デジタル資産の投資会社
英金融大手スタンダードチャータード銀行の投資部門SCベンチャーズは9日、日本の大手企業SBIホールディングスとともにアラブ首長国連邦(UAE)にWeb3・デジタル資産の投資会社を設立することを発表した。
これは両社の合弁事業で、資本金は約150億円(1億ドル)。投資対象は市場のインフラ、リスク・コンプライアンスのツール、DeFi(分散型金融)、トークン化、消費者向け決済、メタバースなどに関連するクリプト企業で、シードからシリーズCまでの企業にグローバルに投資していくと説明している。
SBIホールディングスは昨年5月、SCベンチャーズと業務提携に向けた基本合意書を締結したことを発表していた。この時の基本合意の内容には「投資先の情報共有及び連携」や「DeFi、メタバース、Web3等の先進的領域における協力の検討実施」が含まれている。
また今回の合弁事業の背景として、今年の5月にスタンダードチャータード銀行が、UAEにあるドバイ国際金融センターと基本合意書を締結。カストディなどのデジタル資産で協業する契約を結んでいた経緯もある。
今回の発表で、SBIホールディングスの北尾代表取締役会長兼社長は以下のようにコメントを寄せた。
SCベンチャーズとパートナーシップを組んでUAEでデジタル資産の合弁事業を行い、デジタル資産業域で両社の能力を発揮していくことを嬉しく思う。
今回の取り組みは、SCベンチャーズのポートフォリオ企業への投資に続いて、当社とSCベンチャーズの戦略的関係を一層強固にするだろう。
また、SCベンチャーズのAlex Manson CEOのコメントは以下の通り。
UAEはインフラと人材を強化し、急速にデジタル資産のフィンテックのハブ(中心)へと成長してきている。
今回の合弁事業では、Zodia CustodyやZodia Marketsのようなベンチャー事業や、リップルやMetacoのようなフィンテック企業への投資の経験を活かし、デジタル資産に対する当社の専門知識を活かしていきたい。
リップル社はSCベンチャーズのポートフォリオ企業。また、SCベンチャーズはMetacoへの投資をイグジット済みである。
別の投資事業
SBIホールディングスは9日、最大1,000億円規模の新たな旗艦ファンド 「SBIデジタルスペースファンド」の設立を発表した。このファンドは、SCベンチャーズとの投資とは別の事業である。
SBIデジタルスペースファンドの主な投資領域は、Web3、メタバースなどの「デジタルスペース」、これまでも注力してきた「AI(人工知能)」「フィンテック」「ヘルスケア」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「気候テック」だと説明している。
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