分散化レベルを強化
イーサリアムL2(レイヤー2)のOP Mainnet(旧Optimism)は19日、主要テストネットであるOP Sepoliaにおいて、「Fault Proof」機能の完全版を公開した。
この動きはOP Mainnetの分散化レベルを強化させるもので、L2ロールアップの評価基準である「ステージ1」から「ステージ2」への移行条件の一つ。認証された行為者だけでなく、一般の参加者からも不正行為の証明が提出できるようになることに関係する。
Fault Proofは、イーサリアムのLayer 2ネットワークの安全性を高めるためのメカニズムとして機能し、ETHとERC-20トークンの出金を含むプロセスで第三者の信頼に頼るリスクを低減させる効果が期待されている。
OPガバナンスによってオープンソースの開発スタック「OP Stack」に組み込むことが承認されれば、OP Mainnetは分散化の「ステージ2」への到達を果たすことになると言う。分散化とセキュリティの面での競争においてリードすることになる。
現在、OPをはじめとする多くのLayer 2ソリューションは、特定企業が提供するセキュリティ協議会や複数署名(マルチシグ)に依存している状況である。多くのプロジェクトが分散化の度合いを示すステージ0に位置付けられている。
なお、Arbitrumが獲得している「ステージ1」への移行は、「基本機能が第三者により検証されること」を条件の一つとしている。
OPメインネットは、「Optimisticロールアップという検証アプローチを採用したイーサリアムのLayer 2ブロックチェーンで、ネットワークに預けられた総資産(TVL)は70億ドルに達している(L2Beatによる調査)。
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OP Stackで構築した他のL2にも有益
Fault Proofはモジュラー型のオープンソースシステムであり、OP Stackを使用して構築されたLayer 2チェーンに適用可能である。例えば、CoinbaseはBaseの開発にOP Stackを採用している。
Fault Proofを採用することで、OP Stackや関連チェーンは、セキュリティ協議会をセーフティネットとして必要とせず、プルーフに完全に依存することが可能となる。
今後、Fault Proofの導入がSuperchainメインネットで予定されている。Superchainは、Optimismが提唱する、OP Stackを共有する複数のブロックチェーンからなる水平方向に拡張可能なネットワークである。OptimismやCoinbaseが支援するレイヤー2チェーンBaseや、バイナンスのopBNBなどが参画する。
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L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待することができる。