CoinPostで今最も読まれています

デジタル人民元による初の原油取引成功 脱ドル化進む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SHPGXでデジタル人民元取引

上海石油天然ガス取引所(SHPGX)は19日、ペトロチャイナ・インターナショナルにより同取引所のプラットフォーム上で初めてデジタル人民元による原油取引が行われたと発表した。原油100万バレルを購入した格好だ。売主と取引価格は明かされていない。

デジタル人民元は、中国人民銀行が進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)であり、e-CNYとも呼ばれている。SHPGXは今回の動きについて、上海市党委員会らの呼びかけに応えたものだとして、次のように説明した。

上海市党委員会と市政府は、「上海は国際貿易においてデジタル人民元の導入を積極的に行っていく」という作業要請を出している。

SHPGXはこの呼びかけに応え、国際石油ガス貿易取引の拡大に際して、クロスボーダー人民元決済に、デジタル人民元を採用した。

SHPGXは、これからも国際的な企業などが中国市場に参入するための、すぐれた取引・決済チャネルを提供し、国内外の市場の多様なニーズを満たすことを目指したいとも続けている。

17日には、SHPGXで中国海洋石油総公司(CNOOC)とフランスのエンジーの国際LNG(液化天然ガス)取引で人民元による決済も行われたところだ。

SHPGXは以前、人民元で決済されるこうした取引は、中国の石油・ガス市場改革における重要な出来事であり、多通貨による価格設定とクロスボーダー決済を促進すると述べていた。

デジタル人民元は、こうした局面で、人民元によるクロスボーダー決済や、人民元の国際化を促進するために活用されることが期待されている。

関連香港で中国デジタル人民元のショッピング実験開催

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

人民元によるクロスボーダー決済増加中

今回の原油取引については、国際市場における人民元の使用拡大と、脱ドル化に向けた動きの一環になると見る向きもある。

中国人民銀行のデータによると、当座預金による国境を越えた人民元決済額は、今年の1月から9月で総額約208兆円(10兆1,600億元)に達し、前年同期比で35%増加しているところだ。

中国人民銀行の上級研究員Youxin Wang氏は、人民元の国際化は着実に進んでいるとコメント。この背景には、クロスボーダー人民元決済を後押しする政策や、新興国間決済での人民元の利用拡大があると述べている。

8月には、中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカという新興5カ国(BRICS)の首脳会議で、さらに6か国が加わることが発表された。アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)が2024年1月から加入する格好だ。

こうした動きも背景に、今後、世界の決済通貨シェアがどのように変化していくのか注目される。

銀行間メッセージングサービスのSWIFT(スイフト)の月次レポートによると、2023年9月時点で、人民元は、金額ベースで世界の決済において5番目に活発な通貨としての地位を維持していた。

世界のスイフト決済における人民元のシェアは約3.7%だった格好だ。なお、日本円は4位で約4.2%、1位は米ドルで約46.6%だった。

出典:SWIFT

オフショア市場における人民元取引額の割合は、現在のところ香港が圧倒的に多く約75.3%を占めている。英国約5.3%、シンガポール約3.4%、米国約2.8%、ロシア約2%と続いていた。

出典:SWIFT

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/03 日曜日
11:30
米経済減速続けばビットコイン上抜けは時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
3.8万ドル付近を底堅く推移する今週のビットコインチャートを図解。国内大手取引所bitbankのアナリストが今後の展望を読み解く。オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|マイクロストラテジーのBTC買い増しに高い関心
今週は、マイクロストラテジーが仮想通貨ビットコインを買い増ししたニュースや、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏がビットコインなどの資産への投資を推奨していることを書いた記事が関心を集めている。
12/02 土曜日
16:25
エルサルバドルのブケレ大統領、2024年再選を見据え職務離脱へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン支持者で知られる、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領が総選挙キャンペーンのため職を離れる。再選を目指す中で、国内政治のチェック・アンド・バランスの弱体化と、国際関係への影響を探る。
14:00
2024年に半減期を迎えるビットコインは約1800万円到達、Matrixport分析
Matrixportによる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格予測を深掘り。2024年に1835万円到達の可能性、歴史的なデータ分析、マクロ経済要因と地政学的影響を詳細に解説。ビットコイン投資の未来を探る。
13:00
米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」
ステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社は、公開書簡を米議員らに提出。テロ資金など不正金融への関与はないと強調した。
12:00
イーサリアム運用で高利回りを実現、Cegaのデュアルカレンシー戦略とは?
セガ・ファイナンスが新しいオプション戦略「デュアルカレンシー」を発表。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム、stETH、USDCホルダーに向けて、年利22%以上の収益を提供。この戦略は、リスクを最小限に抑えつつ、市場での高い固定利回りを実現する。
10:45
コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、イーサリアムL2「Base」に関する展望について話した。独自トークンや取引高速化について説明している。
09:55
コインベース・マイニング株大幅高、ビットコイン年初来高値更新|2日金融短観
本日のNYダウは+294.6ドルと続伸し、債券市場は反発した。この日にパウエル連邦準備制度理事会議長の発言からトーンダウンが示唆され2024年にFRBが利下げに動くとの観測がますます広がった格好だ。
08:30
Starknet独自通貨の無料配布、スナップショット実施済み
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」は今週SNSで出回っていたSTRKトークンのエアドロップのスクリーンショットの真贋を確認し権利獲得にあたるスナップショットはすでに実施されたことを明かした。
07:20
ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケールレポート
仮想通貨運用会社グレースケールは、2023年11月版の市況レポートを公開。2024年は複数の条件が重なることによって、ビットコインの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。
06:50
ビットコインETFの上場申請めぐり今週3社目のSEC面談、専門家が承認楽観視
米SECは、GBTCから現物型ビットコインETFへの転換申請について、今週29日に申請側のグレースケール(2度目)と会議を行ったことが判明した。仮想通貨ビットコインは年初来高値を更新した。
06:00
ソラナDEX「Jupiter」、仮想通貨JUP無料配布の事前確認ページ公開
ソラナ基盤の分散型取引所アグリゲーター「Jupiter Exchange」は独自トークン「JUP」の無料配布(エアドロップ)計画について、事前確認の公式ページを公開した。
12/01 金曜日
17:41
「暗号資産の投資状況と確定申告」に関する調査、年内取引で約7割が利益
Aerial Partnersが2023年の暗号資産取引調査結果を公開。ビットコインなどの現物取引だけでなく、PoS銘柄のステーキング利用度が高まりつつあり、利益を出している投資家増加に伴い「確定申告」の必要性も上がっている。
16:03
米投資会社タイガー・グローバル、BAYCやOpenSea投資の評価額を大幅下方修正
タイガー・グローバル・マネジメントが、有名なNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」(BAYC)と主要なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaへの投資により、大幅な含み損を抱えていると報じられた。同社の直近の投資動向と報告内容についてまとめる。
16:00
「ビットコインがもたらす革命をSNSへ」Nostrasia特集を配信
第10回のGM Radio:Beyond The Priceは11月22日に公開。今回は11月に東京などで開催されたイベントNostrasiaを特集した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア