CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引で注意すべきポイントとは?トラブル対処法と心構え

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

こんにちは、主婦コイナーのMaki(@maki_coin)です。

前回は、仮想通貨を売買するための取引所について解説し、口座開設の手順や注意点をご紹介しました。

今回は、仮想通貨取引をする前に知っておきたい注意点や、考え得るリスク、対策についてご紹介します。

「仮想通貨は怪しい」
「盗まれてしまうのでは?」

…など、仮想通貨に向けられる目は冷ややかなこともあります。

実際にハッキングや詐欺などのトラブルに遭う人も多く、仮想通貨のイメージはまだまだ良いとは言えません。こうしたトラブルに遭わないためにも、仮想通貨取引の前に知識を蓄え、備えておきましょう。

1. 仮想通貨取引の前に注意すべきこと

仮想通貨は目に見えないもののため、取り扱いには注意しなければなりません。

売買、送金などは基本的にパソコンやスマートフォンを操作しますが、自分の操作ミスで保有している仮想通貨が二度と売買できなくなることもあります。

とは言え、操作ミスをはじめ、自分で気をつければ防げるトラブルが多いのも事実です。

どのようなトラブルがあるのかを知り、一つずつ対策しましょう。

2. 操作ミスによるトラブル

まず、操作ミスによるトラブルです。よくあるのが、送金先のアドレスを間違えてしまったり、「イーサリアム(Ethereum)」と「ポリゴン(Polygon)」などネットワーク(回線)を間違えてしまったりすることです。

仮想通貨を保有するためには、ウォレットと呼ばれるインターネット上の財布が必要ですが、ウォレットにはすべてアドレスと呼ばれる番号が存在します。

ビットコインなどの仮想通貨を送金する際には、ウォレットのアドレスを住所に設定し送金する仕組みです。

通常、アドレスは間違えないようコピーして用いますが、誤って文字を消してしまったり、手動でアドレス入力をしたりして送金してしまうトラブルがあります。

こうした送金ミスが起こった際、取引所によって対応は異なりますが、基本的には仮想通貨は返ってこないと思っておきましょう。

関連:仮想通貨にひそむ投資リスクの「落とし穴」とは|事例から対処法を詳しく解説

2-1. 操作ミスを防ぐための対策

送金ミスなどの送金ミスを防ぐために、いくつかできることがあります。

・ウォレットアドレスは必ずコピーして使う
・いきなり大きな額を送金せず、少額をテスト送金する
・ミスが発生した場合、取引所に問い合わせる

取引所への問い合わせによって資産が返ってきたケースもありますが、すべてがそうではありません。こうしたミスが起きないよう、何度もアドレスを確認して送金する癖をつけましょう。

ちなみに、操作ミスによって資産を失ってしまうことを「セルフGOX(ゴックス)」と呼びます。

東京にあった仮想通貨取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」でビットコインの流出事件が起こったのをきっかけに、資産を失うことを「GOX」と呼ぶようになりました。

3. SNSを通じたトラブル

仮想通貨の情報収集はSNS、とりわけTwitter(ツイッター)を利用するケースが多くみられます。情報収集をするうちに他のユーザーと仲が深まったり、フォロワー数が増えたりすることもあるでしょう。

そこで起こり得るのが「おいしい話を持ち掛けられる」ことです。

たとえば、フォロワー数の多さを利用したPRを依頼されたり、投資案件を持ち掛けられたりしますが、これらの中には資金調達が目的の詐欺も多く含まれています。

安易に引き受けてしまうと、情報を見たフォロワーが詐欺案件にお金を投じ、その後運営が資金を持って蒸発してしまうなどのトラブルに発展する可能性があります。

他にも、次のようなトラブルが起こっています。

・代行運用のためにお金(仮想通貨)を預かって返ってこない
・SNSを通じて親交が深まった異性に仮想通貨を勧められて購入したが持ち逃げされた
・投資のタイミングなど有益な情報を教えてもらえるサロンに参加したが参加費を持ち逃げされた

特に、トレーダーがトレード方法を教える目的で行う「有料サロン」はトラブルに発展しやすく、中には違法行為に該当するものもあります。

3-1. SNSトラブルを防ぐための対策

SNSを通じたトラブルにはさまざまなパターンが見られますが、共通して言えるのは他の人にお金や仮想通貨を預けてはいけないということです。

仮想通貨投資で多くの資産を築いたことや、仕事を辞めて悠々自適に過ごす様子がタイムラインに流れてくるかもしれませんが、事実かどうかはわかりません。

もちろん「仮想通貨で億り人になった」という人は実際にいるものの、その人が言う言葉を信じてお金を預けるようなことは止めましょう。

SNSで発信する内容を鵜呑みにせず、程良い距離感を保つように心がけましょう。

4. 海外取引所を使うリスク

仮想通貨の売買は、国内の取引所だけでなく海外の取引所を主に使う人も少なくありません。

日本に住むユーザーが海外取引所を使うのは違法行為ではないものの、金融庁は「無登録業者」として警告を発表したこともありました。

警告を受けたことがある海外取引所

Binance(バイナンス)
Bybit(バイビット)
Bitforex(ビットフォレックス)など

海外取引所が日本に住むユーザーに向けてサービスを提供するためには、金融庁の許可を得る必要があります。

金融庁の定めるルールは厳しく、国内取引所に比べて海外取引所では取扱銘柄が豊富だったり、レバレッジの倍率も高かったりするのはそのためです。

一見ルールのゆるい海外取引所ですが、仮想通貨の認知度向上とともに各国でルールが厳しくなってきました。

4-1. 突然の利用停止も考えられる

日本人ユーザーも多い海外取引所「FTX」は2021年11月16日、日本に住むユーザーの利用を一時的にストップし、大きな反響がありました。また、FTXは2021年9月に日本居住者の新規登録を停止しています。

同じように、BitMEXやKuCoinなどの大手取引所も日本居住ユーザーの利用を停止しています。

このように、海外取引所の利用は違法ではないものの、いつどのようなタイミングで利用できなくなるかはわかりません。

多くの場合、資産引き出しの猶予はありますが、完全に出金できるまでは大きな不安がつきまといます。

4-2. 海外取引所で起きるトラブルの対策

海外取引所は取扱銘柄が多く、これから成長が期待される銘柄も数多く上場されています。

しかし、有望視される銘柄もプロジェクトが行き詰まり、運営が突然蒸発してしまうこともあります。

さらに、海外取引所の多くは日本での営業を許可されていません。

過去に日本居住ユーザーの利用をストップしたHuobiは、国内取引所のビットトレードを買収する形で日本に進出し、現在はHuobi Japanとしてサービスを提供しています。

このように、正当な形でサービスを提供している取引所の利用を基本とし、海外取引所の利用はリスクが高いことを理解しておきましょう。

また、どのタイミングで日本居住ユーザーが利用停止になるかもわかりません。

それでも海外取引所を利用する場合は、Twitterなどで情勢をチェックしながら、突然の利用停止で資産を失わないように常に注意しましょう。

多くの資産を取引所に預けないのは、海外取引所に限らず国内取引所でもトラブルを避けるため、基本的な対策と言えます。

5. 複雑な税制

仮想通貨は税制上、所得税の課税対象になり、雑所得と呼ばれる種類に分けられます。

所得は給与所得や事業所得など多くの種類がありますが、雑所得はこのどれにも当てはまらないものを指します。

仮想通貨の税制は非常に複雑で、ある程度利益を得られるようになると確定申告が必要です。

確定申告が必要な人は次の通りです。

・給与収入がある人(→年間20万円以上の利益がある場合)
・専業主婦(主夫)や学生など扶養されている人(→年間33万円以上の利益がある場合)
・医療費控除やふるさと納税などで確定申告をする人(→年間20万円未満の利益でも確定申告が必要)

自営業の場合は、金額にかかわらず確定申告時に計算して申告しましょう。

仮想通貨は売却して利益を得たとき、違う仮想通貨に交換したときなど、さまざまなタイミングで計算しなければなりません。

たとえば、持っていたビットコインをイーサリアムに換えたときや、ビットコインを売却して日本円にしたときなどです。

さらに、仮想通貨は取得した方法やタイミングによって、税金が発生するかどうかが変わります。

関連:【確定申告特集1】知っておきたい仮想通貨にかかる税金を税理士が解説|Aerial Partners寄稿

5-1. 税金トラブルの対策

繰り返しになりますが、仮想通貨を取り巻く税制はとても複雑です。取引する機会が増え、自分で確定申告が難しくなった場合は放置せず、専門家に相談しましょう。

また、自身で確定申告する場合は、国税庁が発表する税務上の取扱い資料を参考に計算しましょう。

ハードフォークで得た所得(仮想通貨)は課税対象にならないマイニングは課税対象になるなど、どのようなアクションが課税対象になるのかを把握しておくのも対策の一つです。

6. 想定しづらいトラブル

送金ミスや詐欺トラブルなどは気をつけていれば防げるものがほとんどです。しかし、中にはハッキングのように想定しづらいトラブルも発生します。

2018年1月に起こったコインチェックのハッキングをはじめ、2019年5月にはバイナンスでのハッキング、同年7月にビットポイントジャパンでもハッキングが起こりました。

他にも、いつの間にか自分の取引所アカウントが乗っ取られてしまい、持っていた仮想通貨をすべて別の場所へ送金されてしまったなどのトラブルもあります。

いつ、どのようなタイミングでこうした予期せぬトラブルが起こるかはわかりませんが、被害を最小限に食い止める工夫はできます。

6-1. 先回りして対策をしよう

まず、取引所には多くの資金を預けないことが重要なポイントです。

取引所に資金があると、価格変動時にすぐ対応できるのは大きなメリットですが、ハッキングの被害に遭うと被害額が大きくなってしまいます。

対策としては、できるだけ預けっぱなしにしないことや、複数の取引所に少しずつ預けておくこと、こまめに出金することなどが挙げられます。

関連:仮想通貨相場の安定した稼ぎ方|複数の取引所を開くメリットと分散投資のすすめ

また、アカウント乗っ取りによる被害は、ログイン時のセキュリティを強化する二段階認証の設定や、フィッシングサイトへの注意を払うことで防げる可能性が高いでしょう。

フィッシングサイトとは、取引所やサービスそっくりの偽サイトを作り、そこでパスワードや個人情報を抜き取る詐欺サイトです。

サイトへアクセスする際は必ずURLを確認し、少しでもおかしいと感じた場合は送金などの作業を中断しましょう。

7. トラブルはいつでも起こり得る、慌てず対応しよう

仮想通貨は取扱いが難しいイメージですが、送金ミスやフィッシングサイトに気をつけたり、セキュリティを高めるよう面倒でも認証方法を複雑にしたりすれば、誰でも安全に扱えます。

今回は、仮想通貨投資で起こり得るトラブルと、その対策についてご紹介しました。誰もが一度はこうしたトラブルを経験するのではと思いますが、その時に慌てず対応できるよう知識を身に着けておきましょう

次回は、仮想通貨投資における「情報の集め方」について詳しく解説します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア