
ビットコインETFの資金フロー
米資産運用大手ブラックロックが提供する暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の現物ETF「IBIT」は28日、2024年1月の取引開始以降、2番目の規模の資金が純流入した。
他の現物ETFの資金フローが純流出かゼロの中、IBITにだけ純流入し、その金額は9.7億ドル(約1,380億円)。これまでIBITへの純流入額が最も大きかったのは、2024年11月7日の11億ドル(現レートで約1,590億円)超だった。
IBITは、保有するビットコインが最も多い現物ETF。先週には、IBITが保有するビットコインの数量が、総供給量の2.8%に達していることが明らかになった。本記事執筆時点でIBITが保有するビットコインの数量は、およそ60万BTCである。

出典:Coinglass
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上述した通り、28日は他のETFと比較してIBITの需要の高さが際立った。この日、最も純流出額が大きかったのはアークの「ARKB」。純流出額は2.2億ドル(約320億円)超だった。
「ブルームバーグ」のETFシニアアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、今回のIBITへの純流入額を受け、「我々が最初に予想した通り、ビットコイン現物ETFは市況が停滞する時もあるが、少しずつ前進している」とコメントしている。
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イーサリアムの現物ETF
28日はイーサリアム(ETH)の現物ETFでも、ブラックロックの「ETHA」に最も多くの資金が純流入した。この日は、ビットコイン現物ETF同様、ETHAにのみ資金が純流入している。
ETHAは、現物ETFが承認される前から取引されていたグレースケールの「ETHE」を除けば、運用資産残高(AUM)が第1位。ETHAのAUMは本記事執筆時点で約22億ドル(約3,100億円)である。
イーサリアムについては、機関投資家のクジラが再蓄積を開始したことが明らかになっている。
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クジラとは
仮想通貨の大口保有者のこと。クジラによる取引は市場価格に影響を及ぼす可能性があるため、しばしば注目される。