
チェーンリンクの買い方
ブロックチェーンの課題のひとつは、ネットワーク外部(オフチェーン)の情報を直接取得できないことです。株価データや選挙などの出来事、企業の財務データなど、現実世界の情報をブロックチェーン上で利用するには、誰かが手動でデータを入力する必要があります。
この「オラクル問題」を解決する代表的なプロジェクトが、チェーンリンク(Chainlink / LINK)です。
チェーンリンクは、オラクルの分散型ネットワークを提供し、ブロックチェーンに外部データを安定的に注入する仕組みを実現しています。近年、ステーブルコインの価格参照や、企業・金融機関によるRWA(現実資産)のトークン化が活発化する中で、正確な担保データの取得においてオラクルの重要性がますます高まっています。
本記事ではチェーンリンクの特徴や買い方、注意点などをわかりやすく解説していきます。
目次
1. チェーンリンクとは

出典:チェーンリンク
チェーンリンクは、ブロックチェーンが単独では取得できない「外部データ(オフチェーン情報)」を、安全に提供するプロジェクトです。チェーンリンクは分散型であり、多くのノード(運営者)が複数の情報源からデータを収集するため、特定企業に依存しない(単一障害点がない)ため、信頼性に優れています。
DeFi(分散型金融)を中心に、多くのプロジェクトがチェーンリンクの価格フィード等を利用しており、その市場シェアは分野トップ。金融サービス、ゲーム、資産のトークン化など幅広い分野に応用可能です。
主要な機能
チェーンリンクはオラクル機能を中心に、以下の4つの主要機能を提供しています。
- CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol):複数のブロックチェーン間で、価値をシームレスに移動させる。ステーブルコインの相互運用に活用される。
- データフィード:高速・正確な価格情報や準備資産の証明データをスマートコントラクトに提供。
- Chainlink Functions(外部API連携):外部APIから情報を取得したり、スマートコントラクトを自動実行する機能。
これらの機能は世界中に分散した「ノード」が支えています。
仮想通貨LINK基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
通貨コード | LINK |
公開日 | 2017年9月 |
流通供給量 | 約6億7800万枚 |
最大供給量 | 10億枚 |
価格:時価総額 | 25ドル(約3700円)/170億ドル |
過去最高値 | 2021月5月:約50ドル(約7400円) |

LINKは、チェーンリンクのネイティブトークンです。主な用途は以下の通り:
チェーンリンク(LINK)への投資に
チェーンリンク2025年の注目材料
米大手企業;マスターカード等との提携
2025年は米大手企業との提携が相次いでおり、チェーンリンクのオンチェーンインフラ基盤としての拡大が期待されています。
8月にチェーンリンクは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であり、世界最大級の金融データ提供企業インターコンチネンタル取引所(ICE)と提携しました。
ICEは300以上の市場から外国為替や貴金属などの価格データを集約・配信しており、チェーンリンクを介してブロックチェーン上にも配信する。DeFiやトークン化資産(RWA)市場の基盤強化と需要拡大につながる可能性があります。
また、同年6月には米大手決済Mastercard(マスターカード)との提携が明らかになり、ユーザーがカードで支払うだけでウォレットに直接暗号資産を受け取れる仕組みが導入されました。

出典:チェーンリンク公式X
裏側ではチェーンリンクのオラクル技術が決済情報を安全にブロックチェーンへ橋渡ししており、取引所を経由せず仮想通貨を直接取得できるシンプルな体験が実現。利便性の向上と新規ユーザー層の拡大が期待されています。
関連:仮想通貨の広範な普及を促進へ マスターカードとチェーンリンクが提携
Chainlink Reserve(戦略的準備金)

出典:公式サイト
Chainlink Reserveは、2025年8月に発表されたネットワーク収益を活用してLINKの準備金を積み立てる取り組みです。開始からわずか半月ほどで、すでに約10万LINK(約270万ドル相当)が蓄積されており、その継続的な拡大が注目されます。準備金の状況は公式サイトで確認可能です。
この準備金はチェーンリンクの長期的な成長と持続可能性を目的としたもので、今後数年間は引き出さない方針が示されています。大企業との提携によってインフラ需要が高まればネットワーク収益の拡大につながり、LINKの準備金積立も一層拡大していくことが期待されます。
関連:チェーンリンク、仮想通貨LINKの準備金創設を発表 1.5億円相当を購入済み
4.チェーンリンク購入におすすめの取引所
おすすめ 取引所 |
おすすめポイント | アプリの特徴 | 現物取引 | レバレッジ取引 | 投資サービス | 取引所手数料 | 最低取引単位 | 入金手数料 | 出金手数料 | 出庫手数料 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 ![]() SBI VCトレード
|
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販売所 取引所 |
〇 | 積立 貸コイン |
Maker:-0.01% Taker:0.05% | 販売所:0.0001 BTC 取引所:0.000001 BTC※参考 | 無料 | 無料 | 無料 | ‐ |
2 ![]() bitbank
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全暗号資産(仮想通貨)取引所中 取引量 国内No.1 * |
アプリストア 国内No.1 * | 販売所 取引所 |
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販売所 取引所 |
〇 | レンディング | Maker:-0.01% Taker:0.05% | 販売所:0.000001 BTC 取引所:0.00001 BTC | 無料 | 無料 | 無料 | ‐ |
今後の注目点
オラクルソリューションの重要性増大
実世界のデータとブロックチェーンをつなぐオラクル技術の需要は、2024年末以降ますます高まっています。たとえば、チェーンリンクが開発するCCIP(クロスチェーン・インターオペラビリティ・プロトコル)の採用拡大や、DeFi 2.0、さらにリアルワールドアセット(RWA)のトークン化の進展が、機関投資家からの注目を集めています。LINKの中長期的な価値向上が期待されます。
豊富なユースケース
チェーンリンクの大きな魅力のひとつは、その多様なユースケースです。大手企業や金融機関が実際に採用しているため、信頼性が高いと評価されています。たとえば、以下のようなデータプロバイダーがチェーンリンクのオラクル機能をサポートしています。

出典:チェーンリンク
2023年8月には、国際銀行間通信協会(Swift)が、複数のブロックチェーンをまたいでトークン化された価値を移動させる実験結果を公開。この実験には、BNYメロンやBNPパリバ、Citiなどの大手金融機関が参加し、チェーンリンクのCCIPが活用されました。
最近では、2024年5月に世界最大の証券清算・保管機関DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)が、DTCCのデジタル資産機能とチェーンリンクの技術を組み合わせた「Smart NAV」の実証実験を行いました。このプロジェクトは、複数のプライベートチェーンおよびパブリックチェーン間で、あるファンドの純資産価値(NAV)データを標準化して共有する仕組みを探っています。さらに、実世界の資産(RWA)のトークン化を推進する狙いもあります。
2024‐25年のトレンド「RWA」
チェーンリンクが注目されている理由の一つは、RWA(Real World Asset=現実資産)の分野で採用が進んでいる点です。RWAとは、不動産、アート作品、トレーディングカードなどの実物資産や、株式、債券などの有価証券をブロックチェーン上でトークン化したものを指します。
多くの専門家は、2024年はRWAが大きなトレンドになると予想しており、仮想通貨分析企業K33リサーチは、RWA関連の銘柄の中でチェーンリンクが最も安全な選択肢であると高く評価しています。
チェーンリンクは「伝統的な金融機関がブロックチェーンやトークン化されたRWAを大規模に採用するためには、データ、コンピュート、クロスチェーン機能が不可欠であり、この3つを提供できるのはチェーンリンクのプラットフォームだけ」と強調しています。実際、2024年2月には一時、時価総額トップ10入りを果たすほど注目されました。
LINKの買い方、具体的な購入までのプロセス
本節では実際にチェーンリンクを購入する方法を説明していきます。
口座開設
まずは購入の前に、交換業者への登録手続きを行なって口座を開設することが必要です。口座開設は主に以下のステップで進んでいきます。
- メールアドレスを入力して登録用のURLを受信
- 必要事項を入力
- 本人確認書類を提出
まずは、自身が使用するメールアドレスを交換業者の専用ページに入力します。その後は入力したメールアドレス宛に登録用のURLが届くので専用のページを開き、多くの場合ここでパスワードの設定を行います。
次は氏名や住所、投資目的などの情報を入力。口座開設には本人確認が必要なため、必要書類をアップロードしたり、郵送したりする手続きが必要です。その後に審査が行われ、通過すればチェーンリンクを購入できるようになります。
KYCを済ませておくべき理由
メールアドレスの登録だけでは、すぐにLINKを売買することはできません。KYC(本人確認)を完了させておき、できれば口座に「日本円」を入金しておくことをおすすめします。これにより、LINKの価格が急変動した際にもすぐに取引できるようになります。
多くの日本の仮想通貨取引所が「eKYC(電子本人確認)」を導入しており、すべての手続きをオンライン上で完結できます。
マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用すれば、即時審査が完了するため最もスムーズです。免許証やパスポートでもeKYCは可能ですが、審査に数時間〜数日かかる場合があります。

オンラインで安全にに本人確認を行う公的個人認証サービスの場
資金の入金
口座開設と本人確認を完了させると、日本円の入金が可能になります。多くの取引所では、クイック入金によってリアルタイムで入金できます。
クイック入金は、土日祝日を含む24時間いつでもリアルタイムで即時入金が可能なオンラインサービスです。多くの取引所では振込手数料無料で利用できます。
クイック入金に対応している主な金融機関:
みずほ銀行 | 三菱UFJ銀行 |
三井住友銀行 | りそな銀行 |
埼玉りそな銀行 | ゆうちょ銀行 |
PayPay銀行 | 楽天銀行 |
住信SBIネット銀行 | 各種地方銀行 |
入金手順(一般的な例)
- 「入出金」または「資産」メニューから「日本円」を選択
- 「入金」または「日本円を入金」をクリック
- 入金額を入力し、振込先の銀行を選択
- 「銀行ページへ」をクリックし、銀行の画面で手続きを進める
チェーンリンク(LINK)の購入方法
日本の取引所でLINKを購入する方法は主に2つあります。初心者には「販売所」、少しでも有利な価格で購入したい方には「取引所」の利用がおすすめです。
販売所での購入(初心者向け)

販売所の利用画面(SBI VCトレード)
販売所は取引所が直接ADAを売買する方式で、操作が簡単なため初心者に適しています。
- 取引所のアプリやウェブサイトにログイン
- 「販売所」または「クイック取引」を選択
- 通貨一覧から「LINK(チェーンリンク)」を選択
- 「買う」ボタンをタップ
- 購入金額または数量を入力
- 内容を確認して「購入」をタップ
販売所のメリット・デメリット
- メリット:すぐに取引可能、操作が簡単、24時間取引可能
- デメリット:取引所に比べて価格(スプレッド)が高めに設定されている
取引所での購入(経験者向け)

取引所の使い方例(bitbankの場合)
取引所では、ユーザー同士が売買を行うため、より有利な価格で取引できる可能性があります。指値注文や成行注文を利用します。
- 取引所のアプリやウェブサイトにログイン
- 「取引所」を選択
- 取引ペアから「LINK/JPY」を選択
- 注文タイプ(指値・成行)を選択
- 指値の場合は希望価格、成行の場合は購入数量を入力
- 内容を確認して注文を確定
指値注文と成行注文の違い
- 指値注文:自分で指定した価格で取引が成立(ただし、その価格で買い手/売り手がいない場合は取引不成立)
- 成行注文:現在の市場価格ですぐに取引が成立(価格を指定できないが、即時取引が可能)
6. チェーンリンク購入時の注意事項
本節ではチェーンリンクなどの仮想通貨を買う上で考慮した方が良い重要ポイントを紹介します。
まずは、少額から投資し始めることを検討してみてください。仮想通貨は株式などと比べると少額で投資することが可能です。チェーンリンクは1LINK以下でも購入することができますので、まずは慣れることから始めるのも1つの方法です。
次に、投資は余剰資金で行いましょう。これは仮想通貨に限らず、資産運用のポイントとしてよく挙げられています。生活に必要なお金や将来使う予定のある資金ではなく、当面は使う予定のないお金で投資するようにしてください。
仮想通貨にも、手元の資金よりも大きな利益を狙える「レバレッジ(証拠金)取引」という投資手段もありますが、大きな利益を狙える分、損失のリスクも大きくなります。投資金額を増やしたり、レバレッジ取引をしたりする前に、まずは余剰資金を使って少額投資を行うことから始めることをお勧めします。
おすすめ取引所の詳細
チェーンリンクに関する税金について
仮想通貨取引で生じた利益は原則「雑所得」として取り扱われます。日本円との売買で得た利益だけではなく、仮想通貨同士を交換したときに生じた利益やレンディングなどで得た報酬も課税対象となります。
雑所得に分類される仮想通貨取引での所得は、給与所得などの他の所得と合算した金額に対して税率がかけられます。税率は、所得が多いほど高くなる「累進課税」が適用され、下表の通り5%~45%の7段階に分かれています。住民税も合わせると最大で約55%の税率が課されます。

出典:国税庁
仮想通貨の損益計算に関して、届け出を出さない限り取得価額は「総平均法」で計算することになります。「総平均法」は簡単に説明すると、年度末に購入した価格をすべて足して購入数量で割り、そこから算出された平均価格と売却価格との差額を損益にする方法になります。
「ガチホ」のようにチェーンリンクを長期間保有している場合、年度ごとに平均取得額を出しておかなければ、いざ売却して大きな利益を得たときに正しい損益額を出すことが難しくなるため、注意が必要です。
届け出を出せば、取引ごとに暗号資産の平均単価を算出する「移動平均法」での計算が認められます。総平均法・移動平均法のどちらを利用しても、最終的な損益額は同じに収束しますが、年度ごとの損益額は変わるうえ、一度使用した計算方法は原則3年間変えることができません。
関連:【確定申告特集1】知っておきたい仮想通貨にかかる税金を税理士が解説|Aerial Partners寄稿
よくある質問
最後にチェーンリンク購入に関する「よくある質問」と回答を掲載します。
- ―未成年でも買えますか?
-
回答
多くの交換業者が利用条件に18歳以上であることを挙げていますが、OKCoinJapanのように未成年でも口座開設できる交換業者もあります。OKCoinJapanに未成年が登録する場合は本人確認書類以外に、親権者の同意書、親権者との続柄確認書類を提出する必要があります。
- ―クレジットカードで購入できますか?
-
回答
以前は購入できる交換業者が複数ありましたが、価格変動の大きさを懸念するカード会社の希望もあり、現在は多くの交換業者がクレジットカードの受付を行なっていません。Zaifはウェブサイトで、「Zaifカード」であれば入金に利用できると説明しています。
- ―法人でも購入できますか?
-
回答
法人でも国内の交換業者に口座開設して購入を行うことが可能です。個人と比較して利益に課される税率を抑えることができる場合があったり、サービス内容が異なったりすることがあるため、交換業者のウェブサイトなどを確認しましょう。
- ―チェーンリンク投資は儲かりますか?
-
回答
チェーンリンクや他の仮想通貨に限らず、必ず利益が出る金融商品はありません。一方で、他の金融商品とは違った特徴があって資産を多様化できたり、企業や機関投資家からの注目度が高まってきたりしていることは事実です。本記事の内容を踏まえて、投資対象として価値があるかをご自身で判断しましょう。
まとめ
以上がチェーンリンクの魅力と投資対象としての特徴についての解説でした。どんな金融商品にもメリットとデメリットが存在するように、チェーンリンクにもリスクと魅力が共存しています。
近年、日本の取引所からの仮想通貨流出や大幅な価格下落といった事象もあり、投資リスクの高さを実感する方も多いでしょう。しかし、その一方で、チェーンリンクはオラクル市場における先駆者として、CCIPやステーキングなど先進技術による新たな成長機会が期待されています。市場参加者がまだ少なく、早期参入ができる点も大きな魅力です。
取引所の口座開設には多少の時間と手間がかかりますが、費用はかからないため、将来的な利益を狙うチャンスを逃さないためにも、まずは口座を作成しておくのが良いでしょう。一方で、投資にあたっては高いボラティリティや技術開発の進捗、さらには競合状況といったリスクにも十分注意し、常に最新の情報をチェックすることが重要です。
投資判断における注意点
- 高いボラティリティ: チェーンリンクは短期間で大きな価格変動を示すため、適切なリスク管理が不可欠です。
- 技術開発の進捗: CCIPやステーキングv0.2など、主要技術のアップデートの成功が将来的な価値に大きな影響を与える可能性があります。
- 競合状況: オラクル市場における競争の激化が、LINKの市場シェアや価格に影響を与えるリスクも存在します。
記事の監修者
記事の監修
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