
大口保有者は売らずか
Cryptoquant登録アナリストCrazzyblockkは29日、バイナンスへのビットコイン(BTC)流入動態に関する詳細分析を公開した。4月末から5月にかけてBTC流入が大幅増加し、ビットコインの強い価格パフォーマンスと直接的に相関している。
流入増加の主要因は「フィッシュ」(10-100BTC保有)と「シャーク」(100-1000BTC保有)層の活発な動きだ。「クラブ」(1-10BTC保有)層も大きく寄与しており、洗練された個人投資家と小規模機関投資家がバイナンスを中心的な取引・流動性ハブとして積極活用している。
155日以上保有する長期保有者(LTH)からの流入も一貫して増加している。価格上昇期間とLTHの流入急増が同時期に起きる傾向が確認されており、市場サイクルを経験した投資家による利益確定や戦略的リバランスの実行がうかがえる。

出典:Cryptoquant
一方で「ホエール」(1000-10000BTC保有)と「ハンプバック」(10000BTC超保有)といった最大級保有者からの流入は著しく抑制されている。高いBTC価格とLTH活動増加にもかかわらず、最大プレーヤーはバイナンスへの大規模分配を行っていないようだ。
この状況は最大保有者がポジション維持か、OTCデスクなどのチャネルを利用していることを示唆する。
また、CryptoQuantの同日データでも、取引所とマイナーを除く1000-10000BTC保有アドレスが増加傾向にあることが確認されている。

出典:Cryptoquant
最近はストラテジーのみならず、ソフトバンク出資の21キャピタルやゲームストップなど数多くの企業やファンドもビットコイン購入戦略を進めており、大手プレイヤー主導の相場へとシフトしつつある。
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大口保有者の蓄積は投資家信頼度向上の兆候であり、歴史的にビットコイン価格上昇との関連性が高いとされる。今回の分析により、中堅層の活発な利確動きと大口層の慎重なスタンスという二極化した市場構造が浮き彫りになった。
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