ビットコイン巨額のハッキング被害も週末相場への影響は限定的、ピーター・ブラントの強気シナリオでは来年15万ドルに達する可能性

マクロ経済と金融市場

前週末5月31日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比574.8ドル(1.5%)高、ナスダック指数は2ポイント安で取引を終えた。

米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、コインベースが前日比3.7%安と反落した。

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東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前営業日比361.7円(0.94%)高となった。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比%高の1BTC=68,737ドルに。

BTC/USD日足

MikybullCrypto氏は、形成中のメガホンパターン(ブロードニング・フォーメーション)の上抜けを予想。ブレイクアウトを果たした場合、強気の価格予測では1BTC=85,000ドル|+1.45万ドル(20.5%高)の上値余地があるとした。

先週末の5月31日には、国内の暗号資産(仮想通貨)取引所DMM Bitcoinから480億円(3億ドル)相当のビットコイン「4502BTC」が不正流出する事件が発覚し一時下落したが、相場への影響は少なくとも現時点では限定的に留まった。

顧客の預かり資産については、グループ会社からの支援のもと調達を行い全額補填する決定をいち早く打ち出しており、いずれ潜在的な買い圧力になるとの見方もある。

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QCPキャピタルは、DMMのハッキングで不正流出したビットコイン(BTC)やMt.Goxが債権者に弁済する約96億ドル相当のビットコイン(BTC)は市場の売り圧力になるため弱気の見通しを示し、一方でイーサリアム(ETH)に対しては、市場予想よりも前倒して6月中にもETF(上場投資信託)の取引が開始される可能性があるとして強気の見通しを示している。

中・長期予想

著名投資家のピーター・ブラント氏は、「ビットコインの過去の強気相場サイクルには美しい対称性がある」と指摘した。

マイニング報酬が半減する「半減期(Halving)」の日付が、過去の強気相場サイクルのほぼ中間点を示しているという。具体的には、天井圏から75%以上の価格下落後の安値=強気相場サイクルの開始地点から半減期までの週数は、半減期から次の強気相場の高値までの週数とほぼ等しいとの観測に基づく。

例えば、前々回の半減期である2016年では、半減期を挟んで76週間(532日間)に渡って弱気相場から強気相場へと転換した。前回は71週〜78週に渡って同様の展開を辿っている。

このパターンから次の相場サイクルの最高値を想定すると、強気シナリオでは来年(2025年)8月末から9月初めにかけて1BTC=130,000ドル〜150,000ドルの範囲に達する可能性がある。

一方、弱気シナリオとしては、現在のビットコイン(BTC)価格がすでにピークを迎えている可能性も25%程度あると言及した。高値を更新せずに1BTC=55,000ドルを下回った場合、指数関数的減衰(Exponential Decay)の確率を上げるとしている。

過去の強気相場サイクルのデータは次の通り。

  • 2009年12月21日から2011年6月6日まで: 3191倍の上昇
  • 2011年11月14日から2013年11月25日まで: 572倍の上昇
  • 2015年8月17日から2017年12月18日まで: 122倍の上昇
  • 2018年12月10日から2021年11月8日まで: 22倍の上昇

強気相場の繰り返しでいずれも大幅上昇して入るものの、市場規模が拡大し、より成熟してきた昨今では各サイクルの上昇幅は前回サイクルの約20%程度に縮小している。

このロジックを過去のパターンに適用すると約4.5倍(22*0.2)の上昇が予測され、現在のサイクルの底値である15,473ドルを基にすると、予測される高値は72,723ドルで、すでに達成された価格と一致するという。

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オンチェーンアナリストのLeonWaidmann氏によれば、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の暗号資産(仮想通貨)取引所残高は過去数年間で最低水準に達している。

取引所に保管されているBTCは全供給量の11.6%、ETHは10.6%まで減少しており、大口投資家(クジラ)が引き続き暗号資産を蓄積し、供給が不足する可能性が高まっていることを意味する。

1年前の取引所残高は、ビットコイン(BTC)が約20%、イーサリアム(ETH)が25〜26%だった。これらの減少は、大口投資家が資産を取引所から引き出して自己管理していることや、ステーキングによるロックアップが影響していると考えられる。

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