BuzzFeedの株価高騰
米デジタルメディア企業BuzzFeedが米OpenAIのAI(人工知能)技術を使ったコンテンツ提供を計画しているとの報道を受けて、同社の株価(BZFD)は26日(米国時間)に前日比119%高騰した。一時は2.45ドル(318円)の高値をつけた後、2.09ドルで引けている。
Wall Street Journalが匿名情報源に基づいて報じた内容によると、BuzzFeedはオンラインクイズなどのコンテンツ生成やパーソナライズに、米OpenAI社が開発したAI技術を使用するという。ロイター通信に対してBuzzFeedはOpen AIのプロダクト「ChatGPT」ではなく、公開されているAPIを使用することを認めている。
BuzzFeedのJonah Peretti CEOは、今週配信した社内向けのメッセージで今後15年でAIがコンテンツ作成やパーソナライズ、アニメーション化を主導するとの展望を語り、当面の方針を以下のように示している。
2023年には、AIに触発されたコンテンツがR&D段階から我々のコアビジネスの一部となるだろう。クイズコンテンツが強化され、ブレインストーミングに情報が提供され、ユーザー向けのコンテンツがパーソナライズされることになるだろう。
OpenAIは、22年11月30日に対話型のAI言語モデル「ChatGPT」をリリース。23年1月にはIT大手マイクロソフトからOpenAIに対する1.3兆円(100億ドル)の投資計画が浮上するなど、注目を集めている。
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前日の25日にもWall Street Journalは、22年末にメタ社がBuzzFeedと複数年契約を結んだことを報じていた。FacebookとInstagramのクリエイター向けのマーケティング施策やコンテンツ制作として、メタ社がBuzzFeedに1,000万ドル(13億円)を支払うという内容だ。
株式・仮想通貨市場のAIブーム
BuzzFeedはニュース速報、ジャーナリズム、クイズ、セレブニュース、食べ物、レシピ、DIYハック動画など多様なコンテンツを提供。公式Youtubeチャネルは登録者数2,020万人を誇し、「世界中の1ドル屋台飯」や「17ドルのフライドチキン対500ドルのフライドチキン」など反響の大きい動画を次々と作成している。
同社は2011年のY Combinatorプログラムを卒業後にシリーズBで約2,000万ドルを資金調達。2021年末には特別目的買収法人(SPAC)と合併して上場し、資金調達総額は約7億ドルとしている(データ:Crunchbase)。
BuzzFeedの株価(BZFD)は過去12カ月で44%下落しており、上場時からは1月25日時点で90%以上下落していた。
22年第3四半期の純損失は、1年前の360万ドルから2,700万ドル(35億円)に拡大。12月にはコスト抑制の目的で従業員の約12%を削減すると発表した。
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23年に米大手ヘッジファンドARK Investを筆頭に株式市場で人工知能に対する期待感は高まっており、この傾向は暗号資産(仮想通貨)市場にも及んでいる。
Twitterなどで「ChatGPT」が流行った影響でAI(人工知能)関連の暗号資産(仮想通貨)トークンにも思惑買いが集まっている。CoinMarketCapのデータによれば、FetchAI(FET)やDeepBrain(DBC)は年初来で200%程上昇している(1月27日時点)。