はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

強気相場の原動力?「イーサリアム基盤のForsageは典型的なマルチ詐欺」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

詐欺が強気相場を創出する?

「歴史的に仮想通貨における強気相場の原動力は鼠講だ。」

暗号資産投資持株会社「Primitive Ventures」の共同創設者で、米中両国の仮想通貨事情通のDovey Wanはそう指摘する。

2016年から2017年にかけての「MMM」詐欺、2018年に開始し今年7月に主謀者全員が逮捕された「PlusToken」詐欺、そして現在、フィリピンを中心に世界で進行中の「Forsage」(イーサリアムベース)をWanはリストアップした。さらに仮想通貨市場に新たな巨額の資金流入と買い圧力をもたらす鼠講的詐欺を追跡することが、最高のマクロ戦略となると彼女は主張する。

フィリピン規制当局が警告するFosage

Fosageは今年2月に開始されたイーサリアムベースのマルチ商法による投資スキームの一つ。7月にはフィリピンの規制当局である証券取引委員会(SEC)が、公式に警戒を呼びかけている。

Fosageはイーサリアム・ブロックチェーンのスマートコントラクトにより、投資家が継続的に利益を得ることができると謳っているが、SECはこのスマートコントラクトは投資契約と同義であり、有価証券にあたると判断している。そのため、SECへの登録と承認が必要となるが、ForsageはSECに登録されておらず、取引に有効なライセンスも取得していないとのことだ。また、中央銀行に登録されている仮想通貨取引所のリストにも含まれていないと指摘されている。

しかし、SECは無許可であること以前に、Fosageの報酬スキームは、投資家が新規投資家の出資金によって支払いを得る鼠講に類似していると警告している。

Fosageへの参加方法

Fosageは、MetamaskウォレットかTrustWalletを作成し、0.05ETHを入金し、ポジションを購入することで参加が可能になる。トランザクション承認後、Fosageのスマートコントラクトに接続、ETHの送受信が可能になる。参加者の下に3つのスロットがあるFosage3プラットフォーム、もしくは4つのスロットがあるFosage4プラットフォームがあり、このスロットを新しい参加者を誘い込んで埋めること(ETHを入金すること)で、紹介者が収入が得られる仕組みだ。参加者はピラミッドを築き上げるように、自分の下にくるスロットを増やすことで、より多くの収入を得ることができる仕組みになっている。

イーサリアムとスマートコントラクトを使用して、メンバーによるP2P決済はできるだろうが、Forsageは単に分散化された鼠講、つまりDeFi詐欺だとSECの投資家保護部門担当者は述べている。

Fosageの手口

公式ウェブサイトによると、Fosageとは「国際的な次世代クラウドファンディングプラットフォーム」と定義され、「史上初のイーサリアム・スマートコントラクトを基盤としたマトリックスマーケティング」だとのこと。そして、サイトにはテクニカルなバズワードをちりばめた次のような誇大広告が目に付く。

  • ゼロリスク:イーサリアムブロックチェーン上のスマートコントラクト開発による
  • 即時決済:報酬は直接個人のウォレットへ
  • 条件の不変性(immutability):スマートコントラクトによるP2P支払い
  • 透明性と匿名性:スマートコントラクトは公開されている
  • 分散化:中央管理者はいない。クリエーターは存在するが、他の参加者と対等な立場

そして、Fosageの開発者については、特定の個人やチームの名前は見当たらず、そのコンセプトは「特別な特権を持たない仮想通貨愛好家のグループ」に属しており、現在、FosageはプラットフォームメンバーによるP2Pのコミュニティだという。

なお、フィリピンSECによると代表者はLado Okhotnikov で、OkhotnikovはForsageのイベントをはじめ、2万人のチャンネル登録者を持つ公式YouTubeでもプロジェクトの状況などを自ら解説している。Okhotnikovによると、Forsageの参加者はわずか数ヶ月で80万人以上に到達したという。

イーサリアムの入金額が減少

しかし、Dovey WanはFosageは継続しているものの、新たな資金流入に陰りが見えていると指摘している。そして、新しい資金の流れが止まると、鼠講は機能しなくなる。

あいにく、Forsageはイーサリアムネットワークにおいて、ここ4ヶ月間、トップ3に入るガス消費量を誇るほどのユーザー数を抱えているため、その動向はイーサリアム相場にも影響を与える可能性がある。

WanはFosageの崩壊は、イーサリアム相場の変調を引き起こす可能性があるため、注意深く観察していると述べている。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/19 月曜日
18:00
Bitcoin革命、ZK技術で実現するBitcoinOSのアプローチ
ビットコインの可能性を広げるBitcoinOS(BOS)は、ZK技術を活用してビットコインのコードを変更せずにスマートコントラクト機能やスケーラビリティを実現。BitSNARK、Grailブリッジ、xBTCなどの革新的プロダクトで、ビットコイン中心の統合エコシステムを構築。
17:15
リミックスポイント、最大56億円を調達へ 44億円でビットコイン買い増し
リミックスポイントがEVO FUND向け新株予約権で約56億円を調達。44億円で仮想通貨ビットコイン買い増し、12億円をWeb3バリデーター事業に投資へ。
16:50
変わるWeb3業界の投資地図 今注目のVC3社が語る「実需とインフラ」重視の新戦略
TEAMZ WEB3 AIサミットで取材したC² Ventures、DFG、Jsquareの3社が語るWeb3投資の現在地。実需・収益性・規制対応を軸に見極めが進む中、インフラやAIへの関心、そしてアジア市場の可能性にも注目が集まる。
15:05
アーサーヘイズが今夏以降の「アルトシーズン」再来の見通し 年末までにビットコイン2.5倍予想も
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨の強気相場を予測、今夏を目処にBTC20万ドルへの上昇とアルトシーズン開始を見込む。自身のポートフォリオは20%を金(ゴールド)に配分し「最終的に1〜2万ドルまで上昇」と展望する。米国債務拡大がビットコイン高騰の追い風になると分析した。
14:15
中国系上場企業DDC、5000BTC保有目標のビットコイン準備金戦略を発表 
米国上場の中国系食品企業DayDayCook(DDC)が、ビットコインを戦略的準備金として3年間で5,000BTCの蓄積を目指す計画を発表した。同社は、すでに100BTCを購入済みで、2025年末までに500BTCの取得を目指す。一方、中国の仮想通貨規制をいかに回避するかにも注目が集まる。
13:22
メタプラネット、151億円でビットコイン追加購入 保有数7,800 BTCに
メタプラネットが約151億円で暗号資産ビットコイン1,004BTCを追加購入。保有総数は7,800枚に拡大。5月の資金調達・債務償還の経緯も紹介。
11:40
過去最高値目前のビットコイン、迫るゴールデンクロスが中・長期の買いシグナルを示唆
ビットコインは投資家が重視する50MAと200MAのゴールデンクロスによる買いシグナルが形成間近に。米国債格下げでドル安圧力も追い風にとなるか。トランプ米政権の貿易・関税政策とインフレ懸念がのヘッジ需要を高める可能性が指摘される中、さらなる上昇を示唆する。
11:11
CMEグループ、XRPの先物取引を本日より提供開始へ 
米CMEグループが本日より暗号資産(仮想通貨)XRPを先物取引サービスを開始する。機関投資家の参入機会の拡大とリップル社とSECの裁判の和解進展状況も含め、その背景を解説。
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧