
まだ終結にならず
米証券取引委員会(SEC)とリップル社は4月10日、XRPを巡る訴訟について、法廷外での解決を目指す動きとして、現在の控訴と反訴を一時中断するよう控訴裁判所に共同申請を提出した。
申請書によれば、両者はすでに「原則的合意(agreement-in-principle)」に達しており、今後SECの承認を前提として最終的な解決を進める意向を示している。この動きが認められれば、2020年に始まった長期にわたる法廷闘争は終結に向かう。
訴訟の経緯として、SECは2024年10月に控訴を行い、リップル側も直後に反訴で応じていた。今回の申請では、両者とも訴訟の継続は当事者および裁判所のリソースを浪費する可能性が高く、原則合意に基づき争いを終わらせる方が合理的であると主張している。
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両者は申請書の中で、リップルのCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏と会長のクリス・ラーセン氏もこの合意に関与していることを明記。また、SECが控訴を取り下げ、リップルの反訴も同様に終結させる方向で調整している。
控訴が保留となった場合、SECは60日以内に進捗報告を行う必要があり、最終的な合意に向けた承認プロセスの結果が注目される。なお、これまで第三者から提出されていた新証拠の扱いについては、SECがその正当性を否定しており、訴訟の核心には至っていない。
今回の展開は、今週のリップル社による12.5億ドル規模のHidden Road買収と時期が重なっており、同社の業界内での影響力拡大とあわせて、今後のXRP価格や規制環境に与える影響が注視される。
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