相談しましょう。

Q5:取引履歴の管理はどのくらい重要?

報酬を受け取った時点やトークンの交換タイミングが分かりにくく、誤申告のリスクが高いため重要です。
DeBank、Zapperなどのポートフォリオ管理ツールを使い、取引日や価格、数量、ガス代を定期的に記録・バックアップしておきましょう。

WBTCを運用したい方に

記事の監修

各務 貴仁各務 貴仁
株式会社CoinPost 代表取締役CEO、株式会社SUDACHI Tech 代表取締役、一般社団法人WebX実行委員会 理事。
2017年に日本最大(2024年現在)の暗号資産・Web3メディアCoinPost、2023年よりグローバルカンファレンスWebXを立ち上げる。また、次世代テックを活用した福祉事業Wave3やWeb3に特化した開発支援事業SUDACHI Techも展開する。
2024年には、経済産業省「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」にて有識者委員として選任される。