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決済大手ストライプ支援のL1チェーン「テンポ」、750億円を調達 イーサリアムOBが参画

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

決済特化型で評価額は7,500億円

米決済大手ストライプと暗号資産(仮想通貨)VCパラダイムが支援する決済特化型L1ブロックチェーン「Tempo(テンポ)」が、Thrive CapitalとGreenoaksが主導するシリーズAラウンドで5億ドル(約750億円)を資金調達した。フォーチュンが関係筋の情報として17日に報じた。

テンポの評価額は約50億ドル(約7,500億円)で、Sequoia Capital、Ribbit Capital、SV Angelが参加している。なお、ストライプとパラダイムは今回のラウンドには投資していない。

テンポは、イーサリアム(ETH)と互換性を持ち、1秒間に10万トランザクションを処理できるとされる。AMM(自動マーケットメーカー)を介して、どんなステーブルコインでもガス代(取引手数料)が支払えるなどの特徴がある。

ストライプのパトリック・コリソンCEOは9月、ストライプの取引量のピークに対応できる処理能力が高いチェーンが必要になったと説明。テンポで、決済、送金、少額取引、預金トークン化、AI(人工知能)エージェントによる自律的な決済などを行うことを念頭に置いていた。

テンポは、主にステーブルコイン向けに設計されており、設計パートナーとしてオープンAI、Shopify、Visaなどと協力している。現時点で、チェーンの立ち上げ日や独自トークンを発行するかどうかについて発表はない。

テンポを率いるのは、パラダイムのマネージングパートナーで、ストライプの取締役も務めるマット・フアン氏だ。

関連:ストライプ、ETH互換の決済向けL1チェーン「テンポ」の開発支援を正式発表

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

ストライプは時価総額920億ドル(約14兆円)のフィンテック大手企業。過去1年間で、ステーブルコインインフラ企業Bridgeや、仮想通貨ウォレットプロバイダーPrivyなどを買収して、事業拡大を図ってきた。

著名イーサリアム開発者がテンポへ移籍

イーサリアム開発者のダンクラッド・ファイスト氏は17日、イーサリアム財団を退社し、テンポに参画すると発表した。ファイスト氏はイーサリアムと互換性を持つテンポについて、次のように述べた。

イーサリアムは、世界でも類を見ない強力な価値観と技術的選択肢を備えている。

テンポのオープンソース技術はイーサリアムに容易に統合することが可能で、エコシステム全体に利益をもたらすだろう。イーサリアムとテンポは、同じパーミッションレスの理想を念頭に置いて構築されており、密接に歩みをそろえている。

また、今後もイーサリアムのコミュニティに関わり続け、発展に貢献していくとも述べた。イーサリアムの共同創設者、ヴィタリック・ブテリン氏は次のように述べてファイスト氏を送り出している。

ダンクラッドは優れたリサーチャーであり、ダンクシャーディングやコンセンサス研究など、イーサリアムが今ある上で貴重な貢献をしてきた。彼の新たな取り組みの成功を祈っている。

関連:Huobi創設者が1500億円規模のイーサリアム保有企業設立へ、アジア投資家が参画

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