はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

大規模QE4でビットコインに好転の兆し、新局面を迎える仮想通貨市場

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

米FRBによる無制限「量的緩和」のサプライズを受け、ビットコイン(BTC)は一時800ドル幅上昇、その後米株市場の急落に引きずられる場面があるも、明け方にかけて大きく持ち直した。

量的金融緩和政策(Quantitative easing、QE)とは、金利引き下げではなく、市中銀行が保有する中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う金融政策だ。

米連邦準備理事会(FRB)は23日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加の大規模量的緩和を発表。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れを無制限とする異例の措置となる。

中小企業向け融資を担保とする資産担保証券(ABS)の買い入れ措置も決定、米財務省と連携し、企業向けに最大3000億ドルの資金供給制度も新設することに決めた。市場の動揺を抑え、景気を下支えする狙いがある。

パニック相場における換金需要

背景としては、コロナショックに伴う株価暴落のみならず、リスク資産以外も投げられる「Flight to cash(現金への逃避)」の流れが加速していたこともある。

15日の量的緩和の再開で、米国債5000億ドル、MBS2000億ドルの買い入れを発表したものの、株式の暴落で株の信用取引をしていた個人投資家による「追証回避」売りが過去最大規模にまで膨らんだほか、資金繰りが厳しくなることを見越した企業も現金化を加速。これまで安全資産とされ、リスクオフで買われていた金(Gold)や米国債(U.S. Treasuries)まで大幅に売り越しが行われた。

実体経済へのダメージが深刻化するとの判断に伴う市場心理の急悪化を受け、長期保有の年金基金や政府系ファンドも米国債の運用配分を減らし、民間金融機関の保有国債売却が相次ぐなど、不測の事態に備えた”現金化”の流れに歯止めが効かなかったと言える。

試されるビットコインの真価

欧米での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、経済活動停滞への懸念は根強い。 無制限量的緩和の発表を受けて米ダウ市場は一時急騰するも、すぐに反転して売り優勢に傾き、終値は前週末比582ドル安の18,591ドルまで続落している。

そのような状況にある中、ビットコイン(BTC)市場は、直近の値動き同様に株式市場と完全相関することなく、前日比12.1%高の6630ドル(73万円)と大幅上昇してみせた。

かつての”金融危機”を機に誕生した、ビットコイン(BTC)の真価が試されている。

最初に生成されたジェネシスブロックには、『Chancellor on brink of second bailout for bank』の文字が刻まれており、伝統金融のアンチテーゼでもあるからだ。

インフレ局面では、希少性の高い金やプラチナなどの「貴金属」は、値下がりしにくい資産だとされる。量的緩和に伴うインフレーションで物価が上昇すれば、相対的に現金(預貯金)の価値が目減りする懸念があることなどから、デジタル・ゴールドの性質を有するビットコイン(BTC)がこれに追従した可能性もある。

金のチャート

投資家の不安心理を投影するVIX指数は、16日にリーマン・ショック時のピークに匹敵する82.5%に達していたが、24日時点で61.5%まで低下。債券(10年物米国債)も上昇しており、換金売り需要の一服を示唆している。

新型コロナウイルスの世界的なアウトブレイクで、各国はエリア封鎖や渡航制限などの強硬手段で封じ込めに躍起となるも、治療薬・ワクチンの完成には最短一年程度を要するとされ、現時点では終息の気配が見えない。今後露呈する雇用統計やGDPなど、各種経済指標の劇的な悪化を市場がどこまで織り込んでいるかは未知数であり、仮想通貨市場も引き続き予断は許さない。

しかしながら、換金需要の一巡および量的緩和本格化で、株価暴落時の相関性が再び低下し、逆行するような値動きが認められるようになれば、ビットコインがビットコインたる所以を再確認できるかも知れない。

CoinPostの関連記事

ビットコイン半減期まで2ヶ月:中国仮想通貨マイナー再び優位に 超高性能のマイニングマシンが完売
最大手マイニングマシンメーカーのBitmainは23日、最新版ビットコインマイナーの「Antminer S19」が販売開始当日に完売したことを伝えた。半減期に向けて、中国の仮想通貨マイナーが再び台頭する可能性がある。
歴史的な採掘難度下落予想の仮想通貨ビットコイン、米株市場との30日相関が過去最大に
新型コロナの影響で米失業者数が平時の10倍となる200万人規模に達するとの試算もある中、仮想通貨ビットコインとS&P500の月間相関が過去最大規模に達した背景は。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧