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米国議員ら、包括的な仮想通貨規制法案に向けて2つの取り組み

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仮想通貨規制の明確化を目指す

米国下院議員らは4月27日、暗号資産(仮想通貨)についての包括的な規制を策定するため、農業委員会と金融サービス委員会で共同して取り組んでいくと声明を出した。別途、上院議員らも、仮想通貨の包括的規制案について議論を進めているところだ。

まず下院では、金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長、農業委員会のグレン・トンプソン委員長、商品市場・デジタル資産・農村開発小委員会のダスティ・ジョンソン委員長が名前を連ねて声明を発表。仮想通貨エコシステムの明確な規則を法律化するための共同の取り組みに着手するとして、次のように述べた。

責任あるイノベーションを阻害せず、同時に消費者を保護するために、適切なバランスを取る必要がある。

私たちは今週、仮想通貨に関連する規制の不足点を特定するために、小委員会で公聴会を開催する。さらに5月には、合同小委員会で公聴会を開き、こうした不足点を補う方法を検討する。

私たちは、市場参加者を保護する原則を守りながら、切望されている規制の明確さと確実性を提供できるようなソリューションを探っているところだ。

仮想通貨の分類問題

マクヘンリー委員長は28日、仮想通貨関連カンファレンス「Consensus 2023」に出席した際に、この声明について補足説明した。

今後2か月の間に行う予定としては、特に仮想通貨の分類があると話している。仮想通貨が証券ではなくコモディティ(商品)とみなされる場合、あるいはどちらにも適合しない場合などについての法案を起草したいとする形だ。

その他に、仮想通貨の資金調達方法なども議論するとしている。時期については、今後12か月の間に、下院から法案として提出することができる見通しだと推測した。

米国では現在、米証券取引委員会(SEC)が多くの仮想通貨を「有価証券」とみなして取り締まろうとしているが、米商品先物取引委員会(CFTC)は「コモディティ(商品)」として管轄しようとしており、両委員会に見解の相違がみられている。

さらに、SECは明確なガイドラインを示すことなく、恣意的に法的措置に訴えているとして批判されてきた。こうした状況で、明確な規制が待望されている状況だ。

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「責任ある金融革新法」の進捗状況

米国では、シンシア・ルミス上院議員らも、仮想通貨の包括的規制案として「責任ある金融革新法(Responsible Financial Innovation Act:RFIA)」を超党派で進めているところだ。

ルミス議員は28日、今後6~8週間以内にこの法案が上院に提出される予定だと述べた。

法案には、仮想通貨の分類、規制機関の役割明確化、ステーブルコインの監視強化、仮想通貨課税の改正などの内容が盛り込まれている。国家安全保障とサイバー犯罪への取り組みに関連するセクションも追加される見込みだ。

ルミス議員は、イノベーションを起こす企業と規制当局の両方に納得がいくような規制枠組みを作りたいとして、次のように話している。

仮想通貨に懐疑的な人たちの中には、私たちの法案でサイバー犯罪が十分に扱われていないことを懸念している人もいる。そこで、サイバー犯罪への対処についてもより強力な内容を追加する。

さらに、企業が適切に規制され、審査されるように、事業登録を義務付ける条項も盛り込む予定だ。

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ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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