- 中国、2月の新通知で国内のRWA発行・取引も原則禁止
- 米ジーニアス法、2027年1月18日に施行へ
海外8地域の暗号資産規制を整理
金融庁は30日、米国や英国、EU、中国など8カ国・地域の金融制度を調べた委託調査の報告書を公表した。調査は渥美坂井法律事務所・外国法共同事業が担当し、各地の監督体制と業態ごとの規制をまとめた。報告書本体は609ページあり、2026年3月付で作成されている。
金融庁によると、調査の目的は国内の金融制度の「企画・立案の参考」とすることだ。報告書は銀行や証券、保険に加えて、8地域すべてについて暗号資産交換業者の規制を扱う節を設けている。
国内では2026年7月15日、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)の枠組みに移す改正法が成立した。改正法は同月23日に公布され、暗号資産に関する規定は公布日から1年以内に施行される。
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米欧はステーブルコイン制度が先行
米国の章は、2025年7月18日に成立したジーニアス法を、ステーブルコインに関する初の包括的な連邦規制の枠組みと位置づけた。施行日は、2027年1月18日と、規制当局が最終規則を公布してから120日後のうち、いずれか早い日となる。米通貨監督庁(OCC)が2026年10月21日に最終規則を公表したことで、施行日は2027年1月18日となる見通しだ。2026年3月17日に米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)が共同で出した解釈指針も盛り込んだ。この指針は、暗号資産の取引が連邦証券法の対象となる場合を明確にしたもの。
EUについては、2024年12月30日に全面適用されたMiCA規則(暗号資産市場規則)の経過措置を国別に整理した。既存業者への猶予期間は最長18カ月で、フランスやイタリアなど12カ国がこの最長期間を選んだ。これらの国の猶予は2026年6月末までだった。
英国の章は、金融行為規制機構(FCA)の協議文書をもとに、ステーブルコイン発行者に課す要件案を紹介している。裏付け資産は発行者グループと無関係な第三者に預ける。償還請求を受けた場合は、金融犯罪対策に必要な情報がそろった時点から、遅くとも翌営業日の終わりまでに支払いを指図する。裏付け資産から生じる利息を保有者に分配することは禁じる方針だ。
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中国はRWAも禁止、香港は取扱商品を拡充
アジアでは、中国と香港の方向性がはっきり分かれている。中国の章によると、中国人民銀行など8部門は2026年2月6日、暗号資産のリスク防止に関する新たな通知を連名で出し、2021年の旧通知を廃止した。新通知は、法定通貨との交換や取引仲介を違法な金融活動として全面禁止する立場を維持した。そのうえで、人民元に連動するステーブルコインを無許可で海外発行することも禁じた。
新通知はRWA(現実資産トークン化)も対象にしている。国内での発行・取引と、関連する仲介や技術サービスは原則禁止となる。例外は、主管部門の正式承認を得て特定の金融インフラ上で行う場合に限られる。海外の事業者が中国国内の主体にRWA関連サービスを提供することも認めていない。
香港の章は、証券先物委員会(SFC)が2025年11月3日に出した2本の通達を取り上げた。1本目は、認可を受けた取引所が扱えるトークン化証券などの範囲を広げるもの。2本目は、海外のグループ会社とのオーダーブック(注文板)の統合を認めるものだ。香港財経事務及庫務局(FSTB)とSFCが2025年12月に公表した協議結論では、規制対象を取引所の運営から店頭取引や仲介にまで広げる方向が示された。
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