CoinPostで今最も読まれています

IMF理事会、仮想通貨に対する効果的な政策要素を評価 法定通貨として認めない立場

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

政策行動の提案

国際通貨基金(IMF)の理事会は23日、同基金が発表した暗号資産(仮想通貨)政策に関する論文を評価し、提案された政策の枠組みへの支持を表明した。

同日に公開された論文(「暗号資産に対する効果的な政策の要素」)では、以下の9つの政策行動が提案されている。

  1. 金融政策の枠組みを強化することにより、通貨主権と安定性を保護し、仮想通貨に公式通貨や法定通貨としての地位を認めない。
  2. 過度な資本フローの変動を防止し、資本フロー管理措置の有効性を維持する。
  3. 財政リスクを分析・開示し、仮想通貨に対する明確な税制上の取り扱いを導入する。
  4. 仮想通貨の法律上の確実性を確立し、法的リスクに対応する。
  5. 健全性、行動、及び監督要件を策定し、すべての仮想通貨市場関係者に適用する。
  6. 国内の様々な機関・当局による共同監視体制を構築する。
  7. 仮想通貨規制の監督及び執行を強化するための国際的な協力体制を構築する。
  8. 仮想通貨が国際通貨システムの安定性に与える影響を監視する。
  9. クロスボーダー決済・金融のためのデジタル・インフラと代替ソリューションの開発に向けた国際協力を強化する

理事会は、一部の国で仮想通貨の導入が拡大していることや、国境を超越する仮想通貨の特性、さらに既存の金融システムとの結びつきが高まっていることから、包括的で一貫性がありかつ協調的な対応が必要であるとの見解を示した。

また、仮想通貨がもたらすリスクとして、金融政策の有効性に対するリスク、資金フローの変動、財政リスクなどのマクロ経済的なリスクを指摘。さらに金融の安定性と健全性、法的リスク、消費者保護、市場の健全性についても、深刻な懸念があるとした。

このような背景を受け、理事会は論文で提案された枠組みを承認する意向を示した。

国際通貨基金(IMF)

国際通貨基金(IMF)は、国際通貨制度の安定を確保するため、1944年に設立された国際機関。190の加盟国の政策や世界経済及び金融の動向をモニタリングし、政策に関する助言や推奨を行う。 また、国際収支の問題を抱える加盟国に対し、融資を提供する。

▶️仮想通貨用語集

法定通貨としては認められない

理事会は、仮想通貨が広く導入されることによって、マクロ経済的なリスクだけでなく、長期的には国際通貨システムに重大な影響を与える可能性があるとして、当該分野におけるIMFの助言の重要性を強調。論文で提案された第一の政策行動に関しては以下の評価を下した。

仮想通貨は、通貨主権と安定性を守るため、公式通貨や法定通貨の地位を与えられるべきではない。

理事会のメンバーは上記の見解に「概ね同意」しているという。

IMFは、世界で初めて2021年にビットコインを法定通貨と採用したエルサルバドルに対し、継続して懸念を表明し、法定通貨としての地位を取り消すよう促してきた経緯がある。

関連:IMF、エルサルバドルにビットコインを法定通貨から外すよう催促

直近では、エルサルバドルの財政状況に関する調査報告書の中で、同国が発行準備を進める「ビットコイン債」の導入を見直すべきだと論じている。

関連:国際通貨基金(IMF)が調査報告「エルサルバドルはビットコイン債の導入を見直すべき」

仮想通貨の規制

理事会は、「厳格な(仮想通貨の)禁止は第一の選択肢ではない」が、国内の政策目標や当局が能力的な制約に直面している場合には、対象を絞った規制が適用される可能性があるという点で合意。しかし、「全面的な禁止を排除すべきではない」との意見を持つ数名の理事も存在することも明らかになった。

一方で、規制がイノベーションを阻害しないよう留意すべきであり、政府が仮想通貨の基盤となる技術を公共政策に活用することも可能だと指摘。枠組み導入のペースや順序については、各国の状況に合わせることが必要だという点で合意した。

理事会は「同じ活動、同じリスク、同じ規制」の原則を推進することの重要性を強調。国内外における規制当局間の強力な連携が不可欠であるとした。

そして、ベストプラクティスの普及などを通して、加盟国の実情と国際的な基準やルール設定プロセスの橋渡しをすることが、IMFの役割であるとの認識を示した。また、著しいデータギャップに対処することの重要性を指摘し、国際通貨システムに対するリスクと影響の監視において、IMFが果たす役割は大きいと強調した。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧