
*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(3/11 AM7時)
仮想通貨ビットコイン(BTC)は3月6日から5日連続で続落し、一時200万円を超える下落幅を記録した。先週、トランプ大統領の署名やホワイトハウスでの仮想通貨サミットの内容が市場の期待に応えなかったことが失望売りを招いた。さらに、ビットコイン準備金法案において最も早期の可決が見込まれていたユタ州での否決も、市場の下落要因となった。加えて、米政権の関税政策や政府支出削減に関する不透明感が強まる中、トランプ大統領が景気悪化(リセッション)を容認する姿勢を示したことにより、市場参加者の不安心理が高まり、下落を後押しした。

出典:Tradingview
また、トランプ大統領がSNSでXRP、SOL、ADAに言及し準備金との関係が期待されていたことについて、ホワイトハウスAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏が「深読みしすぎている」と発言し事実上否定したことで、これら3銘柄の下落幅はメジャーアルトコインのなかで特に大きくなった。
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3月10〜11日相場状況
ビットコインと他の主要アセットクラスとの過去2か月間の相関関係を見ると、株価指数との相関が強まりつつある。具体的には、S&P500との相関係数は+0.55、Nasdaqとの相関係数は+0.60となっており(下図赤枠参照)、仮想通貨独自のイベントが終了したことで、ビットコインがリスク資産として市場全体の動きと同調し始めていることが示唆される。

また、オプション市場の動向を分析すると、プット・コール・レシオ(PCR)はこれまで低下傾向にあったが、直近では急激に上昇している(下図黄矢印参照)。この動きは、トランプ大統領令に対する失望感などを背景に、市場心理が急速に悪化していることを示している。

現状分析(3/11日AM7時)
仮想通貨独自のイベントが一巡したことで、仮想通貨市場は他のリスク資産と同様の動きを見せ始めている。米国の景気悪化懸念が強まる中、資金は株式市場から流出し、安全資産である債券などにシフトしている。この結果、ボラティリティの高い仮想通貨はリスクの高い資産とみなされ、ファンドなどがリスク管理の観点から売却を進めている可能性が高い。
今後の市場動向については、米国の経済指標や政策動向に対する市場の反応が重要な要因となる可能性が高い。
今後の重要な日程
3/12日 米消費者物価指数(CPI)
3/14日 米ミシガン大学消費者信頼感指数
3/18日 米小売売上高
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