はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

リップル:米2大仮想通貨取引所に上場手数料を提示か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Rippleが米取引所へ上場手数料を提示
Rippleがアメリカの2大仮想通貨取引所であるジェミニとコインベースに対し、各取引所への上場のために対価を支払う提案をしていたとBloombergにより報じられました。
仮想通貨の上場手数料
米法律事務所によれば、既存市場でも上場に際しての手数料を払うケースがあったことを鑑みても、仮想通貨の上場に際して対価を払うことは完全に合法であるものの、今後、トークンが未登録の有価証券として扱われるようになった場合はトークンの発行者とそれを扱う取引所の両方が処罰の対象になりえるとのことです。

Rippleとアメリカ2大取引所

Rippleは困難に直面しています。

Rippleは世界三番手の仮想通貨XRPを制御しているスタートアップです。

今回、複数の銀行がRippleネットワークに加入し、さらに同社の株式を取得しました。

これらには世の中のお金の流れを再編しようという狙いがあります。

とはいえ一方で、Rippleはジェミニとコインベースというアメリカトップ2の仮想通貨取引所への上場に関して、まだ決定に至っていないという現状もあります。

状況は厳しいものの、これまでRippleが何の動きも取っていなかったわけではありません。

昨年、Rippleはコインベースとジェミニの二つの取引所に対し上場手数料を払うことを提案していたというのです。

これはこの件に直接関わった4名の関係者が、匿名を条件に打ち明けた情報で、Bloombergにより報じられました。

RippleならびにXRPは、その誇大広告にも関わらずジェミニやコインベースといった主要取引所で上場できていない状態が目につきます。

そこでRippleは手数料を提示することで、Rippleの今後の成功はXRPがこれらの取引所に上場できるかどうかにかかっている部分があるのだと示したかったようです。

しかしこれには大きな障壁があると言わざるを得ません。

アメリカ当局は未認可の取引所に対し、有価証券と見なされうるトークンを上場させないようにとの警告を発表しているのです。

XRPが一つの企業によって管理されている現状では、意図的な指示のもと投機を加速させる可能性があります。

関係者によると昨年、Ripple幹部は、100万ドルの現金を支払うことで第三四半期中にXRPを上場させるようジェミニを説得できるかと尋ねていたようです。

これ以前にも、ジェミニへのXRP上場にかかる費用をRippleが補填するような提案を持ちかけていたこともあったと同関係者は語りました。

また、昨年秋のコインベースとの事前協議の中で、RippleはコインベースでのXRPの取引開始のためならコインベースに1億ドル相当のリップルを貸し付けることも厭わないと伝えていたようです。

この貸し付けたRippleの返済はRippleでも米ドルでも受け付けるといった提案内容で、いずれも書面に記されることはなく口頭でコインベースに伝えられたものでした。

これらは協議の参加者からの情報提供で明らかになりました。

また、もしコインベースが米ドルでの返済を選択すれば、上場に際してXRPの価格が上がり、貸付時との差額で同取引所が利益を得るという仕組みになっていたということも伝えられました。

これに対し、ジェミニとコインベースはいずれもRippleの提案を断っていたようです。

この内容を受け、Ripple広報担当のEmmalee Kremer氏は、不正確な情報も混ざっているとしつつもその詳細についての説明は拒否しました。

同氏は以下のように補足します。

これまでRippleは、注力しているXRPエコシステムの構築と拡大に関して常に透明性を保ってきました。私たちはXRPを最も流動性の高い資産として、素早くかつ安く、グローバルな決済を実現したいと考えています。

ジェミニはこの件についてコメントを控えており、コインベースも詳細についてはノーコメントでした。

Autonomous Research社の報告によれば、コインベースでの上場の制度は以下のようになっているとのことです。

  • ・通貨の上場に際しては基本的にコインベースへの報酬を払う必要はない。
  • ・上場後のより円滑な流通のために、100万ドル〜300万ドルの費用が必要な場合があるが、市場との調整次第なのでその金額の幅も確かではない。

XRPと市場

ここ数ヶ月、XRPの価格を引き上げている要因がいくつかあります。

一つは、XRPが諸外国より規制の厳しいアメリカの取引所へ叙情することが決まったということです。

アメリカの取引所への上場はビットコインのような強大な銘柄の中でのXRPの地位をより強固にすると言えます。

XRPの支持者にとって、XRPは銀行中心の現在の経済と、シリコンバレーのテクノロジー企業を味方につけた仮想通貨経済を結ぶ大切な存在です。

XRPは現在銀行によって行われている異国間の送金を進化させ、より早くより安く送金を実行するよう設計されています。

もしXRPが有価証券という判定がなされると、ほとんど規制がなされていない仮想通貨市場から外れることとなり、既存の株式市場のような規制の管理下に置かれることになるでしょう。

そしてそれはXRPを扱う取引所も同じであると考えられます。

しかし投資家たちは望みを捨てていません。

CoinDeskのデータによれば、Rippleの新規の顧客獲得の成功の影響やアメリカの取引所への上場の見通しなどから、XRPは12月上旬から1月上旬にかけて14倍以上の価格の急上昇を見せました。

これは、コインベースがXRPの上場を決定したという報道がコインベース自身によって否定される以前の出来事でした。

3月5日には、CNBCがRippleCEO Brad Garlinghouse氏とコインベースCOO Asiff Hirji氏を翌日の番組に登場させるとの決定を受け、この2社による上場が間も無く発表されるという憶測が飛び交ったこともありました。

株式市場と仮想通貨市場の上場手数料

クリフォードチャンス法律事務所の弁護士、Jesse Overall氏は仮想通貨の上場に際して手数料を払うことの合法性について以下のように述べました。

既存市場でも上場に際しての手数料を払うケースがあったことを鑑みても、仮想通貨の上場に際して対価を払うことは完全に合法です。しかし今後、トークンが未登録の有価証券として扱われるようになった場合はそうではなくなる可能性もあります。その場合、トークンの発行者とそれを扱う取引所の両方が処罰の対象になりえます。

アメリカ最大の証券取引所であるニューヨーク証券取引所に上場する企業は手数料の支払いを求められますが、さらに上場審査基準をクリアし維持し続けなければなりません。

NASDAQを例に挙げると、ガイドブックによれば同証券取引所は毎年上場維持の手数料として42000ドル〜155000ドルを企業から徴収できるとのことです。

ジェミニとコインベースはそれぞれ自社取引所の仮想通貨に規制を設けています。

ジェミニではビットコインとイーサしか取引できず、創業者のWinklevoss兄弟が先月、ビットコインキャッシュやライトコインなどの他の通貨へも取り扱いを拡大したいと発言していたもののこの状況に変化はないままです。

コインベースはビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサ、ライトコインを取り扱っていますが、3月5日に、今後の通貨の追加は未定だと強調しました。

アメリカ証券取引委員会は、有価証券に当たるトークンを扱う仮想通貨取引所は国の交換業登録か、免除資格の登録が必要になると発表しました。

また、同委員会が違法であると思われるICOに携わっていた個人・法人を召喚していたことも関係者から明らかにされました。

広報担当者は同委員会のXRPに対する見解についてはコメントを控えています。

このアメリカ証券取引委員会による警告は業界に大きな反響を与えました。

報道によると3月、ジェミニ創業者のWinklevoss兄弟は、仮想通貨市場とカストディアン(有価証券を管理する金融機関)を制御するための提案を規制機関に提出したとのことです。

CoinRoutes CEO、Dave Weisberger氏は次のように述べます。

既存の株式市場と違い、仮想通貨市場では上場時の手数料発生が一般的でないことには理由があります。株式市場においては長く、手数料は中央機関による取り締まりの意味合いも持っていました。一方で仮想通貨は誰の監督も受けないという思想のもと運用されているのです。

つまり、仮想通貨の理念は株式市場の手数料概念とは相反するものになるということです。

とはいえ仮想通貨の上場への動機が否定されるわけではありません。

Weisberger氏は最後にこう述べました。

仮想通貨発行主体が通貨の上場のために費やす費用は、通貨が上場すれば100倍の価値をうむことになるのですから。

Ripple Has Tried to Buy Its Way Onto Major Exchanges for Cryptocurrency

5th April 2018 by Benjamin Bain, and Peter Eichenbaum

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコイン市場回復の鍵やリップル社の事業拡大など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、BNB、XRPなどの主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
13:55
金融庁、銀行の仮想通貨投資解禁を検討=報道
金融庁が銀行によるビットコインなど仮想通貨の投資目的での取得・保有を可能にする制度改正を検討しているようだ。銀行グループの仮想通貨交換業者登録も可能にし、個人投資家の環境整備を図る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|バイナンスのユーザーへの救済金配布に高い関心
今週は、トランプ・ショックを受けた仮想通貨取引所バイナンスによるユーザー補償、メタプラネットの企業価値指標mNAVの低下に関する記事が最も関心を集めた。
10/18 土曜日
13:55
OneKeyが12万件のビットコイン秘密鍵脆弱性を報告、トラストウォレットに影響か
ワンキーがリブビットコイン・エクスプローラー3.xの脆弱性により約12万件のビットコイン秘密鍵がクラッキング可能になると報告した。トラストウォレットなど複数の製品が影響を受けている模様。
13:50
オープンシーが2026年1QにSEAトークン発行予定、供給量の50%をコミュニティへ配布
オープンシーCEOが2026年第1四半期のSEAトークン発行を発表した。総供給量の50%がコミュニティに配分され、収益の50%が買い戻しに使用される。ステーキング機能も実装予定だ。
13:05
G20、グローバルな仮想通貨規制の不足を指摘 ステーブルコインの課題も
国際的な金融監督機関FSBが、ビットコインなど仮想通貨の規制実施状況を評価する報告書を発表。各国規制の断片化と一貫性の欠如を指摘し、ステーブルコイン監督の課題も述べた。
10:55
著名ユーチューバー「ミスタービースト」、仮想通貨取引所商標を申請
登録者4億4600万人のユーチューバー、ミスタービーストが仮想通貨取引やDEX運営を含む金融プラットフォームの商標を申請した。バンキングや投資サービスも提供する計画だ。
10:05
決済大手ストライプ支援のL1チェーン「テンポ」、750億円を調達 イーサリアムOBが参画
ストライプとパラダイムが支援する決済特化型L1ブロックチェーン「テンポ」が750億円を調達した。評価額は7,500億円に達し、著名イーサリアム開発者も参画する。
09:30
スイス当局、FIFAのNFTプラットフォームを違法賭博として刑事告発
スイス賭博監督局がFIFAのブロックチェーン型NFTプラットフォームを違法な賭博サービスとして刑事告発した。参加に金銭的賭け金が必要で、賞金獲得が抽選で決まる仕組みが宝くじやスポーツベッティングに該当すると判断された。
08:35
オープンシーがNFT特化から事業転換、22チェーン対応の仮想通貨取引所に=報道
NFT市場の崩壊を経たオープンシーが、22ブロックチェーン対応のマルチチェーン仮想通貨取引アグリゲーターに転換すると報じられた。
07:45
アーサー・ヘイズのMaelstrom、仮想通貨企業の買収ファンドを計画
アーサー・ヘイズ氏は、仮想通貨企業をターゲットにした企業買収ファンドの構想があることを明かした。ファンドの規模は370億円超で、投資インフラや分析プラットフォームなどのサービスプロバイダーに特化する。
07:02
Huobi創設者が1500億円規模のイーサリアム保有企業設立へ、アジア投資家が参画
中国の仮想通貨取引所Huobi創設者リー・リン氏が、アジアの初期イーサリアム支援者らと10億ドル規模のデジタル資産信託を立ち上げる。ナスダック上場企業買収を交渉中で、2-3週間以内に発表予定だ。
06:40
米地方銀行の不良債権増加で金が大幅続伸、2023年破綻危機の再来懸念か
米地方銀行が不良債権を償却し株価が急落する中、金価格は今週7.34%上昇した。JPモルガンCEOが更なる問題発生を警告し、投資家は2023年の銀行危機再来を懸念している。
06:30
分散型エネルギー企業Daylight、a16zやコインベースなどから約113億円調達
DaylightがFramework Ventures主導で約113億円を調達。ブロックチェーン技術で分散型エネルギーネットワークを構築し、住宅用太陽光発電の普及を促進。a16z cryptoやCoinbase Venturesも参加。
06:20
金・銀が年初来60%超上昇、ビットコインは追いつけるか?
金の時価総額が30兆ドルを超え、年初来63%上昇した一方、ビットコインは14.5%増に留まっている。米中貿易緊張と金利低下が金の需要を押し上げ、ビットコインは調整局面にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧