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「チェーンリンク」の将来性は?トークン化市場に必須インフラ

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トークン化市場に「チェーンリンク」

現預金も不動産も債券も株式も、ブロックチェーン上でトークン化される時代が迫る中、既存金融とブロックチェーンの接続インフラを担う『オラクル』という役割がある。その筆頭銘柄である「チェーンリンク(Chainlink:LINK)」の将来性を解説する。

目次

  1. 拡大するトークン化市場
  2. チェーンリンクとは何か
  3. トークン化における役割
  4. 採用事例
  5. まとめ

第1章:拡大するトークン化市場

市場予測:トークン化は16兆ドル市場へ

現実資産のトークン化(RWA)が、金融業界の次の大テーマになっている。トークン化とは、不動産、債券、株式などの実物資産をブロックチェーン上のデジタルアセットとして表現することだ。

トークン化には、対象資産の分割/小口化、24時間取引可能、仲介業者不要、市場構築と流動性の改善・グローバル投資家へのアクセスなど、従来の金融システムでは実現困難だったメリットが得られる。

主な市場予測

出典:BCG

  • ボストン・コンサルティング・グループは、「トークン化資産が2030年までに16兆ドル(約2,320兆円)に成長し、世界GDPの10%を構成する」と予測(2025年4月)
  • ステーブルコイン市場規模:約2,560億ドル。2028年に2兆ドルへ成長との予測(スタンダードチャータード

実際、RWA(実世界資産)市場は3年で380%成長し、2025年には240億ドルに到達。BlackRockは2024年にトークン化投信「BUIDL」をローンチし、資産規模29億ドルに発展している。

米FRBも注目する「伝統金融とブロックチェーンの相互運用性」

2025年10月、FRBが開催した「Payments Innovation Conference」のパネル「伝統的金融とデジタル資産エコシステムの橋渡し」に、チェーンリンク CEOセルゲイ・ナザロフ氏が登壇した。

登壇企業

  • コインベース(暗号資産取引所)CFO
  • サークル(USDCステーブルコイン発行)社長
  • フランクリン・テンプルトン(資産運用)CEO
  • チェーンリンク(分散型オラクルネットワーク)CEO

取引所、ステーブルコイン、資産運用――前3社は投資家資金の「入口」を担う。一方、チェーンリンクは「インフラ」だ。

ここで課題となるのが、既存金融システムとブロックチェーンをどう繋ぐか。ブロックチェーン上のプログラムは、株価や決済完了通知など外部データを自力で取得できない。この「橋渡し」を担うのがオラクルであり、その地位を確立しているのがチェーンリンクだ。

第2章:チェーンリンクとは何か

チェーンリンク(ティッカー:LINK)は、ブロックチェーンに外部データを供給するオラクルネットワークだ。

チェーンリンクは、ブロックチェーンと外部世界(データ、金融システム、他のチェーン)を接続するミドルウェアとして機能する 出典:blog.chain.link

仮想通貨LINKの基本概要

項目 内容
時価総額 約98億ドル(暗号資産14位)
市場シェア RWAデータフィード・相互運用性で80%超
ポジション ユーティリティ&サービスセクター時価総額1位、L1以外で最大(ステーブルコイン除く)

LINKトークンはネットワークの燃料だ。ノード運営者はLINKで報酬を受け取り、データ利用者はLINKで対価を支払う。利用が増えるほど、トークン需要が高まる。

仕組み:DONとOCR

チェーンリンクの信頼性を支えるのが、DON(分散型オラクルネットワーク)OCR(Offchain Reporting)だ。

  • DON:独立したノードオペレーターが地理的に分散して運営。チェーンリンク自体はノードを運営せず中立性を維持
  • OCR:複数ノードがオフチェーンでデータを集約・合意形成し、合意結果のみをオンチェーンに記録

この分散化により、単一障害点のない金融インフラとして機能する。

第3章:トークン化における役割

トークン化ライフサイクル全体をカバー

チェーンリンクは単なる価格データ提供を超え、トークン化の各フェーズで不可欠な役割を担う。

フェーズ チェーンリンクの機能
発行前 Proof of Reserve:オフチェーン裏付け資産を検証
市場形成 Data Feeds:オフチェーン価格情報を提供
クロスチェーン移動 CCIP:複数ブロックチェーン間で資産を輸送

特にCCIP(クロスチェーン相互運用プロトコル)は、60以上のブロックチェーンを接続し、過去6ヶ月で週平均約9,000万ドルのトークン転送を処理している。

The Chainlink Stack

出典:Chainlink

上図が示すように、DeFi側ではAave、Lido、Compoundなどの主要プロトコルが、伝統金融側ではSWIFT、J.P. Morgan、UBS、Mastercardなどのグローバル企業が、すでにチェーンリンクを採用している。単なる「将来の可能性」ではなく、実用段階に入りつつある点が重要だ。

チェーンリンク(LINK)への投資に

第4章:採用事例

SWIFT連携――11,500金融機関への接続

SWIFTは200以上の国・地域で1万1500以上の金融機関が利用する国際送金ネットワークだ。2023年から実証実験を重ね、2025年11月に統合が本格稼働する見込み。

重要なのは、既存の銀行システムを変更せずにブロックチェーン資産へアクセスできる点だ。銀行はSWIFTの既存インターフェースを使い続けながら、チェーンリンク経由でトークン化資産を取引できる。

J.P. Morgan × Ondo Finance:クロスチェーン決済実証

2025年5-6月、チェーンリンクはJ.P. MorganのKinexysとOndo Financeと共同で、クロスチェーンDvP(同時決済)テストを実施。

  • 資産側:Ondo Chainのトークン化米国債(OUSG)
  • 支払側:Kinexys Digital Payments(許可制チェーン)

資産は各ネットワークに留まり、決済指示のみが移動。パブリックチェーンとプライベートチェーンの安全な連携が実証された。

政府との協業

出典:Chainlink

2025年、チェーンリンクは米国商務省と協力し、主要マクロ経済データをオンチェーン化。ナザロフCEOはトランプ大統領主催のデジタル資産サミットに招待され、上院銀行委員会、財務省、SECとの協議も実施している。

まとめ

トークン化市場は2030年までに16兆ドル規模への成長が予測されている。その市場において、既存金融とブロックチェーンを接続するインフラを独占的に提供しているのがチェーンリンクだ。

LINKトークンへの投資を検討する際は、80%超の市場シェアや主要金融機関との提携といった強みがある一方、Pythなど特定領域での競合台頭や、トークン化市場自体の成長鈍化リスクも考慮する必要がある。

チェーンリンクの技術詳細や購入方法については、以下の記事で解説している。

関連:チェーンリンク(LINK)とは?特徴・買い方・おすすめ取引所を徹底解説

チェーンリンク(LINK)への投資に

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