
大幅引き上げ
ロイターの報道によると、インドネシア財務省は30日、8月1日から仮想通貨取引の税率を大幅に引き上げることを発表した。
国内取引所での売却時税率は従来の0.1%から0.21%に、海外取引所では0.2%から1%へと5倍に増税される。東南アジアの経済大国として仮想通貨投資が急速に拡大する中、税収確保と海外流出抑制を狙った措置とみられる。
同国の仮想通貨市場は2024年に取引額が前年比3倍の650兆ルピア(約5.8兆円)に達した。利用者数も2,000万人を超え、株式市場の投資家数を上回る規模となっている。一方で買い手への付加価値税(VAT)は廃止され、マイニング事業のVAT税率は1.1%から2.2%に引き上げられた。
バイナンス系のトコクリプト取引所は制度変更を歓迎しつつ、企業の調整期間確保を要請した。同社は仮想通貨が商品から金融資産へと位置づけが変わったことを評価する一方、海外プラットフォーム取引への監視強化の重要性を強調。新税率は株式投資のキャピタルゲイン税率より高いため、業界革新への財政インセンティブも求めている。
一方、日本では業界団体のJCBA・JVCEAが30日、2026年度税制改正要望書を金融庁に提出した。現行の総合課税(最高約55%)から20%の申告分離課税への変更を最優先項目として掲げており、仮想通貨の種類やウォレット形態を問わず一律適用を求めている。
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