はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Glassnode「FTX崩壊の予兆は5〜6月のオンチェーンデータが示唆」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

データが示す崩壊の予兆

データ分析企業Glassnodeは14日、「FTXの没落」と題したレポートを公開。

「大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻が不可避となる前兆は、今年5月から6月にかけてのオンチェーンデータが示唆していた」と述べた。

レポートでは、4月から5月にかけてピークに達したFTXのビットコイン準備金残高(10.2万BTC)が、6月26日には4.96万BTCへと劇的に減少したと指摘(減少率51.3%)。それ以降準備金は継続的に減少し、FTXへの取り付け騒ぎで事実上ゼロまで減少した。

FTXが保有するイーサリアムもビットコインと同様のパターンを示しており、6月には100万ETHから46.8万ETHへと55.2%半減。さらに11月には取り付け騒ぎで保有量はわずか2,800ETHまで減少した。

「Alameda-FTXの事業体は、LUNA、3AC、およびその他の貸し手の破綻に伴い、5月から6月にかけて実際に深刻なバランスシートの減損を経験していた可能性があることを示している 」と、Glassnodeは主張している。

レポートでは続いて、FTXのステーブルコイン保有量について説明。

10月19日から大幅な減少を見せ、経営破綻後は事実上ゼロになったFTXのステーブルコイン保有量だが、BTCとETHの売り相場となった6月以降、残高が急増し高水準を維持していた。

Glassnodeはこの状況を「バランスシートにある程度の減損が発生し、BTCやETHの担保のためにステーブルコインの交換や貸し出しが必要になったことをさらに示すもの」と説明した。

Glassnodeは以上のようなオンチェーンデータから、5月から6月の時点でFTXには「深刻な亀裂が生じていた可能性が高い」と指摘。「この数ヶ月間は、FTXの崩壊が避けられないことを示す前兆だった」と総括した。

テラ騒動がもたらしたダメージ

今年5月、米ドルに価値の連動するはずのアルゴリズム型ステーブルコインUST(TerraUSD)崩壊を発端に、時価総額上位の関連銘柄テラ(LUNA)が99%以上暴落。これを皮切りに、仮想通貨市場は、多額の投資をしていたThree Arrows Capital(3AC)やCelsiusなど大手企業の連鎖破綻に追い込まれた。

このような状況にある中、業界大手のFTXは、テラ騒動の影響を受けた仮想通貨関連企業の救済を発表するなど業界の「救世主」として振る舞っていた経緯がある。

関連:FTXサムCEOの嘆き「仮想通貨業界の窮地を共に救える企業がない」

しかし11月になると、FTXの姉妹投資企業アラメダ・リサーチの最大の保有資産がFTXのネイティブトークンFTTだったことがリーク記事により判明。

流動性の低いトークンの大量保有や、FTTを担保にした多額の借入などが指摘され、同社の企業価値は大きく揺らぐ。そして、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOがFTTの全売却を発表すると、FTTが暴落。FTXに投資家の出金依頼が殺到し、取り付け騒ぎに発展した。

その後、バイナンスによるFTX買収の可能性も浮上したが、翌日にはバイナンスが「デューデリジェンス結果」を根拠に白紙撤回。FTXは11日、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)にもとづいた破産申請を発表した。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

米規制当局による捜査

ブルームバーグの報道によると、米国政府はすでに数ヶ月前からFTXの調査を行い始めていたようだ。

米ニューヨーク州南部地区の連邦検事事務所をはじめ、SEC(証券取引委員会)やCFTC(商品先物取引委員会)、司法省が調査を行なっており、ジャネット・イエレン財務長官もFTX破綻を含む「仮想通貨市場の直近の動向」について、声明を発表した。

米議会もFTXの調査に動き出し、米下院金融サービス委員会と上院農業委員会は来月、FTXの破綻に関する公聴会を開くと発表している。

関連:米規制機関「数ヶ月前からFTXなど調査」=報道

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧