- テザー NY司法当局の文書作成要求を公式拒否
- Bitfinexらは10月8日、ニューヨーク州の裁判所の担当判事に新たなレターを提出し、8.5億ドルの不正利用の捜査でNYAGが要求する書類作成を拒否する意思表明を行なった。
テザー NY司法当局の文書作成要求を公式拒否
Bitfinexらは10月8日、ニューヨーク州の裁判所の担当判事に新たなレターを提出、8.5億ドルの不正利用の操作でNYAGが要求する書類作成を拒否する意思表明を行なった。NY司法当局が10月1日に、提出した追加捜査の申立てに応じたものだ。
関連:NY司法当局が裁判の引き伸ばしを懸念 財務書類を再び要求する文書を提出
テザー社・Bitfinex社の親企業であるiFinex社の書類作成に関する経緯は9月24日に出された、NY司法当局(NYAG)に書類を引き渡す必要がないとする控訴裁判所命令が発端となる。
求めるiFinex社の財務書類の引き渡しが必要ないとする判断を受けNYAGは10月2日、4月の業務差し止め命令から同日程までの期間も財務書類の作成に取り組む姿勢を見せなかったiFinex社側の対応を不服とし、捜査の引き伸ばしを防ぐことを理由に、裁判所による財務書類作成・提出の命令を再び要求した。
今回公開されたiFinex社のレターでは、裁判所の判断を貫く必要性を訴える形で、NYAGの要求を取り下げるべきだとする内容を記述。NYAGが主張する「iFinexらが書類の作成を意図的に遅らせている」との主張に対して、「ミスリードであり、我々の申立てを侮辱している。」と主張した。
また、NYAGが、iFinexが裁判所に提出した70,000ページにおよぶ書類をなかったものとして、新たな文書の要求をしているとの説明を行なった。
(NYAG側の詳しい主張は明らかになっていないが、iFinexが提出した70,000ページの書類では、補完できていない内容、または捜査に必要な内容が記述されていない可能性があり、新たな財務書類の提出を求めていると考えられている。)
4月より開始したテザー裁判で、これまで両側が書類提出や管轄権の有無を巡り争ってきているが、未だ決着がつかずにテザー社は今後の審理にかかる期限として「最低でも2020年4月には続く」としている。
NYAGとの裁判の他、テザー社とBitfinex社は昨日、USDTの発行で仮想通貨の相場を操縦していたとして集団訴訟を起こされている。新たな訴訟申立てもNY州地方裁判所に提出された。
原告側は、テザー社らが仮想通貨という技術の名目を謳って入り組んだスキームで投資家をだまし、市場を操縦、そして違法行為を隠蔽している、と指摘し、被害総額が1.4兆ドル(150兆円相当)を超えていると主張している。