天然ガスがデータセンターの土台に
米暗号資産(仮想通貨)マイニング大手のMARA Holdings(以下、マラソン)は4日、エネルギーインフラ・物流企業MPLXと、米テキサス州西部に計画中の統合発電・最先端データセンター施設への天然ガス供給で合意書を締結したと発表した。
マラソンのフレッド・ティール会長兼CEOは、MPLXとの協業により、低コストの天然ガス資源を活用し、高性能で効率的なデータセンターの基盤を構築することができると述べた。また、次のように続けている。
当社は事業統合型のアプローチにより、電力使用量の最適化、余剰発電の収益化、そして地域のデジタルインフラハブへの変革を支援する柔軟性を得ることができる。
プロジェクトの規模拡大に伴い、動的なマイニング電力から高度なAI(人工知能)・高性能コンピュータ(HPC)用電力へと進化していくことが見込まれる。すべてのステークホルダーにとっての価値と選択肢を最大化する。
マラソンは、デラウェア盆地全域にわたってMPLXが所有する施設の近隣に、複数の発電施設とデータセンターを建設する計画だ。
初期の電力容量は400メガワットで、最大1.5ギガワットまで拡張可能となる。これらの発電施設にはMPLXから天然ガスが供給される。
マラソンが計画しているデータセンター区画に電力を供給するとともに、MPLXの西テキサス事業にも電力を供給し、MPLXとその顧客への電力供給の安定性を高められる見込みだ。
52,850 BTCを保有 AI・HPC事業を本格化
AIのための電力需要が高まる中、多くのビットコイン(BTC)マイニング企業が、AI・HPCインフラ提供へと多角化を進めている。マラソンの競合では、ライオット・プラットフォームズの株価が過去1年で101%、ハット8マイニングが167%上昇と好調だ。
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一方で、マラソンは過去一年で7%上昇と控えめだが、同社もAI事業を重要視している。7~9月期の決算報告で、ティールCEOは次のように説明した。
私たちのビジョンは、ビットコインとAIという2つのエネルギー需要を、最大限に価値を引き出す単一のプラットフォームに統合することだ。ビットコインマイニングは、活用されないエネルギーを収益化し、電力網を安定化させ、価値を貯蔵する。
AIは、その同じエネルギーを、経済的な生産性と価値を高める洞察に変換する。これら二つを組み合わせることで、私たちが管理するすべての電力の価値を最大化していく。
また、7~9月期にはグランベリーの拠点にAI推論ラックなどを導入しており、高性能コンピューティングに同社のインフラを活用し始めたとも述べた。マラソンが純粋なビットコインマイナーからデジタルインフラ企業へと進化し始めたことを示すとしている。
マラソンの、7~9月期の売上高は2億5,200万ドル(約386億円)で、前年同期比92%増だった。純利益は1億2,300万ドル(約190億円)で、前年同期の純損失1億2,500万ドルから増加している。
また、ビットコイン保有量は52,850 BTC(約8,200億円相当)となった。このうち、17,357 BTCが9月30日時点でレンディングなどでアクティブに運用され利回り収益を生み出している。



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