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英国下院、NFTやファントークンがスポーツに与えるリスクを報告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ファントークンの問題について分析

英国下院の文化・メディア・スポーツ委員会は11日、NFT(非代替性トークン)がスポーツや文化産業に与えるリスクについてのレポートを発表した。スポーツクラブの発行するファントークンの問題についても提言している。

レポートは、ユーティリティトークンの一種であるファントークンは、その保有者にクラブの意志決定や、商品デザインに関する投票、ユニークな体験への参加など、様々なメンバーシップ特典を付与するものだと説明した。

その上で、トークンをめぐるファンとの約束が果たされていないという批判があると指摘している。

例えば過去には、保有者特典により、競技イベントの際にどのようなBGMをかけるか、スポーツチームがどのようなジャージを着るべきかなどの投票が行われている。しかし、このようにトークン保有者が参加できるのは、「ささいな」ものに過ぎないという意見を紹介した。

これに加えて、トークンのメンバーシップが「不安定で規制されていない暗号資産(仮想通貨)」によって支えられているという問題もあると述べている。このためスポーツファンはファントークンに参加することに消極的だと続けた。

従来の会員権と異なり、取引可能な商品であるという複雑さを持つファントークンの利点に疑問を持つ向きもあると説明している。

また、スポーツチームと関連する仮想通貨に対してファンが投機的に出資することで、ファンが経済的損害をこうむったり、スポーツチームの評判が傷ついたりするリスクもあると指摘した。

こうしたことを踏まえ、レポートでは、スポーツへのファンの関与を測定する際にはいかなる時も、ファントークンの購入や使用などを基準にしないように勧告している。例えば、今後のフットボール(英サッカー)関連規制を設定する時なども含まれるとした。

ユーティリティトークンとは

特定のサービスを利用するための権利として機能する、実用性のあるトークンのこと。商品や食事などの代金を現金に代わって決済できたり、保有していることでクラウドストレージにアクセスできる。

▶️仮想通貨用語集

業界大手Chiliz担当者のコメント

ファントークン発行会社として知られるSocios.comの運営企業Chilizのコーポレートアフェアーズ責任者ジェームズ・ニューマン氏は、文化・メディア・スポーツ委員会のレポートを受けて、ファントークンの取引は商品購入または金融取引として規制されるべきだとコメントした。

また、英国では暗号資産(仮想通貨)規制関連の動きが開始されており、Chilizも当局とやり取りしたとして、次のように話している。

当社は当局に証拠書類を提出し、リサーチした情報を共有し、プラットフォームの構造を説明し、ファントークンの複雑な仕組みを詳しく説明した。

SociosやSorareの動き

Socios.comは、トークンを活用した代表的なファン向けのプラットフォームである。欧州サッカーリーグなどを中心にファントークンの発行サービスを手がけており、2022年には米国のメジャーリーグサッカー(MLS)やナショナル・フットボール・リーグ(NFL)とも提携した。

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また、スポーツ関連のブロックチェーン企業としては、現実に存在するスポーツチームをモチーフとしたゲームなどを提供するSorare(ソラーレ)も知られている。ソラーレは今年、サッカーの世界4大リーグの一つ「イングランド・プレミアリーグ」と複数年のライセンス契約を締結した。

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