Ethereum 情報（日本語要約）

Ethereumの次期アップグレード「Fusaka」は、2025年末のメインネット実装に向けて最終段階に入った。2025年10月1日からHoleškyテストネットでアップグレードが順次実行されており、メインネットの日程はテストネットの成功後に決定される。また、開発チームはFusakaに伴い、ガスリミットを6,000万以上に引き上げることを目指している。さらに、その次のアップグレード「Glamsterdam」では、ePBSとBlock-level Access Listsが主要機能として選定されている。

Ethereum Foundationは、プライバシー関連の取り組みを強化するため、新しいリーダーシップ体制を発表した。Igor Barinov氏が「Privacy EF」のコーディネーターに就任し、戦略と全体的な整合性を統括する。また、Andy Guzman氏が応用暗号技術・開発をリードする「PSE 」チームのコーディネーターに就任した。この体制は、Private Reads、Private Writes、Private Provingの3つの柱を中心に、Ethereum上でのプライバシーを大規模かつ実用的に展開することを目的としている。

Ethereumは、スケーリングロードマップにおける主要な次期アップグレード「Fusaka」のテストネット起動スケジュールを発表した。Fusakaの目玉は、PeerDAS (EIP-7594)の導入で、これは完全なBlobダウンロードを不要にすることで、L2のためのBlobスループットを大幅に向上させる。最初のテストネットは10月1日にHoleskyで開始され、その後、Blobパラメータのみを調整する段階的なフォークが予定されている。

Devconチームは、11月にブエノスアイレスで開催されるEthereumのワールドフェアを発表した。このイベントは、DeFi、AI、ゲーミングなど、8つの主要な分野に分かれた「地区」で構成され、Ethereumの革新を体験できる場となる。参加者は、分散型アプリケーションを実際に試したり、開発者と交流したりすることで、Ethereumの最先端に触れることができる。

Ethereumの次期アップグレード「Fusaka」の脆弱性を発見するため、200万ドルを懸賞金とした監査コンテストが開始された。このコンテストは、GnosisとLidoが共同でスポンサーを務め、セキュリティプラットフォームSherlock上で4週間にわたって開催される。コンテストの目的は、アップグレードがネットワークに影響を与える前に、コードを徹底的に精査し、脆弱性を発見することだ。報告された脆弱性には、最初の2週間で高い倍率の報酬が適用される。

GnosisとLidoの共同協賛、Sherlockの主催により、Ethereumの「Fusakaアップグレード」の脆弱性を発見する200万ドル規模の監査コンテストが開催される。この4週間のコンテストは、Gnosisから10万ドル、Lidoから2万5000ドルの資金提供を受けており、脆弱性をネットワークに影響が及ぶ前に見つけることが目的となる。また、コンテストの序盤に発見された有効な脆弱性には、2倍や1.5倍の報酬ポイントが付与される。

Ethereumのテストネット「Holešky」がサービス終了することが発表された。2023年にローンチされた同テストネットは、大規模なバリデーター操作や「Pectra」を含むプロトコルアップグレードのテストに貢献してきた。しかし、バリデーターの退出プロセスが長期化したため、新たなテストネット「Hoodi」が2025年3月に立ち上げられた。今後はHoodiがバリデーターおよびステーキングプロバイダーのテストに使用され、アプリケーション開発者には引き続き「Sepolia」が推奨される。

EthereumのテストネットであるHoleškyが、予定通りシャットダウンされることが発表された。2025年3月にローンチされた新しいテストネットHoodiへの移行が推奨されており、Holeškyのほとんどのバリデータノードは、Fusakaアップグレードのファイナライズ後に停止される。今後は、アプリケーション開発にはSepolia、バリデータのテストにはHoodi、軽量なテストにはEphemeryが使われる。

Ethereum財団の研究開発チームは、ユーザー体験を向上させるため、相互運用性に注力している。彼らは「Intent-based architecture」と「general message-passing」に焦点を当て、セキュリティを確保しながら遅延とコストを削減することを目指している。具体的には、Open Intents FrameworkやEthereum Interoperability Layerを開発し、取引の複雑さを抽象化し、さらにL1の確認時間短縮やL2の決済時間短縮といったプロトコルレベルの改善も進めている。これらの取り組みは、Ethereumのエコシステム全体でシームレスかつ安全な体験を実現することを目的としている。

Ethereum財団のエコシステム・サポート・プログラム（ESP）は、より効率的な支援を目指し、新たな章へと移行することを発表した。これに伴い、一般助成金の申請受付を一時的に停止する。今後は、受動的なモデルから、より能動的に戦略的なイニシアチブに焦点を当てるモデルへと移行し、開発者ツールやインフラ、リサーチといった分野の公共財をより良く支援していく。

Ethereumの研究開発チームは、ユーザー取引体験向上に焦点を当て、相互運用性とメッセージパッシングの改善に取り組んでいる。主な取り組みは、インテントベースのアーキテクチャや、高速なクロスチェーンメッセージングの実現に集約されている。具体的には、「オープンインテントフレームワーク」や「Ethereum相互運用性レイヤー（EIL）」などのプロジェクトを進め、レイテンシーとコストを削減し、セキュリティとトラストレス性を向上させることを目指している。

Ethereumは、L2システムのスケーラビリティを向上させるため、プロトコルのアップデート計画「Blob Scaling」を公表した。FusakaネットワークアップグレードでPeerDASを導入し、ノードがデータの一部のみをダウンロードする「データ可用性サンプリング」を可能にすることで、ブロックごとのデータ量（blob）を6から最大48へと拡張する。さらに、将来的なGlamsterdamアップグレードや、その間の非破壊的な最適化を通じて、段階的なスケーリングを進めていく方針だ。この取り組みは、L2の普及と、リアルタイム決済やDeFiといったユースケースの実現を加速させることを目的としている。