軍事関連企業、仮想通貨開発者を募集
世界最大の防衛請負業者の1つである米BAE Systemsが、「仮想通貨開発者」の求人募集を行っていることがわかった。
大手求人SNSサイト、LinkedInに掲載された求人情報によれば、仮想通貨に関する技能習熟者で、米ワシントンで「クライアントの運用要件をサポート」できる候補者を募集している。
BAE Systems Inc.は、米国国防総省の最大の請負業者の1つであり、軍事用ハードウェアと高度なエレクトロニクスおよび技術ソリューション、また民間システムのサポートなどを提供している企業だ。
候補者の資格としては、認定されたビットコインの専門家であるか、仮想通貨について相応の知識を持っている必要がある。
例えば、楕円曲線アルゴリズムやゼロ知識証明の専門知識、またスマートコントラクトの脆弱性を分析する実践的な経験などが含まれている。
その他には、暗号通貨がソースコードレベルでどのように機能するか、プライバシーコインやウォレットの種類などが列挙されており、様々な知識が問われるようだ。
またインテリジェンスコミュニティへの精通や運用サポートの経験も必須である。
軍事部門でブロックチェーンに需要高まる
米国に拠点を置く、他の軍事関連組織も、ブロックチェーン技術に注目している。
ごく最近、カリフォルニアに拠点を置く米国海軍の研究グループであるNaval Air Warfare Centerは、安全なメッセージングプラットフォームを活用するために、ブロックチェーンソフトウェアのスタートアップSimba Chainに1000万ドル(約11億円)近くを寄付した。
また米国空軍も昨年サプライチェーンを強化し、データを再配置する新しい技術を検討するため、Simba Chainに業務を依頼していた。
米国国防総省(DoD)は、2019年7月に「DoDデジタル近代化戦略:DoD情報リソース管理戦略計画FY19–23」というタイトルの4年間のロードマップを発表、ブロックチェーン技術についても計画に組み込んだ。
その際には、仮想通貨やブロックチェーン技術において目覚ましい役割を果たした分散型コンセンサス技術は、国防総省が保有しているものも含む、重要なデータストレージや計算タスクのセキュリティや柔軟さを向上する上で大きな可能性を持っていると述べた。
また米国の規制当局も、仮想通貨の分析について関心を高めており、ブロックチェーン技術を提供する企業との契約を多く行っている。
ブロックチェーン分析会社の一つであるChainalysisは、10件の契約を連邦政府と結び、2019年に1000万ドル(約11億円)以上を得ている。
参考:Linkedin