RaaSにおけるZK/OPの比較：なぜZK-RaaSがリードを取るのか

要約：

Optimistic Rollupsと比較して、ZK-Rollupsには以下の利点があります:

• 圧縮されたトランザクションデータにより、L1のガスコストが低くなります。
• 検証者が検証をチャレンジする必要がないため、セキュリティが向上します
• より高速なトランザクション確認速度と短い引き出し時間があります。

これらの利点に加えて、ZK-RaaSはネットワーク効果を通じて次の利点があります：

• ZK-RaaSは、ZK-PoWを利用して複数のZK-Rollupsにスケーラブルな計算能力を提供し、ZKP計算のコストを削減します。
• ZK-Rollupsのより高速なトランザクション確定（数分のオーダー）により、ネイティブクロスロールアップコミュニケーション（NCRC）が可能になります。これにより、流動性の断片化の問題が解決されます。

RaaSとは何ですか？

 Rollups-as-a-Service (RaaS)は、RollupフレームワークとSDKの上に抽象化レイヤーを提供し、カスタマイズされたアプリケーションロールアップ（AppRollups）を簡単に展開、維持、構築することができます。SaaS（Software-as-a-Service）製品と同様に、RaaSは開発者がアプリケーション層の構築に集中できるようにし、複数のエンジニアと数十時間を要するプロセスを10分間のノーコードデプロイメントに変えます。

ロールアップには主にOptimistic rollupsとZK-Rollupsの2つの主要なタイプがあります。これらはトランザクションの検証と確認、問題解決において異なる利点と欠点を持っています。

提供されるロールアップのタイプに基づいて、この記事ではRaaSを Op-RaaS と ZK-RaaS に分けています。

1. コスト

ZK-Rollupsは、Optimistic Rollupsと比較して、より低いL1 Gasのコストを持っています。

 ロールアップソリューションの主な目的の1つは、L1上のトランザクションのスループットを増加させ、ユーザーのガス手数料を削減することです。Optimistic RollupsとZK-Rollupsの両方は、トランザクションをバッチ処理し、定期的にL1に送信することでこの目標を達成します。

その結果、両方のロールアップ手法は、L1へのデータ送信に対してガス手数料が発生します。

• Optimistic Rollupsでは、フラウドプルーフ（詐欺証明）を使用するため、すべてのトランザクションデータをオンチェーンに公開する必要があります。その結果、メインチェーンへのデータバッチの送信にはより多くのガスが必要となります。
• 一方、ZK-Rollupsは効率的なデータ圧縮技術を利用しています（例：ユーザーアカウントをアドレスではなくインデックスで表現し、28バイトのデータを節約する）。これにより、トランザクションデータを下位チェーンに公開するコストを下げるのに役立ちます。

したがって、ZK-RollupsはOptimistic Rollupsと比較してより多くのL1 Gasを節約することができます。

ZK-RaaSは、大規模なマイナーの参加により、ZKP（Zero-Knowledge Proof）の計算コストを削減します。

ただし、ZK-Rollupsには、ゼロ知識証明を生成するための追加の計算コストがかかります。それがZK-RaaSが解決しようとする課題です。

ZK-Rollupsが大規模に採用されているため、ZKPの生成には、CPU、GPU、FPGAを含むハードウェアやマイニングマシンからの膨大な計算能力が必要です。Opsideはさらに、ZK-PoW という概念を導入し、マイナーがzkEVMノードの維持やZKPの計算を行うことを含みます。

OpsideのZK-PoWプロトコルは、Ethereum、BNB Chain、Polygon PoS、Opside Chain自体を含む複数のチェーンに展開されています。

より多くのマイナーがZKP計算タスクに参加するようにするために、OpsideはZKPの2ステップ提出アルゴリズムを導入しました。有効なZKPの提出者であるマイナーに対して、ZKPに対応するPoW報酬の一部が特定のルールに従って分配されます。

1. 証明ハッシュの提出:時間枠内で、複数のマイナーが特定のシーケンスのゼロ知識証明の計算に参加することが許可されています。証明を計算した後、マイナーは直接元の証明を提出しません。代わりに、(proof / address)の証明ハッシュを計算し、この証明ハッシュを契約に提出します。
2. ZKPの提出:時間枠の終了後、マイナーは元の証明を提出し、以前に提出された証明ハッシュと照合します。検証に成功したマイナーはPoW報酬を受け取ります。報酬の金額は、マイナーのステーキングされた金額に比例して分配されます。

Opsideでは、ZKPのための2段階の提出アルゴリズムにより、ZKPの並列計算と順次提出が実現されており、マイニングマシンが複数のZKP生成タスクを同時に実行することが可能です。これにより、ZKP生成の効率が大幅に向上します。

2. トランザクションの確定と資金の効率

• Optimistic Rollups：Optimistic Rollupsでは、最大7日間のチャレンジ期間（検証期間）があります。トランザクションは、チャレンジ期間が終了した後にメインチェーンで確定されます。ブロックチェーンの状態が議論余地のないものになるまで待つ必要があるため、Optimistic Rollupsはトランザクションの確定において遅延が発生します。
• ZK-Rollups：ZK-Rollupsは、トランザクションの確定において低遅延を実現しており、通常は数分または数秒で完了します。ノードのオペレータが妥当性の証明を検証すると、状態の更新が行われます。

Optimistic Rollupsではチャレンジ期間があるため、ユーザーは期限切れ前に資金を引き出すことができず、不便を感じることがあります。（※提出された状態が正しいことを知るために独自のベリファイアを走らせているサードパーティブリッジからは、より速い出金は可能です。）

一方、ZK-Rollupsにはそのようなチャレンジ期間がなく、ユーザーに優れた資金/流動性の効率を提供し、いつでも資金を引き出すことができます。

3. 共有流動性

重要なことは、ZK-Rollups内でトランザクションが迅速に確認されるため、ZK-Rollups間で信頼性のある通信を実現することが可能です。これにより、すべてのロールアップが資産の流動性を共有することができます。

ただし、7日間のチャレンジ期間と不正証明の存在により、Optimistic Rollups間での信頼性のあるネイティブな通信を実現することは実用的ではありません。

OpsideのZK-RaaSプラットフォームは、NCRC (Native Cross Rollup Communication) プロトコルを導入しており、信頼性のあるRollup間の相互運用ソリューションを提供しています。NCRCプロトコルは、各Rollupに追加の第三者ブリッジを追加することなく、ZK-Rollupのネイティブブリッジをシステムレベルで変換します。

これにより、さまざまなZK-Rollupのネイティブブリッジを直接利用して、Rollup間の通信が可能になります。このアプローチは、より簡潔かつ包括的であり、第三者ブリッジに関連する複雑さや信頼コストを回避しながら、ネイティブブリッジの絶対的なセキュリティを継承します。

オプサイドはTestnet上でNCRCを正常に実装しました。誰でも以下でそれを体験することができます：

https://pre-alpha-assetshub.opside.network/。

4. セキュリティ

Optimistic Rollups: Optimistic Rollupsにおける不正証明は、正当なバリデータに依存してトランザクションの妥当性を保証することで、ブロックチェーンネットワークを保護します。もし妥当でないトランザクションに対して正当なノードが挑戦しない場合、悪意のあるアクターはこの脆弱性を悪用し、資金を窃取する可能性があります。

その結果、Optimistic Rollupsは保証されなくなります。

ZK-Rollups: ZK-Rollupsは正直なバリデータに依存せず、代わりにゼロ知識証明を使用してトランザクションを検証します。利点は、ZKPが数学的な証明を通じてセキュリティの保証を提供するため、ZK-Rollupsが信頼できるということです。

一方、Optimistic Rollupsの不正証明は理論的には可能であり、いくつかのロールアップが現在稼働していますが、このセキュリティモデルのリスクは時間の経過とともに露呈されます。Optimistic Rollupsミスティックロールアップの数が増えるにつれ、このリスクは「グレーライノ」または「ブラックスワン」になり得ます。

正直なバリデータを運営することはコストがかかり、ほとんど利益が生まれません。Op-RaaSが多数のOptimistic Rollupsミスティックロールアップを作成する場合、わずかな主要なロールアップを超えて、各ロールアップの正直なノードを確保することは困難になります。

特に、注目度の低いロールアップに対してはさらに難しいです。

一方、ZK-Rollupsのセキュリティは信頼性があります。なぜなら、不正なトランザクションを検証するためにユーザーやバリデータに依存しないからです。

代わりに、数学的な証明を通じてセキュリティの保証を提供します。

結論

ZK-RaaSやOp-RaaSの場合、開発者は複雑なソフトウェアやハードウェアの管理を必要とせずに、独自のロールアップアプリケーションチェーンを持つことができます。

OpsideなどのZK-RaaSプラットフォームは、ZK-PoWやNCRCプロトコルなどの機能を導入しており、ZK-Rollupsの利点をさらに強調しています。