「ジーニアス法」の規則案に取り組み
米連邦預金保険公社(FDIC)のトラビス・ヒル代行議長は、下院金融サービス委員会で2日に行う証言の内容を公開。ステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用枠組みのための規則案を12月下旬に公表する予定だとしている。
また、2026来年初頭にはFDIC監督下の決済用ステーブルコイン発行者に対する、ジーニアス法の要件を実施するための規則案を公表する計画だとも続けた。その他、資産トークン化や暗号資産(仮想通貨)業界のデバンキングについての対応も説明した。
ジーニアス法は今年7月に成立。成立から18か月後、または規制当局が施行関連規制を承認してから120日後に発効することになる。業界では、同法がステーブルコインの規制を明確化することで、その採用を後押しすると期待されているところだ。
11月には、サークル社やコインベースなども「ジーニアス法」の施行に関する要望を提出した。利子支払い禁止規定はステーブルコイン発行者にのみ適用され、間接的な報酬を提供する仮想通貨取引所などには適用されないようにすることなどを求めている。
FDICは、決済用ステーブルコインの発行を承認された預金取扱金融機関(IDI)の子会社に対して、ライセンス付与および監督を行う。
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ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
FDICのトラビス・ヒル代行議長は、トランプ政権のデジタル資産市場作業部会の勧告も検討していると表明した。作業部会は、資産や負債のトークン化を含め、銀行が行うことができる活動を明確化または拡大することを推奨している。
他に、トークン化預金の規制上の明確性を高めるためのガイダンスも策定中だと続けた。トークン化預金とは、銀行が発行し、顧客の預金によって直接裏付けられるデジタル資産だ。法定通貨などの価値を追跡するステーブルコインとは仕組みが異なる。
仮想通貨業界に対する銀行サービス制限について
ヒル氏は、仮想通貨業界へのデバンキング(銀行サービスの剥奪)問題についても対処していることを確認した。
背景としては、バイデン政権下で仮想通貨業界に対する水面下での銀行サービス制限が行われていたことがある。実際に2月に公開された文書では、FDICも実際に様々な銀行に対して仮想通貨企業の米ドル預金口座を制限するよう指示していたことが判明した。
関連:米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
ドナルド・トランプ大統領は8月、こうした動きを止めるため、仮想通貨業界への「デバンキング」を禁止する大統領令に署名。ヒル氏は、これを受けてFDICもいくつかの措置を講じたと説明している。
FDICとOCC(通貨監督庁)は、検査官が(仮想通貨業界に関与することも含め)レピュテーション(評判)リスクを理由に金融機関を批判すること、または政治的、社会的などの見解を理由に金融機関に口座閉鎖を奨励することを禁止する規則案を告知した。
その他、FDIC監督下の大手銀行に情報提供要請を送付し、銀行の方針と手続きの確認などを行っている。
一方で最近、金融大手JPモルガンが、仮想通貨業界関係者の口座を相次ぎ閉鎖しているとも伝えられるところだ。このことを受けて、大統領令にもかかわらず銀行の業界に対する姿勢が変わっていないのではないかとの疑念も浮上している。
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