はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

クラウド基盤バーセルに不正アクセス、仮想通貨プロジェクトも警戒

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • VercelがAIツール経由の不正アクセスを確認
  • DeFiフロントエンドのAPIキー・認証情報に漏えいリスク

第三者AIツールのOAuth侵害が発端

クラウド開発プラットフォームのバーセル(Vercel)は19日、同社の内部システムへの不正アクセスが確認されたと公式ページで発表した。

バーセルはウェブサービスやアプリを手軽に公開できるホスティング基盤として広く普及しており、多くの仮想通貨・DeFi(分散型金融)プロジェクトのフロントエンド、つまりユーザーが実際に操作する画面部分もこのプラットフォーム上で動いている。今回の侵害により、こうしたプロジェクトの認証情報が漏えいした可能性が懸念されている。

関連記事:セキュリティ研究者が1.4億件のデータベース漏洩を発見、複数サービスが対象

サイバーセキュリティ研究者が1億4900万件以上のログイン情報を含むデータベースが保護されずに公開されていたことを発見した。Gmailやフェイスブックなど主要サービスが含まれる。

調査の結果、侵害の入口となったのはバーセル社内で使用していた小規模な第三者製AIツールだったことが判明した。このAIツールはGoogleアカウントと連携する「OAuth(オープン認証)」という仕組みを使っていたが、そのアプリ自体が外部から攻撃を受けた。

OAuthとは「他サービスのアカウントでログインする」機能のことで、「Googleでログイン」ボタンなどが代表例だ。このツールは数百の組織で利用されていたとされており、バーセル以外にも被害が及んでいる可能性がある。

攻撃者はハッカーフォーラム「BreachForums(ブリーチフォーラムズ)」上で、自称「ShinyHunters(シャイニーハンターズ)」を名乗り、Vercelの内部データベース・従業員アカウント・ソースコード・APIキー・GitHubトークンなどを200万ドル(約3億円)で販売していると主張しているとの情報も浮上している。

APIキーやGitHubトークンとは、システム間の連携や開発作業に使われる「デジタルの合鍵」にあたるもので、これが流出した場合、第三者がシステムに不正侵入したり、コードを改ざんしたりするリスクがある。ブロックチェーンセキュリティ企業のスローフォグ(Slow Fog)もこの情報を確認しており、Vercelの内部管理ツール「Linear(リニア)」およびGitHubとの連携機能が攻撃の主な標的になったとみている。

仮想通貨プロジェクトへの影響も懸念

仮想通貨・Web3プロジェクトへの影響も懸念される。バーセルはDeFiアプリのフロントエンド、つまりユーザーが実際にウォレットを接続したり取引操作を行う画面部分を多く抱えるプラットフォームであり、こうしたアプリの多くはAPIキーやブロックチェーンへの接続情報を環境変数として同プラットフォーム上で管理している。

攻撃者がこれらを入手した場合、ユーザーへ偽の画面を表示するフロントエンド改ざんや、外部サービスへの不正アクセスが理論上は可能になる。

関連記事:ハイパーブリッジで約4億円相当の不正流出、初期報告から被害額が約10倍に拡大

ハイパーブリッジのハッキング被害額が約250万ドル(約4億円)に拡大。資金の一部はバイナンスで追跡中で、回収不足時はBRIDGEトークンで補償する計画が発表された。

実際に対応を表明したプロジェクトも出ている。ソラナ上の流動性プロトコル「オルカ(Orca)」は公式X(旧Twitter)で、フロントエンドをバーセル上で運用していることを認めた上で、「予防措置として露出した可能性のある全ての認証情報を更新した」と発表した。同プロトコルのチェーン上の資産およびユーザー資金への影響はないとしている。

一方、セキュリティ専門家の間ではより広範な「サプライチェーン攻撃」への波及リスクも指摘されている。これは広く使われるソフトウェアそのものに悪意あるコードを混入させ、それを利用する無数のシステムを一括して感染させる手法だ。

バーセルはJavaScript開発で世界的に普及するフレームワーク「Next.js」の開発元でもあり、もし開発用の各種認証情報(GitHubトークン・NPMトークン)が悪用された場合、世界中の開発者環境に連鎖的な被害が生じる可能性がある。

ただし同社CEOのギリェルメ・ラウフ(Guillermo Rauch)氏は、「Next.jsおよびその関連開発ツール(Turbopack)への影響はないことを公式に確認している」と述べており、ブロックチェーン自体やスマートコントラクトへの直接的な影響もない。現時点でこのシナリオを裏付ける証拠は確認されていないが、「センシティブ(機密)」設定のされていない環境変数については即時更新が推奨されている。

今回の事案は、開発現場へのAIツール導入が急速に広がる中、その連携経路が新たな攻撃の糸口になりうることを改めて示している。「便利さ」と引き換えに、接続したツール一つひとつがセキュリティ上のリスクになり得るという構造的な問題が浮き彫りになった形だ。バーセルは引き続き調査を進め、進展があり次第、公式ページを更新するとしている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/20 月曜日
11:05
イラン停戦期限迫る、原油とビットコインが綱引き
イラン停戦が4月21日に期限を迎える中、ビットコインは75,000ドル超を維持。ホルムズ海峡の通行制限が原油価格と仮想通貨市場を大きく揺さぶっている。
10:15
ETHリステーキング「KelpDAO」攻撃で440億円以上が不正流出か 被害の原因は?
仮想通貨イーサリアムのリステーキング「KelpDAO」がブリッジの脆弱性を突かれ、rsETH推定440億円相当が不正流出した。原因やAaveなどの対応状況を解説する。
09:57
クラウド基盤バーセルに不正アクセス、仮想通貨プロジェクトも警戒
クラウド開発基盤のVercelが不正アクセス被害を確認。AIツール経由のOAuth攻撃が発端で、DeFiプロジェクトのAPIキーや認証情報の漏えいリスクとサプライチェーン攻撃への波及が懸念されている。
08:15
米アルミ大手、休止中の製錬所をビットコインマイナーに売却へ
米アルミ大手アルコアが、休止中のニューヨーク州製錬所サイトをビットコインマイニング企業NYDIGに売却する交渉が大詰めを迎えている。産業インフラの仮想通貨転用が加速。
07:40
米国制裁アドレスに930億円超のビットコインが今も滞留
米財務省OFACの制裁対象ビットコインアドレス518件が過去に約25万BTCを受領し、現在も9,306BTC(約930億円)が残存していることが判明した。
04/19 日曜日
11:30
ビットコイン和平交渉期待で底堅く、中東情勢と米金融政策が焦点に|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTCは地政学リスク後退を受け1190万円台で底堅く推移。米イラン和平交渉の進展可否と、21日予定のFRB次期議長候補ウォーシュ氏の議会証言が上下の分岐点に。bitbankアナリスト長谷川氏が今後の展望を解説。
09:30
今週の主要仮想通貨材料まとめ、小口ETH保有者の売り加速やXRPのETFに過去2番目の資金流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
09:25
週刊仮想通貨ニュース|ビットコインの100万ドル超えの可能性分析や量子リスク対応計画に高い関心
今週は、ビットワイズによる仮想通貨ビットコインの価値分析、量子脆弱なビットコインへの対応計画、ティム・ドレイパーによるビットコインの価格予測に関する記事が関心を集めた。
04/18 土曜日
14:20
サークルが「USDCブリッジ」を発表、ソラナへのクロスチェーン転送を自動化
ドルステーブルコイン発行の米サークルが、USDCの公式ブリッジ機能を公開。提供開始された「USDC Bridge」とソラナ向け転送サービスにより、500ミリ秒以内の高速決済やナノペイメントが可能となった。
13:50
仮想通貨XRP、ソラナで『wXRP』として利用可能に
仮想通貨XRP保有者がソラナのDeFiエコシステムにアクセス可能に。Hex TrustとLayerZeroを通じたwXRP(ラップドXRP)が18日にソラナで稼働開始。売却せずにDeFi運用を実現。
13:10
米ビッグス下院議員、3月にビットコイン現物ETFに最大4000万円投資
米国のシェリ・ビッグス下院議員がブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」に最大25万ドルを投資したことを開示した。共和党を中心に議員による購入が報告されている。
11:10
米シタデル、予測市場への参入を検討 地政学リスクのヘッジ手段として注目
米シタデル・セクリティーズの社長が、急速に拡大する予測市場への流動性提供の可能性を表明。地政学イベントのヘッジ需要を受け、2026年の市場規模は2400億ドルに達する見通し。
10:15
東京都、円建てステーブルコインで事業者支援開始 国際金融都市として競争力高める
東京都が円建てステーブルコイン普及に向け事業者支援を開始する。小池百合子知事は、国際金融都市戦略で重要になると位置づけている。
10:00
ビットコイン急伸、ホルムズ海峡開放と原油急落で内部環境に強気サイン|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、17日夜から18日朝にかけて上昇した。背景には、中東情勢を巡る緊張緩和期待の高まりがある。米原油先物市場ではWTI期近が一時70ドル台まで大きく下落した。
08:50
ジパングコインをマルチチェーン展開へ、OP採用でソラナ拡大も予定
三井物産デジタルコモディティーズは、貴金属価格連動の仮想通貨ジパングコインシリーズのパブリックブロックチェーン展開を開始する。イーサリアムL2のOPメインネットを採用し、ソラナへの拡大も予定する。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧