はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ベネズエラ:仮想通貨に価格連動させる新法定通貨を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

石油にペッグする仮想通貨にペッグする法定通貨
ベネズエラのMuduro大統領は、新通貨ソブリン・ボリバル(ボリバル・ソベラノ)の流通を8月20日から開始することを発表した。新通貨は、現在の法定通貨ボリバル・フエルテの単位を5桁切り下げるデノミを行い、さらに石油価格と政府の信頼性で価格決定する仮想通貨”ペトロ”にペッグする通貨となる予定。

石油にペッグする仮想通貨、にペッグする法定通貨

独裁色を強める南米ベネズエラのマドゥロ政権に対する、米国などの経済制裁を受け、深刻な経済不況に陥っているベネズエラで、仮想通貨”ペトロ”にペッグする新しい法定通貨の流通が8月20日から開始されると発表されました。

仮想通貨ペトロとは石油の埋蔵量が豊富なベネズエラ政府が発行する仮想通貨です。

価格は石油価格と政府の信頼性によって決まるとなっているようですが、不明瞭な部分も多くあります。

新通貨ソブリン・ボリバル(ボリバル・ソベラノ)は、現在の法定通貨ボリバル・フエルテの単位を5桁切り下げるデノミを行い、さらに石油価格と政府の信頼性で価格決定する仮想通貨”ペトロ”にペッグする通貨となる予定です。

ペッグとは

ペッグとは、為替レートを一定に保つということです。米ドルにペッグしている通貨を保有することは、米ドルをデジタル化して保有していることと同じになります。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

地元のニュース放送局teleSURによると、ベネズエラ大統領Nicolas Maduro(以下、Maduro大統領)はソブリン・ボリバルの流通、発行によって経済の再転換が始まると発言しています。

Maduro大統領は「抜本的な方法で、国の財政、金融状況を変革し、安定化させる」ことを考えており、「生産的で、多様性に富み、そして持続可能な経済モデルが必ず誕生する」と語っていることから、今回の措置に大きな期待を抱いていることが分かります。

仮想通貨ペトロに関しては、以下のように強気な発言を繰り返しています。

「最終的には、技術的にも、金融的にも強固なものになる」

「国内外の経済活動に普及する」

「ベネズエラ経済のあるべき姿についての正しいビジョンが見えている、私たちでそれを実現しよう」

ベネズエラのハイパーインフレ

今回の措置は、ベネズエラのハイパーインフレに対応するためのものでもあります。

ベネズエラでは月に2倍のペースで物価上昇が続き、6月時点で、インフレ率は4万6000%でした。

当初、1000ボリバルを1ソブリン・ボリバルに切り替える予定していましたが、IMF(国際通貨基金)が、同国の物価上昇率が年内には100万%に達すると発表したことから、この上昇の加速に対応しきれないと判断し、10万ボリバルを1ソブリン・ボリバルにする、としました。

IMFは、ベネズエラの現状は1923年のドイツや2000年代後半のジンバブエに似ていると指摘しています。

1923年ドイツではパン1個が1兆マルク(当時のドイツの通貨)まで物価が上昇し、2009年ジンバブエでは、中央銀行が1兆ジンバブエ・ドルを1ジンバブエ・ドルに切り替えたという歴史があります。

インフレの加速と外貨不足により、ベネズエラ国内ではほとんど現金は使われていないため、今回のデノミも、金融システム上では、既存のボリバルと新通貨ソブリン・ボリバルの交換レートを操作するだけで済むと考えられています。

しかし、今回の措置に対し反対意見も上がっており、CNBCによると、議員で経済学者のÁngel Alvarado氏は以下のように発言しています。

「デノミを行ったところで、自体はよくならない。インフレは止まらない」

CoinPostの関連記事

ベネズエラ:インドに対して仮想通貨Petro決済で原油30%OFFを提示
アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏は、アメリカ市民による仮想通貨Petroの購入を禁じ、ベネズエラ国会でも憲法違反に当たると主張。Business Standardでは、Petroが石油に裏付けられていたとしても、それは中央集権的通貨に変わりはないと指摘しています。
仮想通貨初の米国大統領令:ベネズエラ政府発行トークンの取引を米国内で禁ずる
アメリカのトランプ大統領は、マドゥロ政権による、(同国の)民主的に選ばれた国会が非難する、デジタル通貨発行という形をとった合衆国制裁措置を回避するための一連の行動は違法であるとし、ベネズエラ政府発行の仮想通貨である「ペトロ」を米国内で禁止する大統領令を発令しました。

Marcos Salgado

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧