FTX USと最終契約を締結
暗号資産(仮想通貨)金融サービス企業BlockFiは1日、大手仮想通貨取引所FTXの米国部門「FTX US」と、今後に向けた最終契約を締結したと発表した。
契約した内容は主に2つあり、1つ目は財政難に直面するBlockFiに対し、FTX USが約540億円(4億ドル)の融資枠を与えること。2つ目は、最大2.4億ドルの変動価格でBlockFiを買収できる権利をFTX USに提供することだ。この契約額は、他の潜在的な要素と合わせると、合計で最大6.8億ドルになるとも説明。両社が最終契約に合意したため、これから株主による承認を得ることになる。
— BlockFi (@BlockFi) July 1, 2022
仮想通貨市場低迷の影響を大きく受けているBlockFiを巡っては、これまで様々な報道がなされていた。FTXが先月、2.5億ドルの融資枠をBlockFiに提供することは公式に発表されたが、それ以外にも、例えば競合他社Lednを含む複数の企業が出資を打診していることも新たに報じられている。
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今回の契約が締結されたのは6月30日。BlockFiの発表に合わせて、同社Zac Prince最高経営責任者(CEO)は、今回の融資枠はまだ利用しておらず、プロダクトやサービスは通常通り運営されているとコメントした。そして、以下のように述べている。
最終的に我々は、FTX USという最高のパートナーを見つけることができた。
今回の契約は当社の株主にとって、また仮想通貨のエコシステム全体にとっても最高の選択になるだろう。
Ultimately, we found a great partner in @FTX_US, who shares our commitment to clients. This represents the best path forward for all @BlockFi stakeholders and the crypto ecosystem as a whole.
— Zac Prince (@BlockFiZac) July 1, 2022
またPrince氏は、現在同社が抱えるエクスポージャーはなく、これまで被った限定的な損失はBlockFiで吸収できるため、顧客の資産に影響を与えることはないとも強調した。
これまでBlockFiを巡っては、仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital」と見られる大手顧客のポジション清算や規制当局への罰金の支払い、人員削減といった苦境が明らかになっていた。
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