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ジェミナイのウィンクルボス氏、DCGに対して「15億ドルの最終提案」 債務問題めぐり

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

債務返済めぐる「最終提案」

暗号資産(仮想通貨)取引所Gemini(ジェミナイ)共同創設者のキャメロン・ウィンクルボス氏は4日、仮想通貨コングロマリット企業デジタルカレンシーグループ(DCG)のバリー・シルバートCEOに対する書簡を公開した。

DCG子会社で1月に破産申請した、仮想通貨融資企業ジェネシスをめぐる交渉での「最終提案」を提出している。新規ローンに対する返済などの形で、最終的に米ドル、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)で合計約2,170億円(約15億ドル)をジェミナイに支払うことを提案する形だ。

内訳としては、債務支払いを猶予する代わりの追加支払いとして、約405億円(約2.8億ドル)、2年間を期限とする新規ローンとして約521億円(約3.6億ドル)、5年間を期限とする新規ローンとして約1,210億円(約8.4億ドル)を挙げている。

背景

ジェネシスは、スリーアローズキャピタル(3AC)やFTXの破綻が影響して、昨年11月より顧客資産の引き出しを停止。今年1月に、チャプターイレブンにより破産申請した。

このために、提携していた仮想通貨取引所ジェミナイの利回りサービス「Earn」の顧客資産も現在引き出せない状況となっている。

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ウィンクルボス氏は書簡で、約1,740億円(約12億ドル)の「Earn」ユーザーの資産がジェネシスで凍結状態にあると再度強調した。

また、DCGは財政状況の悪化について隠匿し、ジェネシスが破産申請した後も、債務に関する交渉を長引かせて無駄な費用を使ったとして批判している。ウィンクルボス氏は、次のように述べた。

あなた(シルバート氏)には正しいことをするつもりもなかったし、無謀で詐欺的な行動によって、あなたの会社が引き起こした混乱の責任を取るつもりもなかった。

代わりに、過去8か月を時間稼ぎに費やして、資金を調達しようとしたが、これにより債権者やEarnユーザーをつらい立場に立たせ続けた。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

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返答なければDCGを提訴する構え

ウィンクルボス氏は、シルバート氏が7月6日午後までに、今回の最終提案に応じない場合は、訴訟を起こすなどの措置に訴えるとも続けた。

7日には、DCGとシルバート氏に対して、ジェネシスが債務を返済できない状況にあったことを隠していたとして提訴すると述べている。

さらに、ジェネシスの特別委員会に働きかけて、DCGを債務不履行と認定して約910億円(6.3億ドル)の債務をただちに返済するよう要請するとした。

また、ジェネシスの無担保債権者委員会に対しても、DCGとジェネシスの企業間融資について調査するための訴訟を起こすよう求めるとしている。

DCGとは

大手仮想通貨コングロマリット企業。6つの子会社を持ち、200以上のブロックチェーン関連スタートアップと50以上の仮想通貨ファンド、プロジェクトに投資している。主な子会社には、投資会社グレースケール、ビットコインマイニング企業Foundry、ジェネシス・グローバル・キャピタル、仮想通貨メディアCoinDeskなどがある。

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