若者の仮想通貨投資
老後2000万円問題や年金制度への不安を背景に、若い世代からの資産形成の重要性が高まっています。
2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられたことを受け、これまで20歳以上に限定されていた仮想通貨取引も、18歳から可能な取引所が増加。
さらに、同年から始まった高校での金融・投資教育の必修化も相まって、10代の若者の間で仮想通貨投資への関心が高まっています。
しかし、仮想通貨市場特有の価格変動リスクや、取引所によって異なる年齢制限、未成年特有の注意点など、投資を始める前に理解しておくべき重要な事項があります。
本記事では、未成年者が仮想通貨取引を始めるにあたって知っておくべき基礎知識や、各取引所の利用条件、そして安全に投資を始めるためのポイントを詳しく解説します。
目次
仮想通貨取引所は何歳から利用できる?
仮想通貨を購入する最も一般的な方法は、仮想通貨取引所の利用です。日本では、金融庁から仮想通貨事業者ライセンスを取得した正規の事業者が30社前後存在し、ビットコインをはじめとする仮想通貨取引サービスを提供しています。
国内の多くの仮想通貨取引所では、成年に達している(現在は18歳以上)方であれば、口座開設が可能です。2022年4月の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、18歳以上の方が口座開設を行える取引所が増えています。
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以下では、18歳から利用できる事業者と20歳からの事業者を分けて、それぞれ一覧にまとめました。
18歳以上対応業者
取引所 | 条件 | 取引方法 | 特徴 | サポート体制 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
SBI VCトレード
|
満18歳以上から申し込み可 75 歳以上はレバレッジ取引不可 |
現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
ビットコイン・イーサリアム・ソラナを全て取扱う | お問合せフォーム、AIチャット 有人チャット(平日10時~17時) |
– |
bitbank
|
満18歳以上、75歳以上も可 |
現物取引(販売所、取引所) | アルトコイン(板取引)の通貨数国内最大級 | お問合せフォーム | – |
BITPOINT
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満18歳以上80歳以下 |
現物取引(販売所、取引所) | ツバサガバナンストークン国内初上場。 | お問合せフォーム | – |
bitFlyer
|
満18歳以上 レバレッジ取引は20歳以上80歳以下 |
現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
ビットコイン取引量国内No.1 *1 | お問合せフォーム、 電話対応*2(平日:9時30分~17時30分) |
*Bitcoin日本語情報サイト。国内暗号資産交換業者 2021年間出来高(差金決済/先物含む) *2不正利用への応対要請などに限る |
BitTrade
|
満18歳~75歳未満 |
現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
コスプレトークン(COT)取扱い | お問合せフォーム | – |
Coincheck
|
満18歳以上74歳以下 | 現物取引(販売所、取引所) | IEOやNFTマーケットプレイス等、注目のサービス多数。マネックスグループ運営 | お問合せフォーム、FAQ 電話対応*(平日:10時~17時) |
*電話対応は口座開設に関する問い合わせのみ |
20歳以上対応業者
取引所 | 条件 | 取引方法 | 特徴 | サポート体制 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
GMOコイン
|
満20歳以上上限はなし | 現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
ビットコイン・イーサリアム・ソラナを全て取り扱う | お問合せフォーム、チャット(受付時間:平日9:00〜18:00) | – |
CoinTrade
|
20歳以上75歳未満 | 現物取引(販売所) | 上場企業グループ運営、全ての操作がスマホで | お問合せフォーム、 | – |
楽天ウォレット
|
満20歳以上満75歳未満 | 現物取引(販売所) レバレッジ取引 |
スマホアプリ特化、楽天ポイントを交換できる | お問合せフォーム、AIチャット | 楽天グループ運営 |
未成年の口座開設条件
一部の仮想通貨取引所では、18歳未満の未成年者でも取引が可能な場合があります。ここでは、OKCoin JapanとBTCboxに焦点を当て、それぞれの利用条件についてご紹介します。
これらの取引所は、未成年者が口座を開設するために必要な情報や手続きが異なります。各取引所の具体的な条件について見ていきましょう。
取引所 | 条件 | 取引方法 | 特徴 | サポート体制 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
OKCoinJapan
|
未成年者(18歳未満)の口座開設には「未成年の口座開設及び取引に係る同意書」の提出が必要 | 現物取引(販売所・取引所) | ビットコイン・イーサリアム・ソラナを全て取扱う | お問合せフォーム | – |
BTCBOX
|
未成年の方も開設が可能ですが、取引を行う主体は親権者 | 現物取引(販売所・取引所) | 2014年設立、暗号資産交換業登録 関東財務局長 第00008号の老舗 | お問合せフォーム | – |
OKCoin Japanにおける未成年の口座開設条件
- 年齢制限: 16歳以上18歳未満の未成年者が対象
- 必要書類: 宣誓事項へのチェックの後、2名の保護者情報を入力。個人番号カード、パスポート、住民票の移し、健康保険証などを使って申請できる。加えて「未成年の口座開設及び取引に係る同意書」のアップロードが必須となる。
- 注意点: 16歳未満の方は口座開設が不可能
OKCoin Japanでは、未成年者の取引に際しては法定代理人の同意が不可欠であり、未成年者自身の自由な取引を制限することで、リスク管理を図っています。
「未成年者の口座開設および取引に関する同意書」では、法定代理人(主に親権者)が、OKCoin Japan株式会社での口座開設および取引を含む一切の行為に同意し、取引によって何らかの問題が生じた場合にはその責任を負うことを確約します。
BTCBOXにおける未成年の口座開設条件
- 取引主体者: 未成年口座の取引主体者(取引等の操作を行う方)は取引責任者の親権者になります。
- 同居要件: 未成年申込者は同意する親権者と同居することが必須
- サービス制限: BTC融資サービスは利用できない
- 必要書類: 氏名・住所・生年月日が確認できる本人確認書類、親権者の同意書、親権者との続柄確認書類
- 追加確認手続き: 親権者の同意の確認のため、BTCBOXから親権者への電話連絡が行われる
BTCBOXでは、未成年者の口座開設にあたって、より詳細な条件が設定されており、未成年者と親権者の関係性、同居状況にまで踏み込んだ確認が行われます。
また、未成年者による自立した取引は想定されておらず、取引に関しては親権者が主体となることが明確にされています。
仮想通貨投資の始め方
仮想通貨取引所を未成年から利用するメリット・デメリット
仮想通貨の利用が進む中、取引所での売買が手軽にできるようになり、これまで述べてきたように未成年からの利用も注目されています。
しかし、未成年が仮想通貨取引所を利用することにはメリットとデメリットの両方があり、それぞれの側面を理解することが重要です。
仮想通貨取引所を未成年から利用するメリット
未成年から仮想通貨取引に触れることは、金融リテラシーを早くから学べる点が大きなメリットです。
金融知識の向上:少額からでも仮想通貨を実際に取引することは、資産の増減を体験しながら、投資に対する理解を深める機会となり、将来的な金融知識の向上につながります。
最新技術の学習:技術的な側面やブロックチェーンについて実体験を通じて詳しくなり、最新の技術について学ぶきっかけにもなるので、次世代の金融システムに早期から関わることができます。ブロックチェーンゲームやNFTなどを自分で体験することは、デジタルネイティブとしての強みをさらに高める助けとなるでしょう。
仮想通貨取引所を未成年から利用するデメリット
未成年から仮想通貨取引所を利用することにはリスクもあります。
金銭的リスク:価格変動が大きい仮想通貨市場では、損失が発生する可能性もあります。
詐欺・不正アクセス:仮想通貨には詐欺や不正アクセスのリスクもあるため、慎重な取引が求められます。
セキュリティ対策:未成年には取引所のセキュリティ対策について、十分な知識がない場合も多く、トラブルに巻き込まれるリスクも考えられます。
仮想通貨取引所を未成年が利用するときの注意点
仮想通貨取引に興味を持つ未成年者が増えていますが、取引を始める前に知っておくべき重要な注意点があります。
以下の3つのポイントを十分に理解しておくことをおすすめします。
- 仮想通貨の購入の前には家族に相談する
- 仮想通貨の購入は余剰資金で行う
- 確定申告を行う可能性がある
関連:仮想通貨(ビットコイン)投資の始め方|おすすめ戦略と注意点も【初心者向け】
仮想通貨の購入の前には家族に相談する
仮想通貨取引は価格変動が激しく、大きなリスクを伴う投資です。
未成年者の場合、取引所への登録や取引にあたって親権者の同意が必要となることがほとんどです。
また、投資の知識や経験が浅い場合、思わぬ損失を被る可能性もあるため、必ず家族と相談し、理解を得てから始めることが賢明です。
仮想通貨の購入は余剰資金で行う
仮想通貨に限らず投資全般に言える事ですが、最悪の場合、投資した資金が大きく目減りする可能性があります。
そのため、生活に必要な資金や学費などは決して投資に回さず、あくまでも余剰資金の範囲内で取引を行うようにしましょう。
また、余剰資金での投資は、長期的な視点での利益を得ることを目指す上でも有効です。
確定申告を行う可能性がある
仮想通貨取引で利益が発生した場合、確定申告が必要となる場合があります。
特に、年間20万円を超える利益が出た場合は、雑所得として申告する義務が生じます。
さらにアルバイトなどの給与所得も含めて、合算で38万円を超えた場合は、家族の扶養対象から外れてしまい、親権者が多くの税金を納めなければいけないので、注意が必要です。
まとめ
本記事では、未成年が仮想通貨(ビットコイン)投資を始めるに当たって、取引所の年齢制限、メリット・デメリット、注意点まで、仮想通貨を始めるために知っておくべき情報を解説しました。
未成年でも利用できる仮想通貨取引所の口座開設から始めて、まずは少額から仮想通貨を購入して、仮想通貨を始めてみましょう。
仮想通貨投資の始め方
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