はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FOMC利下げ後、ビットコイン市場の課題と展望=Glassnode分析

FOMC前後の市場動向

オンチェーン分析企業Glassnodeは18日、最新の暗号資産(仮想通貨)市場レポートを発表し、米連邦公開市場委員会(FOMC)会合前後のビットコイン(BTC)市場の動向を分析。オンチェーン指標の評価を加えて、今後のトレンドを予測した。

9月17日のFOMCの会合で、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.25ポイント引き下げる決定を下した。ビットコイン市場は会合に向けた利下げ期待で勢いを取り戻し、利下げ確定後も緩やかに上昇した。

9月中旬までビットコインは10万7,800ドル前後で安定し、短期保有者のコスト水準と一致していた。FOMC直前の数日間は、コインベースやバイナンスをはじめとする主要取引所の累積出来高デルタ(CVD)が90日平均から下振れし、スポット市場では売り圧力が発生していた。

一方、無期限先物市場のCVDは、極端な売り圧力から均衡状態へと回復した。これは8月下旬からFOMC会合前まで、買い注文が売り圧力を相殺し、市場の流動性が大幅に改善したことを意味するとGlassnodeは指摘。FOMC前に利下げを見越した投機筋がポジションを積み増し、上昇を支援したことが影響したと評価した。

このように現在の市場動向では先物が大きな役割を果たしているため、Glassnodeは永久先物のOI(未決済建玉)を、短期的な市場センチメントをより的確に捉える指標として用いている。

9月13日にはOIが約39.5万BTCでサイクルのピークとなったが、FOMC後は37.8万〜38.4万 BTCで安定。これはボラティリティの上昇により、レバレッジトレーダーのポジションが強制清算された結果であり、FOMCのようなマクロイベントに対し、先物市場はより敏感になっているとレポートは指摘した。

9月13日から17日にかけてのOIの減少は、一連のショートスクイーズによって引き起こされ、FOMC前の価格上昇を加速させた。しかし、利下げ後の価格調整(11万5,000ドル)によって高レバレッジのロングポジションの強制清算が発生し、ロングサイドの62%が精算された。

関連:BNBが大台の1000ドル突破、DOGEとXRP ETFの取引量はアナリスト予想を大きく上回る

オプション市場の状況

オプション市場では、ビットコインオプションのOIが、過去最高水準の50万BTC近くまで急増した。9月26日の満期日は、9か月にわたり積み上げられてきたOIを反映するため、ビットコイン史上最大規模の極めて重要なイベントとなるとレポートは指摘する。

権利行使価格の幅は広く、下限は9万5,000ドルのプットオプション、上限は14万ドルのコールオプションに集中している。レポートでは、オプション保有者が最も大きな損失を受ける「マックスペイン」(最大の痛手)の水準を11万ドル付近と分析しており、満期に向けて価格がこの水準に引き寄せられやすい傾向があると指摘した。

また、契約の規模を考慮するとヘッジ取引のフローは、スポット価格に大きな影響を与える可能性があり、その影響は満期日(9月26日協定世界時午前8時=日本時間17時)まで続くと見られる。

一方、満期後に市場はより激しい価格変動にさらされる可能性があると付け加えた。

オンチェーン指標による分析と総合評価

FOMC会合後、ビットコインが11万7,200ドルまで上昇したことで、供給量の95%がコストベースを上回って取引されており、含み益の状態となっている。 

注目すべき水準は平均取得価格である11万5,200ドルで、この水準を上回って価格が推移すれば、「需要のモメンタム」(=強気)を維持できるが、この水準を下回った場合、10万5,500ドルから11万5,200ドルのレンジへの縮小リスクが高まる。

このレンジでは、投資家の市場に対する確信が弱まり、売り圧力が増加するリスクがあるとレポートは説明した。

Glassnodeは以上の分析を総合して、現在の市場は次の方向性を見極めようとする局面にあると結論づけた。ビットコインが平均取得価格の水準(11万5,200ドル)を安定的に上回れば、さらなる上昇が期待できる一方、資金フローに不安定な兆しが見られることから、依然として下落リスクも併存する状況だと評価している。

関連:ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告

関連:トム・リー予測、FRB利下げでビットコインとイーサリアムが3ヶ月以内に大幅上昇か

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/03 月曜日
13:40
欧州が仮想通貨・証券の統一監督機関設立を検討 米SECモデルに
欧州委員会が仮想通貨・証券取引所を一元監督する機関を構想している。米証券取引委員会をモデルにしており、ESMAの権限拡大案も検討していると伝えられる。
13:36
FTX債権者は仮想通貨上昇分の恩恵受けられずか 債権実質回収率の試算は9%~46%
仮想通貨取引所FTXの債権者は破綻時の現金相当額で弁済されるため、債権者はビットコインなどの上昇分を受け取れないことになる。債権者代表は、実質回収率は9~46%と推算した。
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。
09:00
Sui DEX「Momentum」、11月上旬にTGE予定 累積取引量250億ドル超でエコシステム基盤化
Sui最大のDEX「Momentum」、210万人のユーザーを獲得。投票型ガバナンスで投票者自身が報酬配分を決定し、プールの手数料を得る仕組みで流動性の安定化を目指す。
07:00
【流通額1億円突破】JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11/02 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、フランスのビットコイン戦略的備蓄法案提出やソラナETFの米上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
11:30
ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインは逆三尊形成中でギリギリの水準。来週のISM統計で景気減速が確認されれば12月利下げ期待が強まり、11.6万ドルのネックライン到達も。今後の展望を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本人新規登録停止に高い関心
今週は、日本初のステーブルコインJPYC始動、SBIインシュアランスグループによる株主優待へのXRP導入、仮想通貨取引所Bybitによる日本人の新規登録停止に関する記事が関心を集めた。
07:30
米国アルトコインETFの審査状況一覧 ソラナやXRP・ドージなど
ビットコインやイーサリアムに続き、ソラナやリップルなど多数のアルトコインETF申請が進行中。2025年の米国規制環境で加速するETF審査状況を整理しました
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧