はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米シルバーゲート銀がSECと和解へ、仮想通貨監視システムの不備が原因

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「法的遵守プログラムに欠陥」と指摘

米証券取引委員会(SEC)は1日、シルバーゲート銀行の親会社であるシルバーゲート・キャピタルコーポレーションおよび、アラン・レーン前CEO、キャスリーン・フラハー前最高リスク管理責任者を、投資家を誤解させたとして告発した。

シルバーゲートは、SECの申し立てた内容を認めることも否定することもせずに、5,000万ドル(約81億円)の民事罰金の支払いと差し止め命令に同意し、SECと和解している。

レーン氏とフラハー氏も容疑を認めたり否定したりすることなく和解し、永久差止命令、役員および取締役の5年間の職務停止、およびそれぞれ100万ドル(約1.6億円)と25万ドル(約4,040万円)の民事罰金支払いに同意した。これらの和解内容は裁判所の承認を待っているところだ。

陳述によると、2022年11月から2023年1月にかけて、シルバーゲートおよびレーン氏とフラハー氏は、シルバーゲート銀行が有効な銀行秘密法/マネーロンダリング防止プログラムを実施していると述べていた。

また、破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXなど、リスクの高い仮想通貨企業の顧客について継続的に監視していると主張していたとされる。

SECは、こうした説明とは異なり、シルバーゲートの自動取引監視システムは同銀行の決済プラットフォームで行われていた取引を適切に監視できていなかったと申し立てた格好だ。

SEC執行部門のガービル・S・グレワル責任者は次のように説明した。

シルバーゲートは、同社の銀行で最大の顧客の1つであるFTXの破綻を受けて、法的遵守プログラムに重大な欠陥があったことを投資家に伝えることをせず、逆にプログラムの健全性について投資家をさらに誤解させるような方向に進んだ。

実際、こうした欠陥のせいで、シルバーゲートはFTXとその関連企業間の疑わしい送金を約90億ドル(約1.5兆円)も検出できなかったとされる。シルバーゲートの株価は最終的に暴落し、投資家の市場価値は数十億ドルも失われた。

SECは、シルバーゲートがFTXの破綻後の流動性危機の中、収益報告の電話会議で、予想される証券売却によるシルバーゲートの損失を過小評価し、2022年12月31日時点で十分な資本が残っていると虚偽の報告をしたとも主張している。

SEC(証券取引委員会)とは

株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。

▶️仮想通貨用語集

FTX破綻の年に流動性危機

シルバーゲート銀行は、仮想通貨業界で債務不履行が連鎖しFTXが破綻した2022年に、仮想通貨関連顧客の預金額が9月の約1.5兆円から12月には約5,060億円にまで減少している。

さらにその後2023年3月に、自己資本が十分でない可能性があり、事業を見直しているとSECに伝えた。これを受けて、コインベースやステーブルコイン発行企業Paxosらが同行との取引を停止。シルバーゲート・キャピタルの株価は急落した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は2023年10月に、シルバーゲート銀行破綻に関する報告書を発表。急速な成長、多層的な資金調達リスクなどの他に、仮想通貨業界の顧客に焦点を当てた事業戦略などが原因だったとしている。

関連シルバーゲート銀の破綻背景に仮想通貨業界への依存、FRBが指摘

FRBは2023年2月、米連邦預金保険公社(FDIC)、米通貨監督庁(OCC)と共に仮想通貨企業と取引を行っている銀行に対して、リスク管理を呼びかける声明を発表している。

関連米FRBら、仮想通貨業界の資金を取り扱う銀行に注意喚起

また銀行の仮想通貨関連事業に関して、米国のジョー・バイデン大統領は5月、銀行などの金融機関が仮想通貨を保管することを困難にするSECの会計公報121号(SAB121)を覆す議会の決議案に拒否権を発動した。

関連バイデン大統領、SECの仮想通貨ガイドライン覆す決議案に拒否権発動

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/20 火曜日
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。
06:05
SEC、ソラナ現物ETFへの決定を延期 21SharesとBitwiseが対象
米証券取引委員会が21SharesとBitwiseのソラナETF提案について決定期限を延期し、パブリックコメントを求めると発表。Canary、VanEckも含む複数企業が仮想通貨ETF承認を競う中、SECの審査が本格化へ。
05:45
米メガバンクJPモルガン、顧客のビットコイン購入を許可
CNBCによると、JPモルガンのダイモンCEOが顧客によるビットコイン購入を許可すると発表。長年の仮想通貨批判にも関わらず顧客選択の自由を重視。
05:35
1100億円相当のビットコインを買い増し、セイラーのストラテジー社
米ストラテジー社は19日夜、2025年5月12日から18日の間に総額1,100億円を投じて、7,390 BTCを購入したことを報告した。
05/19 月曜日
18:00
Bitcoin革命、ZK技術で実現するBitcoinOSのアプローチ
ビットコインの可能性を広げるBitcoinOS(BOS)は、ZK技術を活用してビットコインのコードを変更せずにスマートコントラクト機能やスケーラビリティを実現。BitSNARK、Grailブリッジ、xBTCなどの革新的プロダクトで、ビットコイン中心の統合エコシステムを構築。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧