ユーザーのアイデアがデジタルスニーカーに
大手スポーツブランドのナイキが提供するWeb3プラットフォーム「.SWOOSH」は26日、ユーザーが参加できる作品制作チャレンジを発表した。第一段は「YourForce1チャレンジ」と呼ばれており、一部の国のユーザーを対象としている。
これはコンテスト形式で、ユーザーは、自分の考え出したフットウェアのデザインを提案。受賞者4人はそれぞれ賞金として約65万円(5,000ドル)を与えられる。さらに、ナイキのデザイナーと直接コラボレーションして、オリジナルのデジタルスニーカーを作成できる予定だ。
「.SWOOSH」で最初のコレクションがリリースされる際、コンテスト受賞者が創作した作品も、その一部として発売される可能性がある。その場合に受賞者は、自分のデザインしたデジタルスニーカーが販売されるたびにロイヤリティを受け取れるようになる。
なお、今回のコンテストに参加できるのは、アメリカ、イギリス、デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデンに居住するユーザーのみだ。
「.SWOOSH」は、ナイキが2022年11月に立ち上げたプラットフォーム。暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(MATIC)のブロックチェーンを採用しており、ゲームなどで着用できるデジタルのシューズやジャージ、アクセサリーを収集できるプラットフォームとなる。
デジタルウォレットを持っていない場合も利用できるよう、大手仮想通貨カストディ企業BitGoと提携しウォレットを提供する方針だ。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
▶️仮想通貨用語集
ユーザーはコンセプトを提案
「YourForce1」コンテストへの応募者は、インスタグラムで、作品のコンセプトを表わす、8枚のオリジナル画像を投稿する必要がある。「.SWOOSH」公式は、8枚の投稿の構成方法について、以下のように示した。
- スライド1:ストーリー 例:コロシアム&石畳
- スライド2:ムード 例:陰鬱な雰囲気
- スライド3:3つのキーワード 例:水、雨、霧
- スライド4:カラーパレット 例:グレー、ブルー、ブラック
- スライド5:人工物か自然か 例:近代的な橋
- スライド6:触覚的なもの 例:崩れた廃墟
- スライド7:意外なもの 例:電車の線路
- スライド8:場所/シーン/ロケーション 例:繁華街
なお、例として挙げられているのはコンセプトを「過去と現在:ローマ時代にまで遡る現代の都市に住むことの意味」とした場合だ。
靴のデザイン画などは不可とされており、ユーザーはあくまでデザイン上のコンセプトを提案することになる。投稿する写真やビデオ、アート、音楽などはすべてユーザーのオリジナル作品でなければならない。日本時間で1月30日深夜が締め切りだ。
ユーザーがコンセプトを提出することについてナイキは「クリエイターの定義を広げる」ことが目的であり、「クリエイティブなスキルよりもクリエイティブなストーリーテリングを優先している」と説明した。
ナイキ傘下企業のNFT
ナイキは、2021年末にNFT(非代替性トークン)や拡張現実(AR)などを活用したバーチャルアパレルブランドを展開する企業RTFKT(アーティファクト)を買収。ナイキ傘下となったアーティファクトは22年12月、現物スニーカーと引き換え可能なNFTをリリースした。
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