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日本銀行『プロジェクト・ステラ』、ブロックチェーンと決済インフラの未来探究の模様を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本銀行決済機構局、「プロジェクト・ステラ」
日本銀行決済機構局は、FIN/SUMのワークショップ「プロジェクト・ステラ:DLTと決済インフラの未来の探究」について、フェーズ3報告書とパネルディスカッション内容を公開した。

日本銀行、「プロジェクト・ステラ」

日本銀行の決済機構局FinTechは8日、日本経済新聞社・金融庁主催のFIN/SUM 2019における、ワークショップ「プロジェクト・ステラ:DLTと決済インフラの未来の探究」について、ステラ・フェーズ3報告書などの公式資料とパネルディスカッション内容を公開した。

プロジェクト・ステラ(Project Stella)は、2016年12月に日本銀行と欧州中央銀行が立ち上げた、分散型台帳技術(DLT)の金融市場インフラへの応用可能性に関する共同調査プロジェクトのことだ。

プロジェクトステラのプロジェクトリーダーを務める日銀決済機構局の岸道信氏は、プレゼンテーションの中で、「日銀の決済システムを取り巻く技術環境は劇的に進化しているため、DLTを直接採用するかどうかはさておき、深く理解する必要がある」との危機感から調査を開始したと強調した。

金融市場インフラには、金融機関相互間の内国為替取引をオンライン処理するシステムを運用する「全銀ネット(全国銀行資金決済ネットワーク)」や日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム)、海外では欧州中央銀行(ECB)の大口決済システムのRTGシステムが存在する。

各フェーズと調査内容

ワークショップは、2017年から以下の3フェーズに渡って行われており、例えば2017年に行われたフェーズ1では、「銀行間資金決済システムの擬似環境」を用いることで、技術の有効性や課題を評価。スマートコントラクトを用いて、日銀ネットなどの流動性説宅機能を組み込むことができるかを確認した。

DLTを資金決済システムに応用する可能性について前向きに捉えるに値する検証結果が得られたとしている。

フェーズ 期間 内容
Ph.1 2017年9月 効率性・安全性の観点から、DLTを評価する
Ph.2 2018年3月 「証券と資金の同時決済」の可能性
Ph.3 2019年6月 クロスボーダー送金における支払いの同期化

フェーズ3

今年6月までに行われたフェーズ3では、「クロスボーダー送金における支払いの同期化」について検証。

クロスボーダー送金(異なる通貨圏への送金)は、複数の法域を跨いださまざまな期間が関与するため、国内送金と比べて時間とコストが掛かっている。他方、送金の安全性の観点からは、複数の台帳を経由することに伴う課題が残るなどと現状の問題点を指摘した。

そのほか、クロスボーダー送金には、中継銀行の破綻などの信用リスクが存在するが、円やユーロなど複数台帳間の送金がハッシュ関数を同期して行われれば、リスクは軽減され得ると言及。

処理性能からみた効率性の評価では、RTGSサービスのうち実験の対象となった部分については、DLTによって、現行の大口資金決済システムが求めるパフォーマンスとほぼ同等の水準を満たす可能性があるとした。

フェーズ3では、「DLT台帳と中央集権型台帳間」といったように、異なる種類の台帳間の支払を行う際に用い得る支払方法を、いくつか取り上げたうえ、安全性の観点を重視しつつ、分析(実験を含む)。

資金を固定しながら一連の支払を同期化できる支払方法を利用することにより、現在普及しているクロスボーダー送金スキームの安全性を技術面から改善することが可能であることを示唆している。

日本銀行決済機構局の北條氏は、FIN/SUM 2019のパネルディスカッションにて、「日本銀行の中でDLTを決済インフラとしてどのように使えば良いのか?技術面とビジネス実現の両面から検討を進めている。」としている。

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