
デジタル資産のリーダーへと取り組み
オーストラリア(豪)財務省は20日、暗号資産(仮想通貨)含むデジタル資産業界のイノベーションを促進する声明を発表した。同国を世界的なデジタル資産エコシステムのリーダーにするために取り組んでいくと述べている。
主な計画としては、次の4項目を挙げた。
- デジタル資産プラットフォーム(DAP)のフレームワークを確立
- 決済用ステーブルコインのフレームワークを確立
- 規制サンドボックスの見直し
- デジタル資産技術の潜在的なメリットを安全に引き出す方法を調査する取り組み
豪財務省は背景として、デジタル資産は急速に進化しており、新製品や生産性向上の機会を提供するものだと述べた。また、こうした資産のポテンシャルは、決済システムの合理化から投資やビジネス方法の変革まで、広範囲におよぶとも指摘している。
様々な目的に適するような体制を構築し、イノベーションと消費者保護のバランスをとる、競争力のある経済の構築を進める意向だ。
豪政府は、今後、関係者のフィードバックを求め、2025年中に関連する法律草案を公開協議にかける予定である。
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イノベーション促進政策の詳細
豪財務省によると、新枠組みの対象となるデジタル資産プラットフォーム(DAP)には、仮想通貨取引所、保管(カストディ)契約の提供事業者、一部の仲介事業者などが含まれる。
DAPには、一般的に金融サービスに課せられる義務や、顧客資産保護のための規則、トークンの償還要件、情報開示などの義務が課される見込みだ。
これ以外のソフトウェア開発者、小規模スタートアップ・プラットフォーム、または非金融目的でデジタル資産を使用する企業には、特に規制上の負担が追加されることはないとしている。
また、「規制サンドボックス」は企業が新しい金融商品やサービス、または信用供与をテストするための環境を提供するものだ。これを強化することを検討する。
その他に、豪政府は、金融機関向けの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実現可能性と利点について、オーストラリア準備銀行と共同で検討する予定だ。また、DeFi(分散型金融)へのアプローチも検討していく。
DeFi(分散型金融)とは
ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
オーストラリアでは昨年、初めてビットコイン(BTC)現物を保有するETFが登場している。モノクローム・アセット・マネジメントが提供する「IBTC」がCBOE取引所に上場した。
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