Web3領域への出資が牽引
米大手暗号資産(仮想通貨)投資企業Galaxy Digital(ギャラクシーデジタル)は4日、2024年第2四半期(4~6月)における仮想通貨・ブロックチェーン企業への投資市場について報告した。
第1四半期(1~3月)に観測された仮想通貨ベンチャーキャピタル(VC)の投資意欲は回復は継続していると指摘している。取引件数は第1四半期の603件から577件に減少したものの、投資された資本は第1四半期の25億ドル(約3,960億円)から32億ドル(約5,070億円)に増加した格好だ。
一方で、2021年から2022年にかけての強気相場と比較すると大幅に低い水準にとどまっている。ギャラクシーデジタルは、次のように続けた。
ビットコインとイーサリアムの市場価格が年初来で約50%上昇しているため、投資された資本は前四半期比28%増加しているが、取引件数はほぼ横ばいだ。
このペースが年末まで続くとすれば、2024年は2021年と2022年に次いで投資資本と取引件数が多い年となる。
カテゴリー別では、Web3とレイヤー1プロジェクトへの出資が目立った。Web3、NFT(非代替性トークン)、DAO(自律分散型組織)、メタバース、ゲームなどがWeb3カテゴリーと定義されている。
このカテゴリーが投資額全体の24%を占め、約7億5,000万ドル(約1,190億円)を調達した。Farcaster(1億5,000万ドル)とZentry(1億4,000万ドル)が牽引している。
FarcasterはWeb3型SNS、Zentryは、 MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)のプラットフォームである。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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ビットコインL2も活発
ギャラクシーデジタルは、ビットコインのL2プロジェクトにも引き続き多額の投資が行われていると指摘した。2Qには前四半期比174%増の9,460万ドル(約150億円)を調達している。
ギャラクシーデジタルは、DeFi(分散型金融)やNFTなどのプロジェクトをビットコインエコシステムに引き寄せるという投資家の期待は依然として高いと続けた。同社の調査によると、少なくとも65のプロジェクトが「ビットコイン・レイヤー2」だと名乗っているところだ。
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地理的にみると、2Qには全取引の40%以上が米国に本社を置く企業に関するものだった。その他に英国は10%、シンガポールは8.7%、アラブ首長国連邦(UAE)は3.13%、香港は2.78%だった。
ギャラクシーデジタルは、米国が引き続き仮想通貨スタートアップエコシステムをリードしているが、規制の逆風により、企業が海外に移転せざるを得なくなる可能性があるとも述べている。
米国が長期的に技術と金融のイノベーションで中心にいるために、政策立案者はその行いが仮想通貨・ブロックチェーンのエコシステムに与える影響を意識する必要があると意見する形だ。