
ソラナ
ソラナ(SOL)は、高速な処理能力と低コストを実現した次世代のブロックチェーンとして急速に注目を集めています。現在、仮想通貨の時価総額で第4位、イーサリアムに次ぐスマートコントラクト基盤としての地位を確立しています。
特に開発者にとって使いやすい技術仕様と、ユーザーにとって便利な取引環境の提供により活発なコミュニティが形成されています。
本記事では、ソラナの概要から具体的な購入方法、将来性、投資リスクまで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
ソラナ(SOL)への投資におすすめの取引所
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ソラナの概要
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ソラナとは?
ソラナ(Solana)は、従来のブロックチェーンが抱える処理速度や手数料の課題を解決するために開発された、次世代ブロックチェーンの先駆けです。2020年3月にメインネットのβ版が開始されました。
ビットコインやイーサリアムなどの従来のブロックチェーンでは、利用者が増えると処理が遅くなったり手数料が高騰したりする問題がありました。これを解決するため、多くのプロジェクトは「レイヤー2」と呼ばれる追加の仕組みを導入していますが、ソラナは基盤となるブロックチェーン自体を改良することで、追加の仕組みなしでも高速な処理と低コストを実現することを目指しています。
主要な開発会社であるSolana Labsは、半導体大手クアルコムでエンジニアとして活躍したアナトリー・ヤコヴェンコ氏が同僚と設立しました。ヤコヴェンコ氏は、Dropboxでデータ圧縮の仕組みや大規模なシステム管理を担当した経験を持ち、この実践的な技術知見がソラナの基盤設計に活かされています。半導体設計での並列処理の経験や、大規模データ処理システムでの最適化ノウハウが、ソラナの高速で効率的なブロックチェーン設計の土台となっています。
これをベースに、Solana Labsは独自のWeb3スマートフォン開発を主導するなど、ブロックチェーン技術の実用化に向けた取り組みを展開しています。
Solana Labsは2021年6月、シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)とPolychain Capitalが主導する3億1,415万ドル(約350億円)のプライベートトークンセールを完了するなど、大規模な資金調達に成功しました。
ソラナの技術優位性
ソラナの性能を支えているのが、基本設計に組み込まれた並列処理技術です。ここでは、並列処理を実現する2つの技術、「Proof of History (PoH)」と「Turbine」について紹介します。
ソラナの独自アルゴリズムである「Proof of History (PoH)」は、トランザクションの発生時間を正確に記録する仕組みです。PoHは、各トランザクションにタイムスタンプを付与し、ブロック生成時の順序や正確性を保証。従来のブロックチェーンで課題となっていたトランザクション順序付けの効率が向上し、コンセンサス形成にかかる時間が短縮されています。
さらに、ソラナは「Turbine」と呼ばれるブロック伝搬プロトコルを採用しています。これは、学校の連絡網のような階層型ネットワークを通じて、大容量のブロックを小さな断片に分割して配信する仕組みです。従来のブロックチェーンでは各ノードが個別にブロック全体を送受信する必要がありましたが、TurbineはBitTorrentにヒントを得た非同期の分散配信方式により、確認応答を待たずに次々とデータを伝搬できます。このPoHとTurbineの組み合わせにより、高速かつ効率的なトランザクション処理を実現しています。
関連:Solana Labs唯一の日本人エンジニアが語る、ソラナの魅力
ソラナの基本設計では、「分散性を犠牲にすることなく毎秒5万件のトランザクションを処理可能」とされていますが、現在の実行トランザクション速度(TPS)は約4,000TPSにとどまっています(24年11月27日時点)。これはノードのハードウェア性能やネットワークの利用状況に依存しており、さらなる最適化が進行中です。
また、Jump Cryptoによって開発の進む新しいソラナクライアント『FireDancer』への期待は高く、従来のマシンスペックでより効率・高速化することが可能になります。
関連:ソラナ財団幹部が語る、エコシステムの現状や今後のビジョン|WebX2024インタビュー
仮想通貨ソラナ(SOL)の特徴
ソラナ(SOL)は、ソラナネットワーク上で使用される基軸となる仮想通貨です。アプリの利用手数料の支払いや、ネットワークの維持管理、重要な意思決定への投票など、様々な用途に使用されています。
特筆すべき特徴として、取引手数料として使用されたSOLの50%が自動的に焼却(バーン)される仕組みが採用されています。利用が増えるほど流通量が減少し、価値の上昇が期待できる設計となっています。
SOL新規発行と経済システムについて
ソラナの経済システムは、ネットワークを支えるバリデータ(ブロックチェーンの運営貢献者)への報酬を軸に設計されています。この報酬システムを持続的に維持するため、以下のような発行計画が定められています:
- 総発行量に上限を設けていない
- 流通量は約5.89億SOL(24年11月現在)
- 新規発行(インフレ)率は年15%からスタート
- 24年11月現在のインフレ率は年8%
- 毎年15%ずつインフレ率が低下
- 最終的には年1.5%の安定した発行率に
新規発行されたSOLの大部分は、ネットワークの維持に貢献するバリデータとその委任者に報酬として分配されます。これにより、以下のような持続的な経済循環が生まれています:
- バリデータ:システムの運営維持を担い、報酬を得る
- 委任者:保有するSOLをバリデータに委任することで、報酬の一部を受け取る
- 手数料:バリデータ間の健全な競争により、委任者の負担を抑制
このシステムに参加する最も簡単な方法が「ステーキング」です。次のセクションでは、具体的なステーキングの仕組みと始め方について解説していきます。
ステーキングで報酬を得る
ソラナ(SOL)投資で人気の高い運用手段の一つが、「ステーキング」による収益獲得の機会です。ステーキングとは、保有するSOLをネットワークの維持に活用することで報酬を得られる仕組みです。
現在のSOLステーキング報酬は年率約7%程度となっており、これは多くの伝統的な投資商品と比べても魅力的な水準といえます。ネットワークの安全性に貢献しながら、継続的な収益を得られる点が特徴です。
取引所でのステーキング活用法
「ステーキングは難しそう…」と思われる方にお勧めなのが、取引所が提供するステーキングサービスです。取引所が技術的な作業を全て代行してくれるため、初心者でも簡単に始めることができます。
特長 | 注意点 |
---|---|
年間報酬率 約5%前後(取引所により異なります) |
価格変動リスク 仮想通貨の価格変動リスクは存在 |
最低投資額 1SOLから参加可能な取引所も |
提供条件 取引所によって提供条件が異なる |
解約手続き 取引所によって条件が異なる(SBIVCトレード等では、いつでも解約可能) |
元本保証 元本は保証されない |
関連:ソラナ(SOL)おすすめ取引所、手数料・ステーキング・出庫機能を徹底比較
ソラナ(SOL)への投資におすすめの取引所
ソラナが注目される理由
ソラナは、高速処理と低コストを強みに持つブロックチェーンとして急成長中です。特に、トランプ氏の「アメリカファースト」戦略や公式ミームコイン発行など、新たな動きが市場を活性化させています。
ソラナの将来性
競合比較と成長性分析
先述のETF承認期待に加え、ソラナの成長を支える要因として、実需の拡大が挙げられます。その規模を把握する上で重要な指標が、時価総額とTVL(Total Value Locked:預入総価値)の比較です。TVLは、ブロックチェーン上に預けられている資産の総額を示す指標で、プラットフォームの活性度を測る基準です。
プロジェクト | 時価総額 | セクター内順位 | TVL |
---|---|---|---|
イーサリアム(ETH) | 4,030億ドル | 1位 | 649億ドル |
ソラナ(SOL) | 1,190億ドル | 2位 | 92億ドル |
バイナンスコイン(BNB) | 945億ドル | 3位 | 54億ドル |
時価総額ではイーサリアムの約3分の1ですが、ブロックチェーン上での実際の資金流入を示すTVLは着実に拡大しています。この成長を牽引する主な要因として、以下の2つの分野が注目されています。
DeFi、ステーキング市場の拡大
2024年11月25日時点で、ソラナのDeFiプロトコルにロックされているTVL(Total Value Locked:預入資産総額)は約91億ドル(1.46兆円)に達し、イーサリアムの640億ドルに次ぐ第2位に浮上しています。
TVL急増の主な要因は、リキッドステーキングと呼ばれる新しい運用手法の普及です。JitoやSanctumでSOLをステーキングして、「LST(リキッドステーキングトークン)」と呼ばれる代替トークンを受け取り、DeFiでの運用に利用できます。さらに、LSTを償還する際に、元本のSOLとステーキング報酬分のSOLを受け取ります。:
- リキッドステーキング最大手のJito:
・TVL:約34億ドル(約5,000億円)
・2024年10月の収益:7,892万ドル(約120.8億円)で過去最高を記録
・イーサリアム系のLidoやUniswapを上回る収益を達成 - Sanctum:
・TVL:約18億ドル(約2,700億円)
・Binance、Bybit、Bitgetなど大手取引所と提携
関連:Sanctum(サンクタム)でソラナのステーキング利益最大化する方法
従来のBinance等でのステーキングから、より高い収益を求めてリキッドステーキングに移行するユーザーが増加しており、即時解約が可能な柔軟性も相まって、さらなる成長が期待されています。
ステーキングの基本的な年間利回りは7%程度ですが、リキッドステーキングを活用することで最大18%程度まで収益を高める場合もあります。実際に、76億ドル(1.1兆円)ものSOLがこのリキッドステーキングに活用されています(24年11月時点)。

出典:DUNE
DePINプロジェクトの急成長
ソラナの注目を集めるもう一つの理由が、DePIN(分散型物理インフラネットワーク)の急速な発展です。DePINとは、現実世界のデバイスに基づいたサービスを、ブロックチェーンで管理・運営する新しい取り組みです。

出典:Hivemapper
- Hivemapper(HONEY):一般ユーザーのドライブレコーダー映像を活用して地図データを作成
- Helium:個人がWi-Fiルーターを設置・運営し、通信ネットワークを構築
- Render:個人のPCの処理能力を提供し、CGレンダリングなどに活用
- Teleport:従来の配車サービスをブロックチェーンで分散化
- Nosana:AIの計算リソースを分散的に提供
◆主なDePINプロジェクト
関連:ソラナで拡大する分散型インフラ「DePIN」、2024年注目のプロジェクトを深掘り
2024年第3四半期(7-9月)には、29件のDePINプロジェクトが総額1億7,000万ドル(約250億円)の資金を調達。この金額は前四半期と比べて54%増加しており、投資家からの高い注目度を示しています。
DePINの特徴は、誰もが自分の持つデバイスやリソースを提供することで収益を得られる点です。ソラナの高速・低コストという特性は、このような実用的なサービスと相性が良く、今後さらなる成長が期待されています。
関連:ソラナプロジェクトへの投資需要が堅調推移、3Q(7ー9月)に250億円以上調達
次世代クライアント「Fire Dancer」を計画
Firedancer:Solana FoundationとJump Crypto が開発するクライアントソフトウェア「Firedancer」は、ソラナのトランザクション処理能力とネットワーク全体の回復力を大幅に向上させるように設計されています。Firedancerにより、ソラナは現在の処理能力を超えて、1秒あたり数百万件のトランザクションを処理できるようになる見込み。
このアップグレードは2025年のアップデートが予定されており、ソラナのスループットを最初に20,000TPSに拡張し、高性能ハードウェアであるFPGAやGPUを活用した高速化の取り組みが進められており、最終的には100万TPS以上を目指しています。
関連:ソラナ「Fire Dancer」、ゲームチェンジャーと期待される理由とは?
ソラナコミュニティ日本支部の『Superteam Japan』
CoinPostではソラナコミュニティ日本支部の『Superteam Japan』から寄稿記事をいただいています。Superteam Japanは、Japan Leadである大木悠氏の合同会社がSolana Foundationから助成金(グラント)を受けて立ち上がりました。
Superteamは、各国の代表者がSolana Foundationから助成金を受けて立ち上げるコミュニティであり、自国のSolanaエコシステムの成長を促進することを目的に活動します。24年6月時点でイギリス、ドイツ、インド、ベトナム、ブラジルなど、10カ国以上で活動しており、現在も拡大しています。
関連:ソラナ『Superteam Japan』大木悠氏インタビュー、設立の経緯やコミュニティGDPを高めるための戦略とは
ソラナ(SOL)への投資におすすめの取引所
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