ステーブルコイン事業で企業に助言
決済大手のVisa(ビザ)は15日、銀行や企業のステーブルコイン戦略構築を支援する「ステーブルコイン・アドバイザリー・プラクティス」を立ち上げた。
ステーブルコインを自社製品や業務にどのように組み込むかを検討している組織に対して、トレーニング、市場分析、戦略策定、導入に関する実用的な推奨事項や技術サポートを提供するとしている。
ビザは、ステーブルコインの時価総額が2,500億ドル(39兆円)を超えたと指摘。ステーブルコインの普及と安定性の向上、新たな規制基準が出現していることを背景に、一連のサービスを提供すると続けた。
米国では、7月にステーブルコイン規制を明確化するジーニアス法が成立した。成立から18か月後、または規制当局が施行関連規制を承認してから120日後に発効することになる。規制明確化により、ステーブルコインへの参入を検討する企業が増えているところだ。
関連:米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
このアドバイザリー・サービスの最初の顧客には、ネイビー・フェデラル信用組合、Pathwardなどが含まれる。
例えば、ネイビー・フェデラル信用組合の上級副社長マット・フリーマン氏によると、同組合は、世界約1,500万人の会員を対象とした決済戦略にステーブルコインをどのように組み込むかを検討しているところだ。
ビザのコンサルティング&アナリティクス担当グローバルヘッド、カール・ルッツスタイン氏は「今日のデジタル環境において、包括的なステーブルコイン戦略を持つことは極めて重要」だと述べた。
この分野がかつてないスピードで進化する中で、顧客が機敏性と競争力を維持できるよう支援できることを誇りに思うとも続けている。
ビザは、すでにステーブルコイン事業を本格的に進めているところだ。2023年時点で、USDCを用いたステーブルコイン決済の試験運用を開始。現在、40か国以上で130以上のステーブルコイン連動型カード発行プログラムを展開している。
さらに、カード番号やウォレットを宛先にして送金できるサービス「Visa Direct」の試験運用では、適格な企業がステーブルコインを用いてクロスボーダー決済用の資金を準備し、個人のウォレットに直接支払うことを可能にする見込みだ。
ステーブルコインには、コスト削減、業務効率の向上、決済時間の短縮が期待されている。
英大手スタンダード・チャータード銀行(SCB)は昨年、ステーブルコインは「仮想通貨初のキラーアプリ」となる可能性が高いと指摘するレポートを発表した。
近年は仮想通貨に関連しないステーブルコインの採用事例が「安定的かつ構造的に成長」していると指摘。将来的には米国のM2(現金と預金の合計)取引の10%を占める可能性があるとの予想を示した。
関連:「ステーブルコインは最初のキラーアプリ」=スタンダード・チャータード銀レポート



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