はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本の物価3%高騰、仮想通貨市場に与える影響も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国の前例から見る警戒シナリオ

日本のインフレ率が高水準で推移する中、日銀による追加利上げ観測が強まり、仮想通貨を含むリスク資産市場への影響が懸念されている。21日に公表された2月の消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年同月比3.0%上昇し、3カ月連続で3%台を記録した。市場予想の2.9%を上回る数字に、債券市場では長期金利が上昇し、日銀の金融引き締め加速への思惑が広がっている。

仮想通貨市場にとって、中央銀行の金融引き締めは一般的に逆風要因となる。金利上昇によって相対的に国債などのリスクフリー資産の魅力が増し、投資マネーがリスク資産から逃避する傾向が強まるためだ。2022年の米国の事例では、FRBの積極的な利上げサイクルが始まると、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要仮想通貨は大幅な下落を記録した。日本のインフレ持続と日銀の政策転換は、グローバルな仮想通貨市場にも波及効果をもたらす可能性がある。

総務省の発表によると、2月の物価上昇は食料品分野で特に顕著だった。米類の上昇率は80.9%と1971年以降で過去最高を記録し、チョコレートは30.4%、コーヒー豆は22.9%と大幅な上昇を示した。生鮮食品についても、キャベツが130.5%、白菜が129.0%と2倍以上の値上がりとなり、家計への負担が増大している。この物価高が継続すれば、日銀は金融政策正常化のペースを速める圧力に直面する可能性がある。

関連:ビットコイン50万円上昇、FOMC・トランプ演説・SEC動向が影響|仮想NISHI

ブルームバーグの21日の報道によれば、物価上昇を受けて日本市場では長期金利が上昇し、新発10年債利回りは一時1.53%まで上昇した。株式市場では銀行株を中心に買いが入り、東証株価指数(TOPIX)は昨年7月以来の水準に達した。

政府側の対応として、林官房長官は閣議後の記者会見で「引き続き、省力化投資の促進や価格転嫁の徹底などを進め、賃上げ環境の整備に取り組む」と述べ、石破総理大臣が指示した「重点支援地方交付金」や政府備蓄米の活用など、物価高対策の迅速かつ効果的な実施を行う方針を示した。しかし、これらの対策にもかかわらず、インフレが長期化すれば、金融政策との調整が難しくなる可能性もある。

市場関係者の間では、日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)をほぼ無風で通過したことで一時的な安心感が広がったものの、次の政策展開への警戒感は続いている。4月2日に発表される予定のトランプ米政権の新たな関税政策やウクライナ情勢など不透明要因が多い中、日本のインフレ動向と日銀の政策対応は、仮想通貨投資家にとって今後数カ月の重要な観測ポイントとなるだろう。混沌とする環境下での仮想通貨市場の回復力が試される局面となる。

関連:「関税と決算発表が仮想通貨市場の鍵」米コインベース週次レポート

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/21 金曜日
13:05
仮想通貨団体ら、税制改正などをトランプ大統領に要望
ソラナ政策研究所など65以上の仮想通貨団体がトランプ大統領に書簡を提出。税制の改善、規制の明確化、イノベーションや開発者保護の取り組みを求めた。
13:00
Secured Finance CEOが語るJPYC固定金利レンディングの挑戦|独占インタビュー
Secured Finance菊池氏が語るJPYC固定金利レンディングの全貌。日本円を世界の金利ベンチマークにする構想、RWA担保展開、x402対応など最新戦略を独占取材。
11:25
米SEC、今年度の仮想通貨含む執行件数が3割減 アトキンス委員長就任後は記録的低水準に=報告
米SECの2025年度執行件数が30%減の56件、金銭的和解額も45%減の8億ドルと記録的低水準に。トランプ政権下でアトキンス委員長が就任し、仮想通貨規制を大幅緩和。前政権の「執行による規制」から明確なルール作りへ方針転換。
11:02
アバランチ財務企業「AVAX One」、最大63億円規模の自社株買いを承認
仮想通貨アバランチの財務企業AVAX Oneは、取締役会が最大で約63億円規模の自社株買いを承認したと発表。また、購入規模を増やしたり、購入期間を延長したりしていく可能性があるとも説明している。
10:30
バイナンスジャパン、PayPayで暗号資産購入が可能に
Binance JapanとPayPayが連携サービスを開始。PayPayマネーから1,000円で暗号資産を購入可能に。入金手数料無料、24時間365日利用可能、PayPayポイントも使える新サービス。
10:20
ビットコイン続落、トレジャリー企業の売り懸念とFOMC利下げ不透明感で市場心理最悪に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは続落基調が止まらず、一時は7か月ぶりとなる8万5000ドル台まで下落。背景には、世界最大のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社が、MSCIやナスダック100といった主要株価指数から除外される可能性がある。
10:05
コインベース、イーサリアム担保ローンを開始 最大約1.57億円まで借入可能
大手仮想通貨取引所コインベースがイーサリアム担保ローンサービスを開始。最大100万ドルのUSDC借入が可能に。Morphoプロトコル活用でBase上で運用。ニューヨーク州を除く米国ユーザーが利用可能。
09:45
著名投資家レイ・ダリオ、総資産の1%をビットコインで保有 量子リスクを懸念
著名投資家レイ・ダリオ氏が総資産の1%を仮想通貨ビットコインで保有していると表明した。量子コンピューターのリスクや金と比較した価値保存手段としての課題を解説している。
08:50
ビットコイン売り圧力は中期保有者が主因、長期大口は保有継続=VanEckレポート
バンエックが19日に公表したレポートで、ビットコインの売り圧力が長期大口投資家ではなく保有期間3〜5年の中期保有者に集中していると分析した。5年以上保有のビットコインは増加傾向を続けている。
08:25
メタプラネット、ビットコイン戦略のための新たな増資を発表
メタプラネットは、B種永久優先株式の発行を開示。調達した資金は主に仮想通貨ビットコインの財務戦略を推進するために使用すると説明した。
08:00
HashPort Wallet、1inchのスワップ技術を統合
HashPort Walletが1inchのスワップ技術を統合。ブリッジ不要でクロスチェーンスワップが可能に。JPYCを含む暗号資産を複数のブロックチェーン間で効率的に取引できる環境が整った。
07:55
21シェアーズ、ドージコイン2倍レバレッジETFをナスダック上場
仮想通貨ETF大手の21シェアーズが20日、ドージコインに2倍のレバレッジをかけた新ETF「TXXD」をナスダックに上場した。ドージコイン財団の公式組織との独占パートナーシップに基づく商品となる。
07:30
ストラテジー社に指数除外リスクか、最大1.3兆円流出の可能性=JPモルガン警告
マイケル・セイラー氏のストラテジー社が主要株価指数から除外される可能性が浮上し、最大88億ドルの資金流出が懸念されている。JPモルガンが警告を発表し、2026年1月15日にMSCIが最終判断を下す予定だ。
06:45
米上場FGネクサス、50億円相当イーサリアムを売却し自社株買いに充当
FGネクサスが1万以上ETHのイーサリアムを売却し自社株買いに充当した。発行済み株式の8%を純資産価値を下回る価格で買い戻し、現在4万5イーサリアムと3700万ドルの現金を保有している。
06:20
ビットコインが8.6万ドル台に急落、古参クジラのBTC大量売却や利下げ見送り懸念などで
仮想通貨ビットコインが6カ月以上ぶりの安値86593ドルまで下落した。予想を上回る米雇用統計で12月の利下げ確率が40%に低下しBTC初期保有者ガンデン氏が13億ドル相当を売却したことが要因に。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧