
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+8.9%の1BTC=82,350ドルに。
主要アルトコインも全面高となった。

ドナルド・トランプ大統領は、75カ国以上に対する相互関税の90日間の一時停止措置を発表し、即時発効により一般関税率を10%に引き下げた。
トランプ大統領は、「75カ国以上が米国代表に交渉を要請した。貿易障壁や関税といった問題について協議する意思を示したことを踏まえ、私は90日間の一時停止を承認した。これは即時発効であり、一般関税は10%に引き下げられる」と説明した。スコット・ベッセント財務長官も「この戦略は、世界規模での交渉力強化を目的としている」と強調した。
これを受け米株市場は急反発。暗号資産(仮想通貨)も大幅反発した。これまで米中貿易戦争の激化が株式や暗号資産(仮想通貨)市場などのリスク資産全般に多大な売り圧力をかけていたが、市場心理の改善につながったためだ。
一方、事実上の緩和措置からはメキシコとカナダが除外され、中国に対する関税は125%に引き上げられる強硬策を維持した。
米中貿易摩擦においては報復合戦によるエスカレーションが懸念されるため、今後も予断を許さない展開となりそうだ。一部のアナリストの指摘によれば、中国に対する関税強化は中国資本の動きに影響を与える可能性があり、資本逃避の手段としてビットコインが選ばれる可能性もある。
これらの決定は米国の貿易政策の大幅な再調整を意味し、中国への圧力を維持しながら世界中の貿易相手国との交渉を強化することを目的としているものと見られる。
前向きな兆候
仮想通貨市場の好材料のひとつに、米規制当局の前向きな兆候が挙げられる。
米上院は9日、ドナルド・トランプ大統領が証券取引委員会(SEC)委員長に指名したポール・アトキンス氏の承認を可決した。アトキンス氏は今後、デジタル資産の規制枠組み作りに着手するとみられており、仮想通貨業界にとって新たな局面を迎えることになる。
民主党から共和党への政権交代に伴い、強硬的な仮想通貨関連企業への提訴や規制強化で批判を浴びてきたゲイリー・ゲンスラー委員長は退任し、マーク・ウエダ氏が委員長代理として指揮を執っていた。
アトキンス氏は先月の上院銀行委員会公聴会で、仮想通貨を念頭にデジタル資産の規制枠組みの構築を最優先事項とする方針を明らかにした。これまでとは一線を画す大きな転換を意味している。
2002年から2008年までジョージ・W・ブッシュ政権下でSEC委員を務めた経験を持つアトキンス氏は、2009年にコンサルティング会社パトマック・グローバル・パートナーズを設立。同社は銀行、仮想通貨取引所、DeFiプラットフォームなどの金融機関を顧客に持ち、デジタル資産分野での知見が豊富とされる。
ゲンスラー前委員長の退任後、SECはすでに仮想通貨政策の転換を進めている。物議を醸していた仮想通貨会計ガイドラインの撤回や、主要な仮想通貨業界関係者に対する執行措置の取り下げなどが行われた。さらに仮想通貨タスクフォースも設置され、業界との対話も進んでいる。
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