はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FTXサムCEOの嘆き「仮想通貨業界の窮地を共に救える企業がない」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨業界の「救世主」

大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのSam Bankman-Fried CEO(通称サム)は10日、仮想通貨メディア「Decrypt」のポッドキャストに出演。FTX以外に、窮地に陥った仮想通貨企業の救済を申し出る企業がないと嘆いた。

番組のホストから「仮想通貨業界を支えるアトラス」に喩えられたサム氏は、自ら望んでそうなっているわけではなく、他の人が代わりに引き受けてくれたら嬉しいとコメント。しかし、誰もそうしようとはしないから自分がやるしかなかっただと述べた。

サム氏は業界の他企業にも救済措置での協力を働きかけたが、良い返事がもらえなかったという。

一般的な答えはノーだった。というより、イエスと言ったすぐ後に、「待てよ、あの会社はバランスシートに穴が空いているようだが、管理が不適切だったのでは」と言われた。

いったい何を期待しているのか。なんのために救済を求めていると考えているのか。残念なことに現実は厳しい。救済の動きに同調しようとする人(企業)はあまりおらず、支援の輪が広がらなかったというのが率直に感じたことだ。

この場合、最も大事なのは(これ以上危機的状況が広がることを防ぐために)「穴を埋める」ことであり、他に誰もいないなら自分達がやるしかないし、それが「正しいことだ」と考えたという。しかし、他の企業と負担・リスクを分かち合えるなら、その方がずっと良いと付け加え本音をこぼした。

現在、業界で他社を救えるほどの経済的余力のある企業は限られていると思われる。

FTX

FTXとは、「SBF」の通称で知られるサム・バンクマン・フリード氏が最高経営責任者を務める仮想通貨取引所。主にデリバティブを提供する取引所で、出来高はバイナンスに次ぐ規模だ。最近は、米プロeスポーツ組織「TSM」の命名権を獲得するなど、積極的にプロモーションを行なっている。

▶️仮想通貨用語集

BlockFiのケース

企業を救済するに際して、どのような利点があるのかと尋ねられるとサム氏は、ケースバイケースだと回答。仮想通貨金融サービス企業BlockFiの場合は、バランスシートに「はじめから穴は開いていない」ことに加え、顧客資産へのアクセスも可能で経営が継続できる状態だったと述べている。

一方、破産申請した仮想通貨取引プラットフォームVoyagerやセルシウスの場合、BlockFiとは異なり「塞ぎきれない穴」があり、顧客資産も目減りすることになると指摘した。

関連:FTXサムCEO「救済に値しない仮想通貨取引所もある」

FTXの米国部門「FTX US」は7月、BlockFiに約530億円(4億ドル)の融資枠を提供する契約を締結。資金は適宜、BlockFiのバランスシートやプラットフォームの強化に利用される予定だ。同時に、この契約ではFTX USは、最大2.4億ドルの変動価格でBlockFiを買収できる権利を獲得した。

関連:BlockFi、仮想通貨取引所FTXの米国部門に買収権を付与へ

バイナンスの動き

仮想通貨取引所最大手のバイナンスのChangpeng Zhao最高経営責任者(通称CZ氏)は7月初旬、人気ポッドキャスト「Bankless」のインタビューで、相場の低迷が続く仮想通貨業界をできる限り救いたいと述べ、50社以上と救済策を協議していると明かしていた。

今、現金が手元にある者は自分の役割を果たさなくてはならない。

関連:バイナンスCZ氏「現在50社以上と救済策を協議中」

しかし、これまでのところ、バイナンスは他社と救済契約の締結にまでは至っていないようだ。

CZ氏は同社のブログで、企業やプロジェクトの救済について、「バイナンスに直接的なメリットがなくても、業界最大のプレイヤーの1社として、バイナンスにはユーザーや他のプレイヤーを支援する義務がある。」と主張。一方、設計や管理、運営に問題のあるプロジェクトもあり、全てのプロジェクトや企業が救済に値するわけはないと述べた。

関連:バイナンスのCZ氏、企業救済や現在の市況について見解示す

一方、バイナンスは投資には積極的な姿勢を継続している。直近では、バイナンスのベンチャーキャピタル部門「Binance Labs(バイナンスラボ)」が、ブロックチェーンノードのホスティングソリューションAnkr(ANKR)に戦略投資を行っている。

関連:バイナンスラボ、Ankrに戦略投資

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
06:45
米バンガードが仮想通貨ETF取引を解禁、5000万人超の顧客にアクセス提供へ
ブルームバーグが報じたところによると、世界第2位の資産運用会社バンガードは12月3日から仮想通貨を主に保有するETFとミューチュアルファンドの取引を許可。遂に長年の保守的姿勢から転換。
06:25
米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
下院金融サービス委員会の共和党議員が12月2日、バイデン前政権による仮想通貨業界への組織的な銀行サービス拒否を批判する53ページの報告書を公表した。ストライクCEOの口座閉鎖事例なども議論を呼んでいる。
05:55
ビットコイン8.5万ドル割れ、個人買い増しとクジラ失速が鮮明に=アナリスト指摘
ビットコインは12月1日深夜8.4万台まで続落した。大口保有者の購入鈍化と日銀の植田総裁によるタカ派発言が圧力となり、4億ドル以上の清算が発生。
12/01 月曜日
18:34
日経グループQUICK、ビットコイン指数の算出開始
QUICKは12月1日、円建てビットコイン指数の本格公表を開始した。試験運用から更新頻度を毎日に引き上げ、12月22日からはリアルタイム指数も提供する。暗号資産ETFなどでの利用を想定。
17:07
イーロン・マスク氏「エネルギーこそ真の通貨」、ビットコインは基づくと主張
テスラCEOのイーロン・マスク氏が「エネルギーこそ真の通貨」と主張し、ビットコインはエネルギーに基づいていると説明。一方、著名経済学者やピーター・シフ氏は「本質的価値がない」と批判を続けている。
17:01
政府・与党、暗号資産の分離課税導入を検討へ 調整開始─NHKなど報道
政府・与党が暗号資産投資の分離課税化を巡り調整に入ったとNHKが報道。現行は最大55%の総合課税で、制度見直し議論が年末の税制大綱へ進む見通し。
16:26
「チェーンリンク」の将来性は?トークン化市場に必須インフラ
チェーンリンク(LINK)の将来性を解説。2030年に16兆ドル規模が予測されるトークン化市場で、既存金融とブロックチェーンを接続するオラクルとして80%超のシェアを獲得。SWIFT・J.P.Morganとの提携事例も紹介。
16:00
スイ(SUI)のステーキングで高利率なのは?自分で行う方法と取引所比較
SUIのステーキング方法を徹底解説。取引所(年利最大4.28%)、ウォレット、リキッドステーキングの3つの運用方法を比較表付きで紹介。初心者向けのOKCoin Japanから、Slushウォレットでの自己管理、Haedalでの高度な運用まで、リスクと利回りを考慮した最適な選択をサポート。
15:55
ワールドコインの本人認証方法|マイナンバーカードでWLDを受け取る手順を解説
ワールドコイン(WLD)がマイナンバーカードでの本人確認に対応。World Appでの認証手順を画像付きで解説。所要時間約5分で完了し、Orb認証済みの方も追加のWLDを獲得可能。受け取ったWLDの現金化・運用方法も紹介。
15:43
ソニー銀行、米ステーブルコイン事業化に向けBastionと業務提携 子会社設立も視野に
ソニー銀行が米Bastionと業務提携し、米ドル建てステーブルコインの事業化を推進。日経報道によると2026年度の発行を計画し、ソニーグループの「経済圏」での決済活用を目指す。米国子会社設立とOCC銀行免許取得も視野に。
15:35
Ginco、Babylon Labsと提携「BTCFi 2.0」を推進
GincoがBabylon Labsと提携し、第三者への預託なしでBTCを活用できる「BTCFi 2.0」を日本で推進。業務用ウォレットGEWからBTCステーキングが可能に。
14:26
カザフスタン中銀、仮想通貨投資を計画 最大約470億円規模
カザフスタン国立銀行(中銀)のティムール・スレイメノフ総裁は、金・外貨準備ポートフォリオの一部として、仮想通貨へ最大3億ドルの投資を検討していると発表した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧